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MOVIE
Jul 08, 2021
By KO UEOKA

Go See a Movie : 映画館へ行こう! エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』

華麗なるスウィート復讐劇

 

アカデミー賞作品賞含む5部門にノミネートされ話題の『プロミシング・ヤング・ウーマン』がついに公開。

キャリー・マリガンが主演を務め、女優としても活躍するエメラルド・フェネル監督による初長編となる今作は、ずばり性犯罪がメインテーマだ。医大生として将来有望とされていた主人公のキャシーは、“ある事件”をきっかけに中退。昼はカフェで働き、夜はクラブで酔っ払いのフリをし“近づいてくる男”たちに制裁を加えていた。あるとき医大時代の同級生がカフェを訪れたことがきっかけで、“ある事件”にまつわる復讐を次々と仕掛ける中でキャシーは覚醒していく。

 

本作は女と男の二項対立にあらず、男性優位社会に(いつの間にか)同調している女性をも批判していくことで、社会としてのジェンダーバイアスに切り込んでいく。実際的でシリアスな主題だが、コメディ要素ときわどいブラックユーモアを多分に盛り込み、しっかりとエンターテイメント作品に落とし込まれているのがお見事。意外性と娯楽性を保ちながらテンポよくストーリーは進み、どんでん返しのラストには思わず息を呑む。エンタメ映画として楽しめながらも、観た後にはあらゆる角度から登場人物の行動を議論したくなる。いい映画というのは、劇場を後にしてからも人々の意識にこびりついて、なかなか離れないものなのだ。

 

 

プロミシング・ヤング・ウーマン

2020年/アメリカ/英語/113分
TERM 7月16日〜
SCREEN TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
URL pyw-movie.com

Emerald Fennel

エメラルド・フェネル 1985年、イギリス・ロンドン出身。ゴールデン・グローブ賞ノミネートとエミー賞ノミネートの実績を持つ脚本家、クリエイター、映画製作者、女優。初監督作となる短編映画『Careful How You Go(原題)』(兼脚本)は2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映された。長編デビューを飾った本作でアカデミー賞の監督賞並びに脚本賞にダブルノミネートされ、脚本賞に輝いた。

 

©2020 Focus Features

Edit_Ko Ueoka.

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