FEATURE | 05, Nov, 2019

NIGHT in the Book

独自の目線で選書された本が並ぶ、インディペンデントな書店が夜にまつわる本、写真集をセレクト。

Selected by Totodo.

東塔堂(とうとうどう)は美術、写真、デザイン、建築関連の古書を扱う古書店。新しいクラシックと呼べるような近現代の基本図書を中心に、本を内容だけではなく、装幀や質感等も含めて総合的に評価するという視点でセレクトしている。渋谷店ではギャラリースペースを併設し、年に数回企画展を行う。

 

No.01 『SUMMER NIGHTS, WALKING』Robert Adums

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「1985年に出版された『SUMMER NIGHTS』の改訂版として、2009年に出されたロバート・アダムスの作品集です。彼の写真は被写体との距離感がとてもよく伝わってくるように思えます。夏の夜の散歩の心地よさや、軽装ゆえの軽やかさ、どんな歩幅で歩いているのかさえも感じることができて見ていてとても心地よい。実は私自身、とても好きな本なのでお店には並べていなかったのですが…お店に出すのが惜しい本はなかなかありません」
¥20,000+(tax)

Robert Adums
ロバート・アダムス 1937年、アメリカ生まれ。西部諸州を移り住み63年より写真を撮り始めた。アメリカ西部の自然に囲まれたハイウェーやドライブイン、住宅地など、人工物のありさまを虚無感たっぷりに切り取った風景写真で知られる。ジョージ・イーストマンハウスでの「ニュー・トポグラフィックス展」(’75)で取り上げられ、ルイス・ボルツなどとともに風景写真の新世代として注目を集めた。

 

No.02 『Into the Light』Yusuke Yamatani

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「赤外線で撮影されたシリーズの作品集ですね。まず、ビジュアル的に唯一無二。撮影の仕方によってこんなにも見え方が違うのかという気づきがおもしろいです。昼と夜の光の違いで、撮る側も見る側も意識が変わり、いつもの街が全く違う景色に見えてくる。2017年に発表されたものです」
¥5,000+(tax)

山谷佑介
新潟県生まれ。2013年に初写真集『Tsugi no yoru e』を自費出版で刊行。その後、「KYOTOGRAPHIE」(2015年)、「東京国際写真祭」(2015年)への参加や、ニューヨークのコンデナスト本社ビルでの展示など、国内外で作品を発表。主な写真集に『ground』『RAMA LAMA DING DONG』がある。

 

No.03 『Thomas Ruff Centre national de la photographie』Thomas Ruff

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「最後はトーマス・ルフです。1997年にフランスで行われた展覧会のカタログです。その中でも92年から96年に撮影された『夜』シリーズの写真をピックアップしました。普通に撮影したら何の変哲もない場所を、暗視カメラのように演出して見せることで被写体に対する意識が全く変わってくるというのが印象的です。また、この作品を見ることで呼び覚まされる記憶のようなものがあると思いますね。こういう映像を私たちはどこかで無意識か意識的に見ているはずですが、どう感じ、どう受け取るかは地域や時代が違えば変わるもの。そこに写真というメディアの特質が感じられます」
¥8,000+(tax)

Thomas Ruff
トーマス・ルフ 1958年、ドイツ、ツェル・アム・ハルマースバッハ生まれ。1977年から85年までデュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ベラ・ベッヒャー夫妻のもとで写真を学び、ドイツ人家庭の典型的な室内風景を撮り続けた『Interieurs(室内)』シリーズを皮切りに、友人たちの肖像を巨大なサイズに引き伸ばした『Porträts(ポートレート)』で大きな注目を集める。以来、建築、都市風景、ヌード、天体などさまざまなテーマで作品を制作し、明確なコンセプトに基づいたシリーズとして展開。

 

上記の写真集をめくればばきっと夜の道を歩くとき、目に見えるものがいつもと違ったように見えるだろう。Them magazine no.026『Round About MIDNIGHT』とともに、夜にしか持てない世界観と表現を雑誌、フォトブックから感じて欲しい。

【書店情報】

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東塔堂
東京都渋谷区鴬谷町5-7-1F
TEL. 03-3770-7387
12:00-20:00(月-土) 日曜定休日
totodo

 

Edit_Marin Kanda