(Editor) | 11, May, 2017

バレンシアガのキャップ

夏はもうすぐそこ!というのにファッションの世界ではもう春夏シーズンが終わろうとしている。秋冬シーズンの展示会が始まり、来月には2018年の春夏メンズコレクション。まだ今夏の予定も立ててない…

それはともかく、今季もロゴアイテムが氾濫していた。数年前まではブランドロゴがこれ見よがしにプリントされたTシャツを着ているちょいワルオヤジを見かけてはせせら笑っていたというのに。そんななかでも、今季のメガヒットは《バレンシアガ》のベースボールキャップ。「またデムナの話かよ…」。そう思われそうですが、実際その通りだからぐうの音も出ない…
ライブストリーミング配信されたランウェイで見たときから、完売必至が一目瞭然でした。サンプルを展示会で見てさらに確信。発売する前から既に国内外の雑誌で多く取り上げられ、問い合わせも殺到していたそう。青山店の発売日、オープン直後には行列ができていたとか。ファッショニスタのみならず、地下アイドルとの熱愛が話題のジャニーズや松嶋屋のラブリンに振られた元チェキッ娘、ダンス&ボーカルグループや「誰だよお前」とつっこまざるをえない自称モデル、サッカー選手などなど、デムナのデの字も知らない人々に愛された超ヒットアイテムになりました。

だからこそ、言いたい。このキャップはそんな軟派なものじゃないということを。

創立100年を迎えるメゾンの初となるメンズコレクションでのランウェイ。アーカイブルームにあったという、クリストバル・バレンシアガが自身のために作りかけていた一着をもとにデザインしたコートがファーストルックを飾ったように、新しい《バレンシアガ》が表現する男性像というのを披露したシーズンです。そんなショーでこのロゴを登場させたのは、「これが《バレンシアガ》のメンズウエア」と伝えるためのものだと、デムナがインタビューで語っていました。かつて行われていた、ショーのフィナーレにシグネチャーロゴを登場させるという習慣を復活させたのだそうです。だから、いくらキャッチーで“ブランドもの”っぽかったとしても、これはれっきとしたコレクションピース。ランウェイルックのようにシンプルな装いにさらっとかぶってこそ、なのでは?《バレンシアガ》のキャップに《ヴェトモン》とか《スラッシャー》のパーカーって、ロゴが渋滞してるよ!

「大注目アイテム!2017S/Sバレンシアガのベースボールキャップ」
「おしゃれセレブ愛用率NO.1【バレンシアガ】のロゴキャップが欲しい」
というアクセス稼ぎのまとめサイトも業が深いし、『「BALENCIAGA」のロゴキャップをかぶれば、気分はお洒落なセレブの仲間入り♪』っていう一文にも中指立てたい。セレブ気分味わいたいのなら、恵比寿のカフェテラスでランチしながら日が暮れるまで自撮りでもしていて頂きたいところ。あと“インフルエンサー”と呼ばれる某ニューカマー系タレントがせっかくの白を汚れてきたからってタイダイ染めしていたのも釈然としないけど、まぁ他所様のファッションにケチをつけるのは野暮もいいところなのでやめときます。

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このキャップをかぶっている人で一番いいなとおもったのは、東コレのフロントに座っていたこのおじさん。どこのバイヤーかジャーナリストなんだろう。自分もいつかこんな感じにかぶれるまで大事に取っておこうと思います。