Apr 18, 2025
By THEM MAGAZINE
GO THERE いま行きたいニューショップ -2025 SUMMER- / Ⅴegan Soba Tokyo Ayler

Ⅴegan Soba Tokyo Ayler
ヴィーガンそば×ジャズ音楽が奏でる穏やかなひととき
白壁で囲まれた店内に灯るオレンジのライト。やさしい温もりを感じるこの店は、下北沢にオープンした世界初となるヴィーガンそば専門店。目の前には井の頭通りが一直線に走り、店の開放的な空間がどこか異質な雰囲気を放っている。それを加速させているのが、店の数十メートル先から聞こえてくるジャズの音だ。オーナーの森就史氏は、ブラジル・サンパウロに本社を構える音楽レーベル「アララピラ プロダクション(ARARAPIRA PRODUCTIONS)」に属しており、ブラジルのジャズ音楽への造詣が深い。この店では、ヴィーガンそばとブラジル豆を使用したコーヒー、さらには100年前の蓄音機から流れるジャズ音楽を楽しめる。当初はカフェとして店をオープンしたが、欧米を中心に増加するヴィーガン(菜食主義者)のライフスタイルに応えるべく、ヴィーガンそばのメニューを考案するに至った。「特に音楽をやっている人は理想主義者のようなロマンチックを求める傾向があるからなのか、ヴィーガンの人が多いんですよね」と氏は話す。ヴィーガンそばとは、従来そばに使用される鰹節を使った出汁や卵を含むそば麺などの動物性食材を一切排除し、植物由来の素材のみで作られた新しいスタイルのそば。「満腹感があるのに驚くほど軽やか」という新しい“エア満腹感”をテーマに、立ち食いスタイルとの組み合わせにより、食後の重たさを感じない爽快感のある食体験を提供している。店名の「Ayler」は34歳で夭折したフリー・ジャズの伝説的存在、アルバート・アイラーに由来しており、そこで店主は「うちの店も34年は絶対に続ける」というユニークな目標を掲げている。閉店は16時と早く、そのわけを聞くと「ぼくはお酒が大好きなので、仕事終わりは早く家に帰ってお酒を嗜みたい」と笑顔で話す。そんなオーナーの自由な発想がこの店を形成しているのだ。オープンから間もないが、ヴィーガンに対応している飲食店を検索できるアプリなどで店のことを知り、海外の人や県外から足を運ぶお客さんも多いそう。ヴィーガンそば×ジャズという斬新なスタイルは、すでに店という枠を超えて、ひとつのコミュニティとなりつつある。フレンドリーでユーモア溢れる店主とジャズの話に花を咲かせて、心温まるヴィーガンそばをすすり、穏やかなひとときを過ごしてほしい。





SHOP INFO
ADDRESS_東京都世田谷区北沢4-24-15
SHOP HOURS_9:00〜16:00 (土・日曜定休) ※月に2回、通常営業時間外の夜のバー営業あり
INSTAGRAM_@__ayler__