Them magazine

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ART
Jan 12, 2022
By KO UEOKA

MIQUEL BARCELÓ | Solo Exhibition

呼び起こされる原始の知覚

 

天災のごとく、人知を超えた理不尽なまでの荒々しさがそのまま平面に張り付いているかのような絵画。これはスペインのアーティスト、ミケル・バルセロによるものだ。縦横23mを超す巨大な作品は時空を超えて古代と接続し、幾千年という時の試練を耐えた壁画のような風貌で、鑑賞者に畏敬の念をも起こさせる。

左:《とどめの一突き》1990年 作家蔵 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021. Photo: ©André Morin 右:《亜鉛の白:弾丸の白》1992年 作家蔵 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021. Photo: ©André Morin

スペイン・マジョルカ島に生まれたミケルは、1988年に過酷な風土と孤独を求めアフリカを旅し、以後、繰り返し西アフリカのマリに滞在し制作を続けてきた。ミケルは絶えず変化を求める多産の芸術家であり、その制作は絵画をはじめ彫刻、陶作品、パフォーマンス、舞台美術、そしてパルマ大聖堂(マジョルカ)のサン・ペール礼拝堂内部装飾やジュネーブの国連欧州本部人権理事会大会議場天井画など、壮大な建築的プロジェクトにまでおよぶ。

 

海や大地、宗教と密接に結びつきながら生み出されていく作品は、まさに神話のごとく人々を魅了し、現代スペインの巨匠にして「幻の画家」とまで呼ばれるミケルだが、不思議なことに日本では長らく紹介されてこなかった。しかしこのたび、満を持して日本初の大規模個展が日本各地を巡回し、その最終到着地・東京についにやってくる。今展覧会では、初期から現在までの約90点の作品から彼の全貌が解き明かされ、そのスケールの壮大さはまさに天才の偉業としか言いようがない。

 

ミケル・バルセロ展

TERM 2022年1月13日~3月25日
PLACE 東京オペラシティ アートギャラリー
ADDRESS東京都新宿区西新宿3-20-2 3F
OPENING HOURS 11:00-19:00
URL operacity.jp/ag

MIQUEL BARCELÓ

1957 年、スペイン・マジョルカ島生まれ。パルマ・デ・マジョルカとバルセロナの美術学校で学ぶ。82年の「ドクメンタ 7」(ドイツ・カッセル)で国際的な場に登場して以降、マジョルカ島、パリ、アフリカなど各地にアトリエを構えて精力的に制作。2013 年にはフランス文化賞より芸術文化勲章「オフィシエ」を、20年にはスペイン・カタルーニャ自治州政府よりサン・ジョルディ十字勲章を受章。日本での大規模な個展は今回が初めてとなる。

 

Image credit[top]_《雉のいるテーブル》1991 作家蔵 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2021. Photo: ©Galerie Bruno Bischofberger

Text_KO UEOKA.

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