Them magazine

SHARE
CULTURE
Jan 01, 2025
By THEM MAGAZINE

GO THERE いま行きたいニューショップ -2025 PRE SPRING- / おちゃらかカフェ

おちゃらかカフェ

‟こだわらないこだわり”でフレーバー日本茶を世界に広める

 

江戸歌舞伎や人形浄瑠璃など芝居見物の街として栄えてきた日本橋人形町。現在も江戸時代から続く伝統工芸品や老舗の飲食店が軒を連ね、下町ならではの気取らない雰囲気が漂っている。そんな情緒あふれるこの街に、日本茶専門店「おちゃらか」による「おちゃらかカフェ」がオープンした。この店を手がけるのは、パリやロンドンでワインソムリエとして働いていたフランス人のステファン・ダントン氏。「ある旅館を訪れたときに、仲居さんが淹れてくれた日本茶を飲んで、そのあまりのおいしさに感動した」というダントン氏。以来、日本茶について学ぶために、自らの足で日本各地の生産地へ出向き知識を深めていった。「ワインと日本茶には多くの共通点がある。いずれも一本の木から栽培され、製法や品種、産地によって味に違いが生まれる。もしかすると、日本茶もワインと同じように目や鼻、口で愉しめる飲み物にできるかもしれない」。そして、日本人の間でもお茶を飲む習慣が薄れてきていることを知っていたダントン氏は、日本茶のイメージを気軽でおもしろいものに変えようと、フレーバーティーを開発するに至った。緑茶やほうじ茶、和紅茶にさまざまな素材をミックスして作るフレーバーティーは、マンゴーやかぼちゃ、黒糖キャラメル、焼きりんごなど、ダントン氏のユーモアな性格を体現するかのような数々のオリジナルが揃う。またフレーバー日本茶だけでなく、極上ほうじ茶や玄米茶、釜炒り茶といったスタンダードな茶葉もラインナップしている。「お客さんの国籍や年代、さまざまなシチュエーションとその時々の気分に寄り添えるように、こだわらないというこだわりを持って日本茶の魅力を世界中に伝えていきたい」とダントン氏は笑顔で語ってくれた。その言葉のどおり、当初は5種類のフレーバーで展開していたが、今では季節限定のお茶を含めて60種類以上のフレーバーが店内に揃う。古き良き日本の風情を感じるこの街で、忘れかけていた自国の文化に立ち返る場所となる。ダントン氏に相談すれば、きっとあなただけの理想のお茶に出合えるはずだ。

「おちゃらかカフェ」から「おちゃらか」までの距離はおよそ50メートル。オープン当初の取材だったため、ダントン氏が走って行き来する姿も。
マンゴー ¥650 / マンゴーフレーバーの水出し茶。気に入った茶葉があれば、ぜひ帰りに「おちゃらか」へ。
ダントン氏のカリスマ性といいオーラといい、まるで映画スターのようだ。静岡県立大学の講師として日本茶のマーケティングを教えるなど、次世代に向けた教育も行っている。
「おちゃらか」では、粉末状にしたお茶にフレーバーを加えた「エキスパウダー日本茶」も人気を集めている。自宅やオフィスに常備しておけば、急須なしで手軽に愉しむことができる。牛乳やココナッツミルク、炭酸水や焼酎などのアルコールに混ぜるのもおすすめ。
テラス席ではペット可、喫煙可という自由なスタイルもダントン氏らしい。

SHOP INFO

ADDRESS_東京都中央区日本橋人形町2-7-2 1F

SHOP HOURS_LUNCH_11:00〜14:30 DINNER_18:0022:00(火曜定休)

INSTAGRAM_@ocharaka_japan

SHARE