May 12, 2026
By THEM MAGAZINE
CUT UP Vol.07-03
HERON’S GHYLL
埋もれていたエレガンスに着目。
《ヘロンズ・ギル》は、クアラルンプールに生まれ、ニューヨークとパリで育ったデザイナー、マーク・フランシスによるコスモポリタンな視点からテーラリングを再解釈するブランドだ。ロンドンのアトリエで仕立てられる本作は、80〜90年代初頭のデザイナーズスーツに見られたカラーレスジャケットをベースに、当時のミラノらしいシャープさを表現したという。「フォレスティエール」のような立ち襟ジャケットではなく、襟そのものがない仕様に。襟を排したミニマルな首元と、長めの着丈が生む流麗なドレープ、少し厚めの肩パッドとドロップショルダーが当時のムードを現代に引き寄せる。「クラシックファッションの歴史の中で十分に評価されなかったムードを再評価し、ユニークで異文化間の美学に根ざした男性的なエレガンス」をコンセプトに掲げるブランドを象徴するジャケットをワードローブに加えたい。
ARCHETYPES
「漢の中の漢」の一本。
今シーズンから新たに《ジースター》のハイエンドライン「アーキタイプス」が始動した。「懐古主義的なレプリカではない、ヴィンテージを再解釈した現代のストリートウェア」であることがコンセプト。ファーストコレクションとなる2026SSでは、ヘビーオンスのファブリック・大胆かつ繊細なエイジング・実用性に裏打ちされたディテールや徹底して選びぬいた究極の素材により、頑丈で古めかしくも美しいヴィンテージのみが持ち得るエレガンスを伝えるアイテムがラインナップした。コレクションの軸である本デニムは、熟練の職人のみが扱うことのできる60年代のシャトル織機を使用した世界でも希少なイタリア製デニムのみを使用。経年変化の過程において生まれる、重厚かつ奥行きのある色彩を表現した漢の一本である。
DOUBLET
ウォレットチェーンではなくピーマン。
《ダブレット》の2026年春夏では、「いただきます」という言葉に宿る感謝の感覚を起点に、衣服の意味を問い直すコレクションを発表。食べることと着ることの意味を問い直し、「良い素材とは何か?」「本当の贅沢とは何か?」を追求した。その中で注目したのが、製品染めを施したダック生地のダブルニーショーツ。玉ねぎやにんじん、ピーマンといった野菜の刺繍があしらわれ、ポケットやベルトループから溢れ出すように配されている。まるで収穫したばかりの作物をそのまま腰に携えるような佇まいは、食と生活、そしてそれを支える人々との繋がりを可視化する試みだという。廃棄素材の再利用や一次産業への関心を背景に、日常の何気ない所作に潜む「いただきます」の意識を呼び起こす《ダブレット》らしいユニークな取り組み。
BY H.
ミニマルな機能服。
弊誌でも多くのエディトリアルを手がけてきたスタイリストの林道雄が手がけるファッションブランド《バイ H.》。ブランドコンセプトは「PART OF LANDSCAPE」。洋服も景観の一部という意味が込められており、男女問わず着られる服を提案する。特に、パターンにこだわりと自信をもっており、遊び心のあるシャツなどを展開。そんな《バイ H.》から2026年春夏コレクションがデリバリー。今シーズン注目したのはユーティリティウエアをベースに都市的に再構築したセットアップ。コットンを用いた軽くクリーンな素材感も相まってミニマルな雰囲気ながら、ドレスシャツやミリタリーなどクラシック寄りのアイテムで使われる包みボタンなどのディテールも楽しい。
【STOCKIST】
TOD
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