FEATURE | 15, Jun, 2018

【インタビュー】《TTT_MSW》x COMPLEXBOOST 「COME INTTTO FLOWER」

デザイナー玉田翔太によるブランド《ttt_msw》が、中目黒のギャラリー「COMPLEXBOOST」を花で埋め尽くす。

 今年3月に東京コレクションの「AT TOKYO」で行われた《ttt_msw》のランウェイは、多くの人の記憶に鮮明に残っていることだろう。圧倒的な演出で東京コレクションに新たな価値観を持ち込んだこの気鋭ブランドが、中目黒のギャラリー「COMPLEXBOOST」にて4日間限定のアートイベント「COME INTTTO FLOWER」を開催している。

 《ttt_msw》のデザイナー玉田翔太氏がディレクションを手がける今展のテーマは「花」。参加するクリエイターは、3月のショーの演出を手がけたフラワーアーティストのアレキサンダー・ジュリアン氏、ショーのティザームービーを制作した衛藤隆世氏、そして今回が初の展示となるクリエイターデュオ、Simstim Objectsの3組だ。それぞれがテーマを独自のアートに昇華し、相互に呼応しながら純白のギャラリーを彩っている。

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アレキサンダー・ジュリアン氏によるフラワーアート

 

 展示テーマ「花」は、玉田氏の習慣に由来する。半年ほど前に自宅を引越した玉田氏は、偶然発見した近所の花屋に通うようになったという。毎週のように花を購入し家の至るところに飾って楽しみ、その関心を高める最中に「COMPLEXBOOST」から展示の誘いがあり、テーマは自然と「花」に決まった。

 今展にあたって作品制作を依頼した3組のアーティストは、玉田氏が普段から共に遊ぶ同年代の友人だという。訳あって一ヶ月ほどの短い準備期間だったにもかかわらず開催にこぎつけられたのは、彼らとプライベートで付き合いがあるからこそと玉田氏は語る。
 「今回コラボレーションした3組は、僕のことをよく理解してくれています。普段からの付き合いでお互いの考えがよくわかるので、細かいニュアンスまで共有できる。やりとりもスムーズで、初めましての人とは伝達のスピードがまったく違うんです。例えばアレキサンダー・ジュリアンさんには、テーマや会場がホワイトボックスであること、マットな色のイメージがあるなど、少しの感覚を共有しただけでした。映像を作ってくれた衛藤くんも、最近僕が食虫植物が好きだと話をしただけなんです」

 衛藤氏のデジタルアート作品は、会場にて「FRAMED」というデジタルアート用の液晶デバイスとセットで販売もされている。玉田氏は、衛藤氏のデジタルアートのような、今までにない新しい表現方法に興味があるという。
 「日頃からInstagram などを使って新しく面白いアーティストを探していますね。気になる人には僕からどんどんDMを送ります。衛藤さんも自然に知り合ったわけではなく、僕から突然DMを送って『一緒にやりませんか』と誘ったんです。新しいものへの興味は尽きないし、もっとさまざまな人とコラボレーションしたいと思っています」

 

DSC_0303衛藤隆世氏のデジタルアート。会場には5つのスクリーンがある

DSC_0305Simstim Objectsによる、レントゲンを用いたアート作品

 

 さて、3月に行ったブランド初のランウェイや今回のイベントを経て、ブランドとして新たなステージへと突入した《ttt_msw》。相次ぐイベントではディレクターとしての才能も発揮している玉田氏だが、気になる今後のブランドの展望は?
 「まず、もっと高いクオリティーの服を作っていくのが第一です。そして、今後も今回のように洋服以外のことでブランドを表現していきたいと思っています。服以外の興味も尽きないので、服だけを作り続けるというのは僕には向いていないんです。今後の《ttt_msw》は、いわゆる“ファッションブランド”というカテゴリーにはならないかもしれません。昔は洋服に入れ込みすぎることもありましたが、今は逆に服と距離をとっています。自分でもディテールが過剰で派手な服を着るのはしんどいなと感じていて、人に着てもらう服もシンプルなシャツやチノパンのようにさらっとしたものがいいと思うようになりました。なので、今後の《ttt_msw》はシンプルな服が多くなるはずです。今回のようなイベントでさまざまな角度からブランドの世界観を表現していけば、一見シンプルな服も“ただのシンプルな服”にはならないと思うんです。そのように面白いブランドを作っていきたいですね」

 

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 展示は本日6月14日を皮切りに17日まで開催され、会場では今イベント限定プリントTシャツ3種が販売されている。玉田氏が友人のグラフィックデザイナーと共に作ったアートワークはいずれも花のモチーフが採用され、正体不明のアーティストQIEZI MABOとのコラボレーションやスペインの建築家の建物をサンプリングしたもの、玉田氏曰く“女子目線で作った”グラフィックまで、どれもが展示物の一部と言えるほどの仕上がりとなっている。また、アレキサンダー・ジュリアン氏のフラワーワークは、会期最終日に満開となるようだ。香りも日を追うごとに強くなるそうなので、毎日訪れることで、五感をフルに使ってその香りの変化を楽しむのもよいかもしれない。

 

TTT_MSW x COMPLEXBOOST 「COME INTTTO FLOWER」
TERM  6月14日(木)〜17日(日)
OPENING HOURS  12:00〜18:00
PLACE  COMPLEXBOOST
ADDRESS  東京都目黒区青葉台1-15-10 1F

 

Edit_Ko Ueoka