| 29, Aug, 2016

EXHIBITION /THOMAS RUFF

待望の日本初のトーマス・ルフの大規模個展が開催!

ここ数年、ドイツ写真がアツい。
大規模な個展だけあげてもほぼ毎年、現代のドイツ写真を牽引する写真家の展覧会が開催されている。

2012年東京都現代美術館での「トーマス・デマンド展」、2013年国立新美術館での「アンドレアス・グルスキー展」、2015年国立国際美術館での「ヴォルフガング・ティルマンス展」、そして明日から東京国立近代美術館で開催される「トーマス・ルフ展」。

これまで、トーマス・ルフの日本のギャラリーでの個展開催の機会はあったものの、彼が発表してきた全18シリーズ作品、約125点が一堂に展示される大規模な個展は今回が初めての開催となる。

トーマス・ルフはドイツ写真史においての最重要作家、ベッヒャー夫妻の元で写真を学んだ写真家。ルフはベッヒャーの手法である「タイポロジー」スタイルに影響を受けながら、常に明確なコンセプトのもと、写真のメディア性にフォーカスした独自の作品を次々と生み出してきた。彼の作品はその時代時代において「写真とは何か」を問う作品として写真界やアート界に影響を与え続けている。

今回会場構成や写真のセレクトにルフ自身が参加。

まず会場で私たちを出迎えるのは高さ2メートル以上に引き延ばされた肖像写真でありルフが一躍注目を浴びた作品「Porträts(ポートレイト)」だ。

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「Porträts」©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

作品は彼の制作の変遷の歴史を辿るように展示されており、徐々にデジタル写真を使ったシリーズ作品がその割合を占めていく。

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「nudes ez14, 1999 102.0×144.0cm 」©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016
ネットから拾ったポルノ写真を加工して作品とした「nudes」シリーズは4点展示

今回の個展で世界に先駆けてお披露目となる「press++」シリーズの新作4点も見逃せない。この作品は日本で展覧会をするにあたり、何か日本に関連した作品は作れないかと思ったルフが読売新聞社のアーカイブ写真の提供をうけて制作した作品だ。
(海外ではe-bayで新聞社のアーカイブ写真を手に入れられるが、日本ではそのような写真の入手は難しいそう。プレスプレビューで、「是非素材の提供を!」を呼びかけていた。)

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「press++11.07, 2016 175.0×271.0cm 」©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

 

折角の機会なので「SNSでアップされる写真について彼のようなアーティストはどのように考えているのだろう」という担当編集が個人的に気になっていたことをプレスプレビューの際に本人に質問もしてみた。ルフがSNSに対して何か作品を作ることはないのだろうかという少々の期待もこめて。

その答えはこちら。
「自分がしていることと、SNSは真逆のことのような気がします。写真をアップしてクリックした瞬間に同時に記憶から消え去るSNSの写真に対して、私は深く記憶に刻み込まれるような写真を作ろうとしているし、うっかり見逃したりすることができないような大掛かりな作品を関わり続けてきました。そもそもSNSに関して本格的に考えたことがありません。」

なるほど……恐れ入りました。でも展覧会を見ると、この答えにすごく納得できるはず。

(下の写真は、iPhoneのパノラマ撮影で記者たちを楽しそうに写真に収めるルフの姿。あまり携帯で写真を撮ることもしないのだろうか、と思っていたが、どうやらそんなことはなさそう。)
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展覧会会場で販売される図録にはかわいらしいミニ3D眼鏡付き。(3D眼鏡で見る作品の展示があります)
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東京での展覧会の開催後、金沢へ巡回する。作品は会期中、展示替えがあるそうなので、何度か足を運んでみるのも是非おすすめしたい。

 

トーマス・ルフ展 / Thomas Ruff

東京会場
TERM_ 2016年8月30日(火)〜2016年11月13日(日)
PLACE_東京国立近代美術館
OPENING HOURS_10:00〜17:00 (金は20:00まで)入場は閉館の30分前まで
CLOSED 月曜日 (ただし9月19日、10月10日は開館、9月20日(火)、10月11日(火)は休館)

金沢会場
TERM_ 2016年12月10日(土)〜2017年3月12日(日)
PLACE_金沢21世紀美術館
OPENING HOURS_10:00〜18:00 (金・土は20:00まで) 入場は閉館の30分前まで
CLOSED_月曜日 (ただし1月2日、1月9日は開館し、1月10日(火)は休館。12月29日〜1月1日休館)

URL_ thomasruff.jp