Mar 06, 2026
By THEM MAGAZINE
COMING UP Vol.06_02『ジャッド|マーファ展』
“アートと展示が持つ完全性”、ジャッドが持つ強い信念に触れる
ドナルド・ジャッド(1928-1994)はミニマル・アートの先駆者であり、20世紀を代表する現代アーティストだ。1950年代に画家として絵画制作を始め、50年代の暮れごろからは美術評論も執筆。1960年代に入ると、立体作品の制作を本格的に開始する。壁面の上下に同素材・同型のものを重ねるように設置する「スタック」や「ボックス」、数列に基づく「プログレッション」などのシリーズを通して、空間と美術作品の関係性を探求していった。
制作を続ける中で、1970年代にニューヨークを離れたジャッドは、テキサス州マーファへと拠点を移す。広大な牧場と多数の建物を取得し、それらを生活・制作の場として再構築し、場所そのものをアートへと変化させた。そして1986年には、自身の作品に加え、1960年代ニューヨークのミニマリズムを主導したダン・フレイヴィン、ジャンク・アートを手がける彫刻家ジョン・チェンバレンなどの大規模な芸術作品を、恒久的に展示するスペース「チナティ財団」を設立。その空間は半世紀の時を経た今も、ジャッドが意図したままの姿でマーファに佇んでいる。
本展では、1950年代にジャッドが制作した初期の絵画作品や、1960年代から90年代の立体作品を紹介するとともに、ドローイングや図面、映像、資料を通して、彼がマーファに残した空間の実践を提示する。さらに本展を開催するワタリウム美術館の創設者・和多利志津子氏が、1978年にジャッドを日本に招聘して開催した「ジャッド展」のドキュメント展示も設ける。
本展を通して、展示を「その場限りのパフォーマンスにしてはならない」と考えた、“アートと展示が持つ完全性”に対する彼の強い信念に触れることができるだろう。
【展覧会情報】
『ジャッド|マーファ展』
TERM 2026年2月15日〜6月7日
PLACE ワタリウム美術館
ADDRESS 東京都渋谷区神宮前3-7-6
OPENING HOURS 11:00〜19:00 ※休館は月曜日。ただし5月4日は開館。
URL http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202602/
Text_NONOKA FUJIWARA(Righters).