FEATURE | 29, Mar, 2018

SISE 2018 F/W COLLECTION

「泣きすぎて、自分が水滴になりそうだ」
4年ぶりにランウェイへ舞い戻った《SISE》は今季、内気な少年の成長を描いた『ムーンライト』と、『Call Me By Your Name』の2本の映画からインスピレーションを得た。

ブルーライトで照らされたオフィスビル屋上を舞台に、マジックアワーを狙った夕暮れ時にショーがスタート。ロングシャツやバルーンシルエットのアウター、肩に羽織るためにデザインされたジャケットなど、風を孕むような軽快なルックが続く。ブランドのキーカラーであるモノトーンを中心にボルドーやピンク、グリーンなどペールトーンがランウェイを彩り、得意とするレイヤードは着丈の短いアウターやトップスを、ロングシャツやゆとりのあるカットソーと組み合わせて強調した。

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足元はシャークソールのレースアップブーツと、2017年に韓国のスポーツメーカーと立ち上げた《KOLON SPORT SEISHIN》のためにデザインしたスニーカー。これまでの丸みを帯びたフォルム、厚めのソールからスポーティなランニングシューズへと変わった。ブランドロゴを配したウエストバンドが特徴的なレギンス、ライトなダウンジャケットなど《KOLON SPORT》で培ったアウトドアウエアのノウハウが《SISE》に落とし込まれている。
『ムーンライト』のビジュアルを線で描いたグラフィックや主人公のシャロンが着ていたシャツを彷彿とさせるチェック柄など、作品の世界観を反映したグラフィックやテキスタイルがコレクションに感傷的なムードをもたらした。

ブランド設立当初、「少年性」をテーマに掲げていた《SISE》。着実に歩みを続けた今の《SISE》は、いじめられっ子から脱却した“ブラック”になったのだろうか?はたまたいじめっ子の頭上めがけて椅子を振り下した“シャロン”のように、生まれ変わろうとしているのだろうか?

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This photo by TADAYUKI UEMURA