(Editor in Chief) | 25, May, 2020

「もう、これ以上買わんでよし! 〜断捨離断念のマイ・ワードローブ〜」Vol.003_ポロシャツ

男に許される半袖は、ハワイアンシャツとポロシャツだけである。僕が高校生のころ読んだダンディズムの本の一説である。誰がどこで言ったのか、失念してしまったが、この言葉はずっと僕の心の中に引っかかっていた。

お洒落な男なら、シャツの袖は暑かったらまくりあげれば良いのであって、最初から袖が短いシャツなんて、なんてみっともない! そんな主張のようである。そのダンディズムには、どうやらTシャツなんてアイテムは含まれていないようだ。ハワイアンシャツは認められても、キューバシャツは認められていないようだ。この主張にどこか疑問を持ちながらも、僕の中で「半袖はダンディズムにあらず」という掟が小さいながらも固まったいた。

北海道育ちは夏に弱い。ハワイアンはあまり好きではないので、唯一ダンディズムで許された半袖として、ポロシャツを重宝するしかなかった。そこで集められたポロシャツが今日のテーマ。

まずは、ぽっこりお腹の大敵、ニットポロから。

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きちんとスチームされていなくて、これがビジュアル重視の雑誌の編集長のブログか? というストレートなご批判には真正面から受け止めます。大変申し訳ございません。写真は参考まで、アイテムについてのコメント重視で読み進んでいただきたいと思います。

この2点はともにシーアイランドコットンでおなじみの《ジョンスメドレー》。ブランドタグはなるべく外すようにしています。痒いので。左は「ISIS」というこのブランドのアイコンモデルで、クラシカルなロングポイントの襟にゆったりとして長めのサイジング。ぽっこりお腹もS サイズで隠せます。右は2ボタンだけど、上のボタンはほとんど襟についてるため、実質1ボタン着用となる小さめの襟の「RILL」。こちらは色などがシーズンごとによって異なります。サイズも「ISIS」より小さめ。

シーアイランドコットンは着心地最高ですが、すぐに毛玉になるので、寿命は短い。「ISIS」の白は昨シーズン1回の着用なのに、クリーニングに出したら、もうやれた感じがしちゃう。くたっとなったこのポロシャツが何枚もクローゼットに丸まっています。これが着たければ、毎年買い換える覚悟が必要です。

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こちらは超長綿を使ったイタリアの二代ニットブランド。左が《クルチアーニ》で、右が《ザノーネ》。《ザノーネ》のタグは特に硬く鋭角的なので、すぐに外しました。

《クルチアーニ》は肉厚でしかも柔らかいニットがとても気持ち良い。襟の大きさもジャストです。ただ、気になるのが裾のリブ。どうしてこんなに短いのでしょうか。短いほうがモダンな感じはしますが、それにしても短すぎる。《ザノーネ》はなぜか本国イタリアであまりお目にかかれない。日本がいちばんストックされているように思います。20年ほど前、スタイリストの野口強さんとミラノの郊外にあるザノーネに行ったことがあります。何か買いたい、と思って行ったのですが、そこはショップでもファクトリーでもなく、ただのオフィスで、休日で誰もいませんでした。なんという間抜けな話。《ザノーネ》はちょっとシャリシャリした感じのコットンですが、夏にはこれくらいが肌には気持ち良いのかも。好き嫌いあるみたいだけど、発色が良いのは確かです。

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左は《ジルサンダー》。このブランドのコットンニットは、時代が変わりデザイナーが変わっても、高いクオリティをキープしています。何着か購入しましたが、いつも満足。これはラフ・シモンズ時代のもの。ちょっとタイトなサイズ感です。右は《オーラリー》。ブランドのデザイナー岩井良太さんがニットの糸選びの達人であることは周知の事実。こちらは左と違ってゆったりめのニットで、袖も長め。大人っぽくて気に入ってます。ちょっとカメラの露出が合わず、色がグレーっぽくなっていますが、本当は左と同じような綺麗なネイビーです。岩井さん、ごめんなさい。許して。本当に写真が下手で、つくづく自己嫌悪。

