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Aug 06, 2026
By THEM MAGAZINE

COMING UP Vol.08_5 『BOOTS ON THE GROUND』by MASSIVE ATTACK & TOM WAITS

混沌としたアメリカに響く、冷酷な衝動と見捨てられた精神の鼓動

イギリス・ブリストルサウンドの重鎮マッシヴ・アタックが、カリフォルニア出身のシンガーソングライター、トム・ウェイツとのコラボレーションシングル「Boots on the Ground」を待望のリリース。1980年代、イギリス中の若者がアシッドハウスやレイヴの熱狂に身を委ねる中、ブリストルで結成されたマッシヴ・アタックは、あえてBPMを落とした重厚なビートの上に気怠げなラップとソウルフルなヴォーカルを乗せ、後に“トリップホップ”と呼ばれる音楽を開拓した存在だ。

 

本作の限定アナログ盤B面には、トム・ウェイツによるユーモラスで皮肉溢れるスポークン・ワード「The fly」を収録。さらに、謎めいたアメリカ人フォトアーティストthefinaleyeとの共同制作による「Boots on the Ground」の映像作品が4月に先行公開された。本映像では、トランプ政権下でのICE(移民税関捜査局)による一斉摘発、国内治安部隊の軍事化、国家による権威主義への反対を焦点とし、まだ名付けられていないアメリカの重要な時代を描き出し、強烈な印象を残した。

「この楽曲が世に出る現在は混沌とした状況にある。西半球全体で国家権威主義と警察の軍事化が、ネオ・ファシズム的政治と再び結びつきつつある」とマッシヴ・アタックが語るように、混沌とするアメリカ社会を背景に生まれた「Boots on the Ground」のは、彼らが言うところの“冷酷な衝動”と“見捨てられた精神の鼓動”が確かに脈打っている。一方、トム・ウェイツは「人間の失態と愚行は、ハエたちにとってのご馳走だ。だからこそ、マッシヴ・アタックの近々リリースされる12インチのBサイド『The Fly』には、この羽ある厄介者への俺の賛辞が収録されている」とコメント。

 

ブリストルの暗闇から生まれた重低音と、トム・ウェイツの唯一無二の哀愁漂う歌声が交差する本作品は、現代を生きる私たちに何を問いかけるのだろうか。

【リリース情報】

ブーツ・オン・ザ・グラウンド

ARTIST  マッシヴ・アタック&トム・ウェイツ

RELEASE DATE  9月4日

LABEL  BIG NOTHING / ULTRA VYBE

URL  https://bignothing.net/massiveattack.html

MASSIVE ATTACK

マッシヴ・アタック 1980年代、異文化が交差するイギリスの港町ブリストルで結成。全身クルーThe Wild Bunch を経て、ダディ・G、3D、マッシュルーム(現在は脱退)を中心に始動し、1991年のデビュー作『Blue Lines』で“トリップホップ”の礎を築く。以降、『Protection』『Mezzanine』など数々の名作を発表し、重厚なビートとダブ、ヒップホップ、ソウルを融合させた唯一無二のサウンドで音楽シーンに多大な影響を与え続けている。

 

TEXT_RANNA SUGIYAMA.

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