Ⓒ Terri Weifenbach

(Editor) | 24, Apr, 2017

Terri Weifenbach 「The May Sun」

 

本日4月24日は弊誌第14号「The Artist」特集の発売日です。“アーティスト”と呼ぶにふさわしい、信念を貫きつづけるクリエイターたちへのインタビューを重ねました。ぜひお手に取ってご覧ください。

さて、今号のカルチャー/イベント紹介ページ「Coming Up」にて、東京・目黒の「ブリッツ ギャラリー」で行われている写真家テリ・ワイフェンバックの個展を紹介させていただきました。字数の関係で載せきれなかったのですが、実は伊豆の「IZU PHOTO MUSEUM」でも別の彼女の個展が同時開催中。こちらでは、ワイフェンバックが本ミュージアムに滞在し撮りためた最新シリーズ「The May Sun」が展示中です。

で、早速行ってきました。展示室を含む屋内全面撮影禁止なので、外観のみの写真……。

 

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意外にも、ワイフェンバックの大規模個展は今回が国内外で初とのこと。広々としたミュージアム内には、約110点というたっぷりとしたボリュームで写真/映像が展示されていました。

最新作「The May Sun」は、「IZU PHOTO MUSEUM」の周辺で撮られたものですが、いわゆる伊豆的な要素はあまりなく(接写だしね)、そこには不変のワイフェンバックの色彩と独特なフォーカスの世界が広がっていました。もしかしたら、地元の人には“伊豆”がわかるのかな?

また、パレスチナの押し花帳『Pressed Flowers from the Holy Land』に触発されて作成したというモノクロのシリーズ「The Politics of Flowers」も展示されています。パレスチナの紛争を思い起こす重いテーマで、一般的なワイフェンバックのイメージとは真逆ともいえる、感傷的な気分になります。

「The May Sun」では、ユニークな表現から生み出される美しいビジュアルが見られる。しかし、その内包するコンテクストには乏しい。一方、「The Politics of Flowers」は既存の押し花をスキャンしているもので、モノクロでシンプル。しかし、そのコンテクストは計り知れない。そして2つが同じ場所で提示されることでくっきりと現れてくる、非現実/現実の交錯、もしくはその反転。様々な要素が相反するこの両作が対になる形で展示されていることが、両作に対して別の角度からの視点/解釈をもたらし、またワイフェンバックへの理解や関心を深めるきっかけになるのではないかと思います。その意味で、ミュージアムに出向いて鑑賞すべき、特別な展示になっているのではないかと思います。

「IZU PHOTO MUSEUM」には初めて行きましたが、2009年に開館したばかりでとても綺麗。現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之が立ち上げた設計事務所「新素材研究所」による建築・内装にも注目です。

僕は行かなかったけど、近隣には「クレマチスの丘」や「ベルナール・ビュフェ美術館」もあるので、リフレッシュがてらぶらりと行くにもよいですね。

次は、「DIC川村記念美術館」のロスコ・ルームに行きたいです。

 

上岡