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ブラウンの2点。左はリネン、右はコットンリネン。ブランドは不明です。ともに数年前「ビームスF」にて購入したと思います。ニットポロってどうしてもオヤジっぽくなりがちですが、ブラウン系はさらにそれが加速します。僕の場合、もうオヤジ通り越して、ジジィに近づいているので、全然OKです。むしろ好んで着ています。若い方にはおすすめできません。

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さらにオヤジ度がアップするヴィンテージ風の柄。左のストライプは《フレッドペリー》。モッズなイメージ。右はかなり前の《N.ハリウッド》。プルオーバーではなく、フロントボタンのアーガイル。トップボタンはスナップボタンと並んでつくという尾花大輔さんならではのこだわりよう。こちらはフランク・シナトラとかが着てそうな雰囲気。映画『ゴッドファーザー Prat.2』では、フロリダのシーンで1950年代のニットポロが多数登場するので、それを見ているだけでも楽しいです。

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左は数年前の《テンダーロイン》。4ボタンに変形ボーダーとかなり凝ったデザイン。コットンのクオリティもよく、何度洗濯してもくたびれません。右はパリコレ土産に15年ほど前に購入した《シャルべ》のニットポロ。シルクのような光沢のあるエジプト綿が使われています。汗ばむ日は肌に貼りつくので、避けたほうがいいやつ、です。

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左は平織の《プラダ》。90年代はショップスタッフのユニフォームにもなっていたモデルです。もう30年近く前のポロシャツです。黒もすっかりフェイドしてグレーになっていますが、そこがまた気に入っています。右は大久保篤志先輩のブランド《ザ・スタイリスト・ジャパン》のニットポロ。発色が綺麗でとても着やすいつくりです。

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いよいよ、ポロシャツの王道、鹿子織。

左は《ラコステ》。サイズ表示がタグの裏につくフランス製。このブランドもMADE IN FRANCEをとてもありがたがりますが、最近もフランス製に戻ったようです。着丈、袖丈の短さが特徴です。日本ではたくさんのエクスクルーシブ・モデルがリリースされ、僕もいろいろ着てみましたが、結局80年代くらいのフランス製がいちばんという結論に至りました。右は《ポロ ラルフ・ローレン》。アメリカ製。このブランドのMADE IN AMERICAにこだわるのは自分だけかもしれません。今でも古着屋さんで探せば、かなりの確率で見つかります。

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鹿子になると、さらにシワが目だってきます。本当に申し訳ない。

左は《ポロ ラルフ・ローレン》のビッグポロ。1990年代にアメリカのHIPHOPを中心に大ブームとなりました。一時、古着市場から消えてましたが、最近また見かけるようになりました。2020年代っぽいサイジングです。一方、右は《ラルフ・ローレン ラグビー》。もうなくなってしまったブランドですが、できた頃はNYのユニバーシティ・プレイスのショップによく通いました。胸のマークが女子大のラクロス部っぽいデザインですが、結構好きです。

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最後はドメスティックブランド2点。左は《サイ》。《アイゾット》のようなロングバックなデザイン。目の詰まった鹿子織は製品染で、洗う度に色落ちが楽しめる。右も背面が長い《キャプテンサンシャイン》のオーバーサイズ気味の鹿子。ゴワついたイメージの鹿子織だが、このブランドの生地は柔かくサラリとした着心地となっている。

数年前まではかなりタイトなサイズ感が人気だった鹿子ポロ。僕もボーイズサイズの《ラコステ》をよく着ていましたが、最近はゆったり目で着るスタイルが多い。とはいえ、そもそも近頃はポロシャツを着ている若者を見かけなくなりました。アイキャッチ画像はアメリカのドラマ『Wet Hot American Summer』のBlake。1980年代が舞台の学園ストーリーだけど、ポロシャツの3枚重ね着という「プレッピー」の着こなしには、今見ると吹き出してしまいそうになります。これ、僕の周りでも実際にやっていた人、いたんです、名前は明かしませんが。