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FASHION
Sep 09, 2025
By THEM MAGAZINE

東コレ 2026S/S 「Bench Design Awards: Philippine Fashion Now.」

フィリピンのファッションの“今”を見る

 

フィリピンを代表するファッションブランド《ベンチ》が、「Rakuten Fashion Week TOKYO S/S 2026」でファッションショー「Bench Design Awards: Philippine Fashion Now.」を開催した。渋谷ヒカリエの会場では、「Bench Design Awards」受賞者3名のフィリピン人若手デザイナーが最新コレクションを披露した。

 

ショーの来場者には各プレスやファッション関係者が多くいるのはいつものことだが、スタンディングの来場者はほとんどが学生と思われ、彼らのひとりは「学生のうちに見ることができるファッションショーは刺激になる」と語っていた。

 

 

《ステフ・ヴェラーノ(STEPHVERANO)》

ランウェイの最初を飾ったのはステファニー・ヴェラーノ(Stephany Verano)による《ステフ・ヴェラーノ》。今回披露した「CAST」と名付けられたコレクションについて彼女は、ある一枚の古い写真が着想源だと語った。そこから漁網やブイ(浮き)、ルアーといった、釣りのモチーフを当てはめていったという。伝統的な釣りと現代の釣り、海上作業着の両方に魅せられた彼女は、手縫いのキルティングや結び目のある縫製、海風に晒されたような穏やかな色調で、“海に育まれたような衣服”を現代クチュールとして再解釈した。

 

 

《ナダレ(nadale)》

次にランウェイを歩いたのは、カール・ナダレス(Karl Nadales)による《ナダレ》で、コレクションのタイトルは「A-17」。政治的変動や個人的な志など、さまざまな要因から生じる「移住」がテーマだという。「移住は人生と芸術的表現に深い影響を与えるが、緊張を生み出すこともある」と語る彼は、“内面の揺らぎ”を衣服として形にするため、生地を押しつぶし、歪んだ仕立てを採用。複雑なカッティングと入り組んだパターンを用いた。

 

 

《ピーチ・ガルデ(PEACH.GARDE)》

最後に登場したのは、看護学生からデザイナーとして転身したピーター・ガグラ(Peter Gagula)による、《ピーチ・ガルデ》。彼のコレクション「シースケープ(Sea-Scape)」は「海辺の逃避行の精神」を捉え、サンゴから着想を得たフォルムを持つ解体的なテーラリングにクラゲのモチーフを融合させ、自由、流動性、若さを演出。ガグラは、“泳ぐ準備をせずビーチへ出かけた若者たち”を想像し、リゾートウエアではなく、爽快でポップなストリートウエアを作り上げたと話した。

 

 

「日本からスタイリングの着想を得ている」

スカートとパンツを重ねて履いたメンズのルックが数体登場した《ピーチ・ガルデ》。ガグラは、男性がスカートを履くルックがフィリピンで流行の兆しを見せていると話した。そしてそれは、日本におけるファッションの流行の影響を受けている面があるという。

 

そうして日本からも影響を受けながら、自由なファッションが表現された「Bench Design Awards: Philippine Fashion Now.」。アワードは《ベンチ》創立30周年を迎えた2017年に始まり、若い才能を外の世界へ押し出してきた。観客の多くを占めていた学生たちにとって、このショーは一瞬の眩しい体験で終わらないはずだ。自由で若い感性が、これからのファッションをさらに面白くしていく予感を残した。

 

Bench Design Awards: Philippine Fashion Now.
Instgram_@benchtm

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