FEATURE | 24, Mar, 2017

“SPEAK EASY” BY SARAI MARI

3月17日、更井真理氏による写真集第二弾「SPEAK EASY」が発表された。
今回は、そこに収録された作品とともに写真集の概要を紹介したいと思う。

untitled-article-1489459468-body-image-1489459739SARAI MARI 「SPEAK EASY」COVER

身も心も“NAKED(=裸)”になった女性たちの姿を捉え、開放的なセクシャリティを表現した写真集「NAKED」を2010年に出版。その後すぐに「NAKED2」の制作へと取り掛かったという。しかし、撮影を進めていくうちにそれとはまた違った、以前から想い抱いていたことが言葉に乗せて見えてきたそうだ。

制作当時、ロンドンを拠点としていた更井氏。内気で恥ずかしがり屋な人が多いとされるこの地では文化でもあるパブにまつわるあることわざがある。それは、本作のタイトルとなった、「SPEAK EASY(=唇が緩む)」だ。どんな相手でも共に酒を交わし合う事で心が開きやすくなり、打ち解けあうことができるという意味。今、彼女が住んでいるニューヨークでは、かつて禁酒法の時代に酒場に行って秘密の話をすることからも、その場所を「SPEAK EASY」と呼んだ。そうした意味からタイトルをつけたそうだ。

偏った価値観を捨て、区別を無くす「ジェンダーレス」や「ボーダーレス」の動きが強くなった現代。だが、人は誰もが皆「理解されたい」「認められたい」という承認欲求や相対的評価の中で、社会から孤立しないようにそれぞれが無意識のうちに仮面を被りながら生きている。一体、その裏にあるものは何なのか。更井氏はその本質を追求すべく、人の本当のコアな部分が現れるヌードと向き合い、レンズを通してその瞬間を捉えた。

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そこから見えたのは、あらゆるジェンダーとセクシャリティの定義を削げ落とし、更井氏と被写体の間に生まれた信頼感からなる、マスクが剥がれた生々しくすら感じる”性”の姿。隠された秘密と向き合い、嘘の脆さを陽の目に晒すことで、繊細で透明なものだけを残したのだ。

「SNSの発達により、自分がどう素敵な人間に見せるかを手に入れた私達は、さらに自分に嘘をつくことを覚えて罪の上塗りを重ねるようになった。人が闇を抱えて生きる事は表面には決して出ない。なので、私はそれを曝け出して写真に収めた。」と更井氏は語っている。

また、3月17日(金)から3月26日(日)まで本作「SPEAK EASY」の出版を記念して写真展がBOOKMARCにて開催されている。今月30日からはニューヨークでも開催される。更井真理氏の集大成を是非その目で確かめてほしい。

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【SPEAK EASY(日本)】
会期: 2017年3月17日(金)から3月26日(日)まで
時間: 12:00-19:00
場所: BOOKMARC 東京都渋谷区神宮前4-26-14 B1F

 【SPEAK EASY(NEW YORK)】
March 30th – April 15th, 2017
Preview -March 30th, Thursday 11am-5pm
Opening Reception-March 30th, Thursday, 6pm-8pm
hpgrp GALLERY NEW YORK – 434 Greenwich Street (Entrance at 49 Vestry Street)