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CULTURE
Feb 27, 2026
By THEM MAGAZINE

COMING UP Vol.06_01 『W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代』

報道と芸術の融合。表現拡張のきっかけとなった時代を追う

W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith
W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith

アメリカ・カンザス州ウィチタに生まれた写真家W・ユージン・スミス(1918〜1978)。13歳のころから写真に魅せられ、地元誌『ウィチタ・イーグル』での活動を経て、1940年代から本格的に報道写真に取り組み、『ライフ』誌などで活躍。従軍記者として26歳で赴いた沖縄戦では、生涯後遺症に苦しむ重傷を負った。戦後も人々の生活に密着した作品を発表し、複数の写真と短い解説文を組み合わせた「フォト・エッセイ」の第一人者として、確固たる地位を築いた。

 

本展は、彼が1954年に『ライフ』を退き移り住んだニューヨーク・マンハッタンのアパート、通称「ロフト」⎯⎯ その「ロフトの時代」を軸に構成。全4章で展開される展示空間では、「ピッツバーグ」シリーズをはじめ、ロフト期の「私の窓から時々見ると…」「ロフトから(From the Loft)」「ジャズとフォークのミュージシャンたち」、さらに「慈悲の人 シュヴァイツァー」などの代表的なシリーズも紹介。第2章では、ロフトで撮影されたスミスとアーティストたちの映像も映し出される。また、スミスが書き残した言葉やスケッチ、新聞の切り抜きが張り巡らされていたロフトの壁を、その場所でかつて流れていた音楽とともに展示室に再現。これまで断片的に扱われてきたロフト期前後の作品群を体系的に提示する。第4章では“報道と芸術は切り離せない”という自身の写真観をあらためて確信し取り組んだ「水俣」シリーズを紹介する。さらに東京都写真美術館では、スミスを敬愛するジョニー・デップが自ら制作、主演を務めた映画『MINAMATA —ミナマタ—』も会期中に上映。

 

ジャーナリズムの枠を超え、スミスは自身の写真表現をいかに拡張していったのか。その全貌に迫る。

石川武志 《チッソ工場を見下ろすユージン・スミス》 1971年 ©Ishikawa Takeshi
William Eugene Smith

W・ユージン・スミス。1918年アメリカ・カンザス州ウィチタ生まれ、1978年没。『ニューズウィーク』誌や『ライフ』誌のカメラマンとして活躍。戦後は「楽園へのあゆみ」「カントリー・ドクター」「スペインの村」「助産師モード」など数多くのフォト・エッセイを発表。1954年に『ライフ』誌をやめ、翌年、世界的写真家集団「マグナム・フォト」に加わる。1956年と57年にはグッゲンハイム・フェローシップを受賞。

 

【展覧会情報】

『W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代』

TERM 2026年3月17日〜6月7日
PLACE 東京都写真美術館
ADDRESS 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
OPENING HOURS 10:00〜18:00 、木・金曜日は20:00まで(入場は閉館30分前まで)※休館は月曜日。ただし5月4日は閉館、5月7日は休館。
URL https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5095.html

 

Text_NONOKA FUJIWARA(Righters).

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