| 13, Apr, 2018

山谷佑介 『The doors』

山谷佑介が試みる、新しいセルフポートレートの形。

 注目の若手写真家のひとりとして数々の作品を発表し、小誌でもファッションストーリーを手がける山谷佑介氏が、新作展「The doors」を4月14日より開催する。

 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2018」の会期に合わせて開かれる同展は、作品のコンセプトに沿った空間で行われる自主企画「ギャラリー山谷」として3年ぶりに開催される新作展だ。今回の「The doors」では、自身初となるセルフポートレート作品を発表する。

 国内を放浪した後大阪に滞在し、友人たちと過ごした日々を記録した処女作『Tsugino yoru e』や北海道から九州までの1ヵ月の新婚旅行を写した『RAMA LAMA DING DONG』など、アンダーグラウンドなコミュニティやそこに住む人々や日常、社会を鋭利な視点で切り取り続ける山谷氏。通い詰めたクラブやライブハウスのフロアを撮影した原寸大の写真を床に貼付け、ガムや煙草の灰、足跡で汚れた写真を発表した『ground』シリーズを経て、氏の興味はよりコンセプチュアルな方向へと向かっている。前作『Into the light』では、闇夜の住宅地を赤外線カメラで撮影。コントラストの強いシャープな写真から一転、ピンクやグリーン、白に写し出された闇夜に佇む家々を通じて、被写体との新たなる関係へと迫っていった。

 深夜の住宅街でフラッシュを炊き、シャッターを押すというスリリングな行為によって“撮る”という行為を精神的、肉体的に強く意識するようになったという彼は今回、その“撮る”という行為を自分自身へと向けた。写真家を目指す前はバンド活動に勤しんでいたという氏が作品に用いたのは、10代のころから続けていたというドラム。ドラムを叩くことで振動センサーが反応し、シャッターが切られる。会期中にはパフォーマンスが行われ、ドラムを長時間叩き続けることでトランス状態を誘発し、意識と無意識が邂逅したポートレートが現れる。それと同時にプリントアウトされた写真が会場を埋め尽くすという。暗闇の中でシャッターとともに発せられる強烈な光、ドラムが奏でる暴力的なサウンド。真実と嘘が入り乱れる情報の中を生きる現代の私たちのまなざしであり、覆い隠された真実へのアプローチだと氏は語る。

 これまでにもさまざまな手法をもって、現代社会と個人の狭間を写し取ってきた山谷氏。独自の試みをもって写し出されるセルフポートレートを通じて、私たちは何を感じ取ることができるのだろうか。新しい表現が生み出されるその瞬間を、是非とも体感してほしい。

「The doors」/ 山谷佑介
会期:2018年4月14日(土)—5月13日(日)
会場:ギャラリー山谷
住所:京都府京都市下京区朱雀宝蔵町75 伊藤土木ビル2F
時間:13:00-18:00
※ 初日(4/14)は16:30からのパフォーマンスのみの開廊です。
休場日:月・火・水・木(金・土・日の開廊)
入場料:無料(パフォーマンス時には入場料がかかります)

パフォーマンス
4月14日(土):16:30〜
4月15日(日):14:30〜、16:00〜
5月4日(金):14:00〜
5月5日(土):14:00〜
5月13日(日):17:30〜
入場料:1,000円

問い合わせ先:http://www.yusukeyamatani.com