Them magazine

SHARE
CULTURE
Nov 05, 2024
By THEM MAGAZINE

GO THERE いま行きたいニューショップ -2024 WINTER- / Kaya select

Kaya select

時代と国境を超えて今に繋ぐ、唯一無二のラグ店

 

「アフガニスタンでは、暴漢などに追いかけられることもあるので、現地では常に手ぶらで行動しています。僕はすごく走るのが速いので(笑)」。取材した「kaya select」オーナー下川陽太氏の発言が印象に残っている。今年8月に神戸から世田谷区下馬に移転オープンしたこの店は、下川氏が現地で直接買い付けた100年から200年以上前のラグやアメリカンキルト、ファブリックなどが揃う。「昔から古着やアンティーク小物、古美術品などの収集癖があり、ラグもそのひとつでした。でも値段が高いこともあって、なかなか良いと思えるお店がなかったんですよね」。そこで手に取りやすい価格帯で、自身の好きなものを多くの人に伝えたいという思いから開業に至ったという。買い付けは2カ月に一度、アフガニスタンやパキスタンなどの地域の中でも、特に危険な地域へ出向く。「治安は日本に比べたら決して良いとは言えないです。でも現地の遊牧民や定住部族によって一枚一枚手織りで作られていたものって、素晴らしいものだと思っていて。古ければ古いほど、その人たちが生活していた景色で見られていた模様が織り込まれていたり、他の部族の柄が織り込まれていたり……。遊牧民の生活の中では、100年くらい普通に使えるものなんです。つまり、私たちの日常であれば、一代では終わらないくらい長く使える。普段生活していて、数百年も前のものや、どこの国のものかもわからないようなものに触れ合える機会は、なかなかないと思います」。1000枚を超える逸品が揃う、まるで異国のような空間で自分だけの運命の一枚に巡り会いたい。

今年9月に買い付けたというおよそ300枚以上の新しいアメリカンキルトが揃う。
戦車やヘリコプター、ライフルなどの柄を織り込んだ“ウォーラグ”は、さまざまな出来事を記憶とともに後世へ伝えるために思いを込めて織られている。(写真右下)
下川氏の好きなものだけで空間をつくったというデスク周り。見たこともないような小物が置いてあって面白い。
「2カ月に一回、店内の商品がガラッと変わるので、勢いで買うのもいいし、じっくり選ぶのもいいです」と下川氏。
移転と同時に店舗兼アトリエを併設した下川彩絵氏が経営する「soko」。下川陽太氏とともに買い付けたキルトやカバレット、オールドファーなどを用いて、一から制作した独自のプロダクトを展開している。

SHOP INFO

ADDRESS_東京都世田谷区下馬1-28-8 篠崎工務店ビル2F

SHOP HOURS_12:00〜19:00 (不定休)

※随時SNSで公開

INSTAGRAM_@kaya_select @soko_shop__

PHOTOGRAPHY BY KEIICHI SAKAKURA.

SHARE