私は、普通に読書が好きで毎日本を読んでいるのですがその中でも川上未映子さんの書くものが大好きです。詩集、エッセイ、小説は短編も長編も。すごく好きで、何度も読み返す作品がいくつかあります。で、私は川上未映子さんのことを敬意をもって「未映子」と読んでいます。ある時、幸運にもご本人にお会いし、お話しした際に「川上先生」とお呼びしたら、「未映子でいいよ! なんかみんな未映子って呼んでるみたいだね。」とおっしゃってくださって、心臓が飛び跳ねる思いをしました。バレてる!と。とはいえ、「では、未映子で」なんて言えるはずもなくもごもごと「未映子さん……」なんて呼ばせていただきました。
未映子(敬意を込めて)といえば、やはり『乳と卵』を手に取ったことがあるという方々が多いのでしょうか? 小説の素晴らしさを語り出すと何だか全体的な濃度が凄まじいことになりそうなので、今回はあえて書きません。が、ぜひ読んでいただきたいです。未映子は初めてという方に私がオススメするのは『わたくし率 イン 歯ー、または世界』、『愛の夢とか』。ちなみに私の初・未映子は『乳と卵』なのですが、その後に『ヘヴン』を読んでどっぷり……といった感じ。
小説はもちろんエッセイも読んでいて、今回は『世界クッキー』というエッセイ集で書かれていた“読書のススメ”について紹介します。
限りなく簡単に要約すると、「自由な価値観の中で選んだ本というのは、実際にはすでに作られた枠組みの中の小さな動作何である」ということらしい。確かに、本屋に行って何となく手に取った本は極めて自由にそして偶然的に選んだと思っていたのですが、結局のところ何となくではなく自分の趣味嗜好で選定しているのですね。では、本当の偶然的な本との出会い方とは何なのか。未映子曰く、「膨大なタイトル数を誇る岩波文庫が収められた棚の数歩前に立ち、目を閉じて触れた作品を購入して必ず読みきる」。タイトルが隠されたまま本を売る書店がありますが、それよりももっと原始的に、手軽な本当の偶然的な出会い方です。
もちろん実行しました。今日の朝、「ABC」で。