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FASHION
Jul 16, 2024
By THEM MAGAZINE

《ディオール》が2025年サマー メンズ コレクションを発表

陶芸家ヒルトン・ネルとのコラボレーションによる職人技巧を讃えた新作メンズコレクション

 

キム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛ける《ディオール(DIOR)》の2025年サマー メンズ コレクションが、パリのヴァル・ド・グラース修道院の庭園にて開催された。

今季、キム・ジョーンズがコラボレーションを行ったのは、南アフリカを拠点に活動する陶芸家ヒルトン・ネル。彼が生み出すモチーフ、造形、そして素朴なモニュメンタリズムを取り入れて、クラフトに宿る質感や手仕事へのプライドを讃えた。陶製の留め具やビーズ刺繍、陶芸の表現方法から引用したフォルムや仕上げ、遊び心を感じさせる動物モチーフなど、彼の世界観が存分に反映されている。

 

イヴ・サン=ローランのアーカイブスケッチから生まれたテイラリングコート

しかし、コレクションに登場するアイテムには、彼の作品がふんだんに散りばめられているだけではない。1958年秋冬 オートクチュール コレクションのためにイヴ・サン=ローランが描いたスケッチを、今回初めてデザインとして採用したテイラリングコートが登場。コートの上にはマルク・ボアンによる「プティ・テアトル」という、ラフィア糸とガラスビーズで構成された刺繍が袖や裾、襟から中央に向かって消えていくように施されている。陶器や釉薬がかかる前の原材料としてのセラミックスの生々しさを反映するような、マットな生地と遊び心のあるデザインが独特な雰囲気を放つ。

 

ネルの作品に触発された陶器風スカーフカラーのまったく新しい素材

コレクション全体に見られたスカーフカラーのモチーフは、1960年秋冬 オートクチュール コレクションで発表されたイヴ・サン=ローランのもうひとつの作品“Negatif”に着想。今回は、ネルの作品に触発された新しい素材を創造したいというキム・ジョーンズの願望のもと、職人による完全オリジナルの工程を経て製作された、陶器風のパーツとして再解釈されている。イヴ・サン=ローランによるアーカイヴを取り入れながら、メゾンが誇る手仕事によって表現されたネルの世界観を体感してほしい。

 

《問い合わせ先》

CHRISTIAN DIOR

TEL.0120-02-1947

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