(Editor in Chief) | 29, May, 2017

疑問・お洒落の流儀 其の三 背中のネームタグ

突然ですが、背中のネームタグ、どうしてます?

背中と言うか、首のところ。

あれ、めっちゃ気になりませんか? 痒いを超えて、痛いときありますよね?

今回はあのネームタグの話。

ドレスシャツやジャケットなどではあまり気にならない首のところのネームタグ。

ただし、肌さわりの良いハイゲージのニットとか、シーアイランドコットンとかに付いているネームタグとなると、急にその存在がチクチク、イライラするものになる。靴の中の小石。あんなものにフラストレーション抱えているのもシャクなので、僕の場合、購入と同時にほとんどタグを取り外ことにしている。同じ理由でマルラーやスカーフも購入即取り外し。

ブランド側もそんな客の感想を「ごもっともです」と承知しているようで、シーアイランドコットンの《ジョン スメドレー》も、カシミアの《クルチアーニ》もハサミをプチンと入れるだけで、取外せるようなしつけになっている。おそらく、《クルチアーニ》などは2点留めなので、すぐに取外せるはずだ。

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ネームタグはある意味、ブランドの顔でもあるわけだから、簡単に取り外されたらかなわん、と考えそうだが、そこは肌触り命で売ってきたブランド。潔い。

というわけで、僕のところにあるカシミアやシーアイランドコットンは、今やどこのブランドもものかわからなくなってしまっている。

取り外しもやむなし、いや、むしろチクチクするなら、取り外して着てください。そんなブランドばかりではない。

例えば《メゾン マルジェラ》。昔で言うところの《マルタン マルジェラ》の4点留めのタグを取り外して着る人はいないだろう。あの4点留めこそが、ブランドのアイデンティだから。僕の知人は、購入時に4点留めのうちの1点がほつれていたので、ショップにクレームを言って付け直してもらっていた。

以前、《メゾン マルジェラ》に取材した際に思い切って訊いてみた。

「そうしたクレームはよく寄せられるのでしょうか?」

「いえ、初めてです。でも、私たちの服はラベルではなく、服そのものが重要であると考えています」

メゾンとしては、至極当然な回答。「タグが取れたらいつでも付け替えますよ」とは言わなかった。4点留めのネームタグが3点、いや、たとえ1点だけになっても《メゾン マルジェラ》であることには変わりない!その通りだ。それは、わかっているけど、できることなら付け直してもらいたい、と思うお客さんもいるのではないか。自分で付け直しても良いが、糸の太さとか違ったら恥ずかしいし………って気持ちも理解できる。

首とか背中ではないが、《N.ハリウッド》も左袖のネームタグにもしばしばこうした質問が寄せられる。

「あのタグは取り外して着るものですか? そのままで着るものですか?」

これもデザイナーの尾花大輔さんに直接尋ねてみた。

「取りたい人は取ってください。でも、僕は一応、タグを取らない状態を想定してデザインしています。一般的に、袖口に付けられたタグは取り外すものですが、僕はどのブランドのジャケットのネームタグも取りません」

なるほど。そう言われれば、反論する余地はない。ちなみに僕は袖はチクチク、イライラしないので取らないが、《N.ハリウッド》のカットソーやニットの首にあるタグは取り外す。

最近はアンダーウェアのカットソーもネームタグを付けないで、生地に直接プリントしているので、チクチクイライラは少なくなった。《ヘインズ》とか、偉いなぁって思う。

ただ、ここまでタグにこだわる人がいたら、それはそれで、スゴイ! ですよね。

チクチクとか超えてますもん。

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