(Editor in Chief) | 10, May, 2019

My Wish List 〜ないものねだりの子守唄〜 Vol.01_6ボタンのBDシャツ

古いものが好きだ。

還暦を過ぎて、今欲しいものとなると、ほとんどが古いもので、今はほとんど見かけなくなっているものばかり。

ないから、余計に欲しくなる。ないものねだり。

今、とても欲しいのが、70年代くらいまで普通に流通していた《ブルックスブラザーズ》の“6ボタン”のボタンダウンシャツ(ブランド的にはポロカラーシャツっすかね)。

 

自分が高校生の頃、《ブルックスブラザーズ》のボタンダウンシャツなんて、アメリカの大統領しか着ることのできない代物だと思っていました。『メンズクラブ』の誌面でみかけるだけで、実家の北海道はもちろん、おそらく1970年代の東京でも売っている店なんてなかったでしょう。

それが、1980年代の後半になると、古着屋さんにわんさか入荷した。汚れやすいため、タマ数の少ない白のシャツもふんだんにラックにかかっていました。値段もそれほど高くなく、1890円なんてのもあった。あの憧れのボタンダウンシャツが「都落ち」しているような気分にも少しなりましたが、コンディションの良いものを見つけるとすかさず買いました。赤タグ、青タグの意味もわからず、買いまくりました。

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こちらは「MADE IN U.S.A」の表記もない「Makers 赤タグ」

でも、着てみると、どうもダサい。まだ20代の自分には、全体的に大味すぎる感じ。ボタンダウンの命とも言える襟のロールも、本家に向かって失礼なのですが、なんだか不恰好に思えました。身幅も広く着丈も長く、シャツの中で身体が泳ぐ、と言った印象。特にフロントの6ボタンは、ホールの間隔が広く第二ボタンの位置がかなり低く、ダランとした感じがしました。それでも、天下の《ブルックスブラザーズ》のご威光に与かりたくて、古着だけどよく着回しました。襟が黒ずんできても着た。だが、《ギットマン》や《アイク・ベーハー》などがセレクトショップに並ぶようになると、すぐにそっちに浮気し始めたんです。

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大きくロールした襟。第2ボタンの低い位置が、Vゾーンをダサくしていたようだ。

 

しかし、今の気分はこのゆったりしたシルエットにゆったりVゾーン。中年太りのせいか、このくらいのルーズさがとても落ち着きます。もう、《ブラックフリース》や《バンド オブ アウトサイダー》のようなスリムシルエットなんて、無理。

ところが、以前はあんなに古着屋さんでも溢れていたのに、今はどこへ行っても《ブルックスブラザーズ》のボタンダウンなんて見かけません。6ボタンどころか、7ボタンでさえ、ほとんどナシ。理由は「売れないから」。

《ブルックスブラザーズ》は未だにクラシックスタイルのポロカラーシャツを販売しているのですが、さすがに6ボタンは絶滅しました。数年前、気まぐれのように復刻したそうですが、全く気が付きませんでした(残念)。

古着市場でも、ほとんど出回らないそうです。

となる、ますます欲しくなる。ないものねだりの中原理恵(わかる人がいるだろうか?)

そんな時に見つけたのが、こちら。

《キャプテン サンシャイン》が作成したボタンダウンシャツ。こちらのブランドでは「ビッグシャツ」と呼んでいるようですが、これぞまさしく求めていたシルエット。そしてフロントは6ボタン!

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思わず大人買いしたくなるボタンダウンです。ディテールも生地もさすがっす!

これを見つけたのは原宿の「ビームス プラス」。ダブルネームになっていました。すかさず購入しましたが、サイズを間違え交換させてもらいました。自分にはMサイズでよかったです。Lだとデカ過ぎ。

それにしても絶妙なサイズ感! おそらく60年代の《ブルックスブラザーズ》から抜いたのだろうけど(違ったら、ごめんね、児島くん)、襟のバックボタンや、裾のマチ、袖のギャザーなど、ディテールも心憎い。今は《ブルックスブラザーズ》の6ボタンを着ることができないので、比較はできないけれど、《キャプテン サンシャイン》のボタンダウンのほうが出来がいいようです。自分が着ていたのは古着だったからか、生地の素材感も本家よりも勝っているみたい。細番手なのに、糸に空気を孕んだようなふっくら感。光るようなハリ感。乾燥機で痛めつけて、そのあと洗いざらしにして着ると、ますます風合いが出てきました。さすが、児島&溝端コンビです。よし、大人買いしよう! と思ったら、実はこちらも絶滅危惧種状態。2019年春夏モデルのようですが、ぜひ、数年間は継続していただきたい。白だけでもいいので。

で、厚かましいお願いですが、1970年代の《Jockey》のTシャツも再現していただけないでしょうか? そうです、「Jockey Life」というシリーズのリブがちょっとハイネックになっている、あのTシャツです。サイズは当時よりもゆったりめで。これもどこ探してもないんですよね。あの6ボタンのシャツのインナーにはぴったりだと思うんです、と『アメリカン・グラフィティ』のリチャード・ドレイファスも言ってました。