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ART
Jan 10, 2021
By MARIN KANDA

THILO HEINZMANN | My Time Your Time Our Time Time

シンプルなモチーフに見いだす新たな可能性

 

ドイツ・ベルリンを拠点とするアーティストのティーロ・ハインツマンは新たな表現の可能性を探求し続けている。彼はこれまでの活動の中で、単にキャンバスにペイントを施すだけではなく、綿や麻、木などを使って絵画から一歩踏み込んだ作品へと昇華させてきた。その中でも代表的といえるのが、1990年代から着手したという発泡スチロールを用いたアートワークだ。さまざまなサイズ、断面にカットした発泡スチロールを組み立てることでキャンバスに新たな凹凸とその影を生み出す。そこへピグメントやマニキュア、吹きガラスの破片を施していくというプロセスや材料は実にシンプルに思えるが、完成した彼の作品には形、線、そして立体と平面、色相やコ ントラストといった多くのエレメントが内包されていることに気づくだろう。また、キャンバスに吹き付けられた独特のグラデーション、濃淡を生み出すピグメントの抽象画はメディウムを入れないことで、色同士が完全には混ざり合わずハインツマンらしい偶発的な色の交差を実現している。ここにも素材を極力そのまま生かしながら、表現を増幅させる彼のテクニックがあるのだ。「ペロタン 東京」で行われる今展では、2020年に制作された新作を含むさまざまなシリーズ作が一堂に会する。作品と対峙したとき、素材の形、色、質感、見るときの時間、光 のすべてがハインツマンの追い求める作品にとって欠かせない要素だとわかるはずだ。

©Roman März Courtesy of the artist and Perrotin
わたしの時間、あなたの時間、私たちの時間と時間(仮題)

TERM 2021年1月13日~3月6日
PLACE ペロタン東京
ADDRESS 東京都港区六本木 6-6-9
OPENINGHOURS 11:00-18:00(木-土)※予約制
URL perrotin.com

THILO HEINZMANN

ティーロ・ハインツマン 1969年、ドイツ・ベルリン生まれ。ベルリンを拠点にアーティストとして活動している他、ベルリン芸術大学で絵画の教授として教鞭を執る。また、作品はロンドンの近現代美術館「テート・モダン」のコレクションとしても収蔵されている。

 

Edit_MARIN KNADA.

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