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FASHION
Apr 05, 2017
By THEM MAGAZINE

「GR8」 GRAND REOPEN

「GR8」がリニューアルオープン。東京のストリートを代表するセレクトショップ大刷新の真意とは?

 

 

「ラフォーレ原宿」に2005年にオープンし、今年で12年の節目を迎えたセレクトショップ「GR8」。これからの12年に向けて店舗を全面改装し、3月30日にリニューアルオープンした。

新たに導入された21面のスクリーンや16基のスピーカー、4基のウーファーがダイナミックな空間を演出。天井にはディフューザーも設置され、流れ出るパフュームが訪れた人の嗅覚を刺激する。

 

また、新しいだけではなくこれまでのデザインも継承され、オープン当初に使用していたものと同素材で製作されたカーテンや、年々数を増やしていったミラーショーケースなどが改めて採用された。オンラインにはない、実店舗ならではのショッピング体験が楽しめると同時に、長年の東京のストリートを体現してきた「GR8」の歴史も感じることができる。

さらに「ラフォーレ」原宿の裏口に直結した屋外エントランスには、日本庭園のような空間や檜の扉など和のコンセプトを取り入れている。この大刷新について、「GR8」の代表を務める久保光博氏にお話を伺った。

— 店舗外の和風空間のコンセプトは何ですか?

 

「私はバイイングが主な仕事なので、一年間の半分は海外に出ていて日本にあまりいないんです。若いころはヨーロッパやアメリカへのあこがれがありましたが、40歳になって、日本の美しさが素直によいと思えるようになってきました。例えば、神社に行ってお参りをするとか、京都を旅行するとかね。

 

『GR8』には海外からのお客さまも多く来られて、その年齢層も高いんです。比較的若い人向けの洋服を扱っている『ラフォーレ』や『GR8』でも、年齢に関わらず皆さんが素敵な空間だねと言ってくれるように、自分の気持ちに正直になった結果ですね。

 

『ラフォーレ』は若くて元気なイメージがありますが、実は39年も続いている施設で、そのような“ギャップ”が『ラフォーレ』の特徴だと思っています。それは『GR8』にも共通する特徴です。その“ギャップ”を、屋外の和風な空間と店舗に近未来的空間という形で表現しています。外の空間は施設の共用部分を使わせて頂いているので、『GR8』だけでなく、『ラフォーレ』との関係性を考えた上でのコンセプトにしました。ギャップが凄い空間って世の中にあんまりないじゃないですか。それができるのが『ラフォーレ』と『GR8』の強さであり、表現法なのかなと。」

 

 

— 今回のリニューアルで一番注目してほしいポイントは?

 

「アメリカのダウンタウンで購入した約200円のハンガーを使っているところですね(笑) 店舗内で使用しているソファーは約600万、LEDの什器も2つで約1000万円とコストのかかったリニューアルとなりましたが、一方で洋服を吊るハンガーはチープなものを選ぶというギャップです。こうしたギャップこそが、ファッションをやるうえで一番かっこいいことだと思っています。すべて高価格のハイブランド、もしくはすべてチープな品物で揃えたりするのではなく、それらをミックスしてギャップを生み出していくことに面白さがあり、それを表現したいと思っています。《THRASHER》の隣に《BALENCIAGA》があったり、《RICK OWENS》と《Reebok》のTシャツを一緒に並べたり。約150ブランドほど扱っていますが、誰も知らないブランドからハイエンドのブランドまで揃えて提案する、それが『GR8』しかできないギャップなのだと思います。」

 

今回のリニューアルオープンパーティーに合わせ、1年間に世界中で発売されたさまざまな逸物を集めたフランス発のカルチャーブック『ALL GONE』のオフィシャルローンチイベントも開催。会場に来ていた編集長のMichael Dupouyは、今回のブックで一番お気に入りのページはフランク・オーシャンの『boys don’t cry』だと言う。2016年のファッションシーンの総括は、一言で言うと“WILD”と述べ、「東京はエナジーがありご飯もおいしいし、クールな人もたくさんいる。ベストだと思うね。」と語った。

 

 

「GR8」以上に、実店舗での体験を追求し、モードとストリートが融合したショップはないだろう。その最新の空間を目で、耳で、鼻で感じよう。

 

 

 

Edit_KO UEOKA

【店舗情報】
GR8
東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿 2.5F
03-3408-6908

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