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Jun 17, 2020
By THEM MAGAZINE

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Them magazineがチェックする海外からのホットトピック。2020/06/17

監督、スパイク・リーによる新作ムービー『ザ・ファイブ・ブラッズ』がNetflixにて配信開始。

 

本作はベトナム戦争に従軍した4人のアフリカ系アメリカ人の退役軍人たちが、現地に取り残された小隊の隊長とその地に眠ると信じる財宝を探しに、ジャングルに戻っていく物語。そもそも“ブラッズ=Bloods”とは、ベトナム帰還兵がたがいに仲間を呼ぶときに使った言葉なのです。

 

黒人の人権、戦争でのトラウマ、仲間同士の絆、今なお続くベトナムでの反米感情などが描かれています。主人公の4人は、なおも続くベトナム戦争時の不品行に直面する中で、人間や自然との戦いに挑んでいくというストーリーになっています。

 

世界中で大きなうねりとなっているブラック・ライブス・マター運動の渦中というタイミングも、さらに物語から感じ取れるメッセージに重みが増すのではないでしょうか。監督が描くのは、あくまでも本当に歴史上で起こったこと。

脚本の段階では、白人のベトナム帰還兵が主人公だったのをスパイク・リーが黒人を主人公にしたことで、人種差別というテーマ性も加わったのです。

 

また、黒人(アメリカサイド)だけでなくベトナム人の視点を入れることで、歴史を俯瞰して描く監督の手腕とその確固たる意志に感服します。

 

メインキャストには、チャドウィック。ボーズマンを始めとした『レオン』(1994)のジャン・レノ、『リチャード・ジュエル』(2019)のポール・ウォーター・ハウザー、『マルコムX』(1992)のデルロイ・リンドー、『ザ・ラスト・ブラック・マン・イン・サンフランシスコ』(2019)のジョナサン・メジャースと、豪華な俳優が名を連ねています。ここも見どころの一つですね。

 

観ていて楽しい気持ちになれる作品もいいですが、目をそらさずに受け止めなくてはいけない歴史とそれに基づいた作品があるはずです。この『ザ・ファイブ・ブラッズ』もきっと、私たちが観なくてはいけない一本ではないでしょうか。

 

スパイク・リーのグッズショップでは、エモリー・ダグラスがデザインした映画のポスターなどが販売されていますので、こちらもチェックしてみてください。

 

 

 

Edit_Marin Kanda.

 

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