(Editor) | 28, Feb, 2017

カール・ラガーフェルドvsメリル・ストリープ

“’Moonlight,’ you guys won best picture.”

“史上最悪”とまで言われてしまった、作品賞の誤発表、そして追悼として流れた映像で存命している別人物が映し出されるなどなんだか曰く付きな今回のアカデミー賞。レッドカーペット外でもトラブルが発生!

女優のメリル・ストリープがアカデミー賞のために《CHANEL》のオートクチュール・ドレスをオーダー。2017年春夏で発表されたグレーのシルクガウンで、ネックラインを少し高くしてほしいというリクエストも受けたそう。しかし「スケッチも描いて、ドレスを作り始めていた」数日後に、メリル側から「ドレスの製作を止めてほしい、お金を払ってでもドレスを着てほしいという人を見つけた」とキャンセルの電話があったと、カール・ラガーフェルドが米「WWD」に語りました。

カールは「10万ユーロ(1190万円)するドレスを贈った後、(それを着てもらうためには)お金を支払わなければならないことを知った。私たちはドレスをプレゼントするし、ドレスを作る。しかし報酬を支払うことはしない」と主張。「製作したドレスは彼女のサイズに合わせて作ったからそのまま持っていていい。オートクチュールで、彼女にぴったりだから」。カールらしい皮肉たっぷりなコメントの最後には「天才的な女優だが、けちだ。違うかい?」

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この発言に対し、メリルは猛反論。「カール・ラガーフェルドという著名なデザイナーは、業界で重要な立場にある出版物において私と私のスタイリスト、そして(メリルが着用すると決めた)ドレスを製作した優れたデザイナーの名誉を毀損した」と声明を発表しました。また、これを報じた米「WWD」にも「確認することなく、この中傷を掲載した。この誤報は世界中で話題になり、拡散した。私の20回目となるノミネートとなるこの場において、メディアや友人、オーディエンスの目からこの名誉を覆い隠した」と怒りを露わに。

この声明の直前、カールはこの一件が“誤解”であったことを「WWD」で言及。「《CHANEL》はメリルのスタイリストとアカデミー賞での衣装について話し合いが行われた。非公式な会話の後、彼女が報酬のために別のデザイナー(のドレス)を選ぶかもしれないと誤解してしまった」と慌てて釈明しました。「物議を醸してしまったこの一件を後悔している。メリルの20回目のノミネートを祝いたい」と述べましたが、メリルはこれについても「私はこの問題を軽視しない。ラガーフェルドによる“声明”はこの“論争”に対する遺憾の意を示すものであり、謝罪ではない」と発言。
「彼は嘘をつき、『WWD』は嘘を載せた。そして私は(謝罪を)今も待っている」
 

あたかも報酬目当てでドレスを選んだような報道をされ、記念すべき場を台無しにされたメリル・ストリープが怒るのも無理はない。毒舌家として知られるカールが珍しく弁明をしたにもかかわらず、今後も尾を引きそうなこの騒動。

メリルの反論を伝える記事で米『WWD』は、「木曜に行われた《FENDI》のバックステージでカールからこの話を聞いた後、メリル側のコメントを得ようとしたが叶わず、そのまま掲載した」となんとも言い訳がましい一文で締めくくっています。翻訳記事を載せた媒体の、「なお、メリルの事務所からコメントは得られていない。」という一文も事後となった今、振り返ってみるとこちらもなんだか無責任。
「セレブがどのブランドのドレス(やスーツ)を着用するか」。
このシーズンの楽しみなトピックの一つでもあり、連日さまざまなニュースやトピックが上がるなかで、祝いの場に水を差す事態。即時性が重要視されるニュース媒体の立ち位置も理解したいところだけど、、、

「執筆した記者が先走らなければ」
「事実関係を確認してれば」
ここまで広がることもなかったのだろうか、、、
“タラレバ”言っても仕方ないけど、これじゃあ酒のつまみにもならない?