Oct 01, 2024
By THEM MAGAZINE
《セリーヌ オム》2025年夏季コレクション「THE BRIGHT YOUNG」
イギリスの歴史的建築物「ホウカム・ホール」で撮影されたショートムービーが公開
《セリーヌ オム(CELINE HOMME)》が2025年夏季コレクション「THE BRIGHT YOUNG」を発表。コレクションムービーも併せて公開された。
1920年代のロンドンの若い貴族を中心とした社交界グループ“THE BRIGHT YOUNG THINGS”から名付けられた本コレクションは、エディ・スリマンによって撮り下ろされた。撮影地は、イギリスのノーフォーク、ホウカム近郊にある18世紀に建てられたカントリーハウス「ホウカム・ホール(Holkham Hall)」。パラディアン様式によるこの建物は、古代ローマの古典的な様式に立ち返った、規則性、対称性、そして均衡の取れたプロポーションが特徴である。
今季発表されたテーラリングは、1920年代のサマーカシミヤとウールを《セリーヌ》のために織り直したイギリス生地を使用。縁取りを施したクラシックなジャケット、クリケットセーター、ボートブレザーといった王道の英国トラッドアイテムには、サマーカシミヤのフランネルを採用している。コイルのようなシルバーの金属線で《セリーヌ》の紋章をかたどったワッペンは、1920年代の軍事刺繍技術を再現したもの。ホワイトのサマーカシミアフランネルは、1922年にアメリカの小説家F・スコット・フィッツジェラルドが、南フランスの名門ホテル「ホテル・エデン・ロック(フランス、アンティーブ)」で着用したものからインスピレーションを受けていると同時に、クリケット・ホワイトと呼ばれるクリケット選手が着用するユニフォームからもインスパイアされている。2002年にイギリスで流行が復活したリシュリュー、モンク、テーパードダービーなどのシューズもまた、1920年代の英国スピリットを繋ぐ役割を果たしている。
バラシアウールのテールコートの下には、ダマスク柄や1920年代のイングリッシュガーデンの野花をデザインモチーフにしたベストを着用。スパンコールやクリスタル、光沢のあるパールを用いて、アトリエの手刺繍によって制作されている。
1980年代後半、エコール・デュ・ルーヴルの学生だったエディ・スリマンは、アングロマニア(イギリスのものすべてに熱狂することを指し、18世紀フランスの知識人の間に流行した風潮)についてのエッセイを書き始めた。彼はまた、元祖パーティーアニマルとして知られていたスティーブン・ジェームズ・ナピアテナントや、その側近のセシル・ビートンについても研究。今回のコレクションで、エディ・スリマンはこの30年来のプロジェクトを復活させたのだ。
厳粛な雰囲気が漂う「ホウカム・ホール」で繰り広げられる、エディが追求したアングロマニアの集大成とも言える本コレクション。臨場感あふれるムービーから、当時青年だった彼の想いが読み取れるかもしれない。
《問い合わせ先》
セリーヌ ジャパン
TEL.03-5414-1401