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FASHION
Jun 25, 2025
By THEM MAGAZINE

PICK-UPS vol.13 T-shirt

この夏に手に入れたい、ドメスティックブランドのTシャツ4選

 

前回の日焼け止めに続くPICK-UPS第13弾は、この夏に押さえておきたいドメスティックブランドのTシャツにフォーカス。Tシャツは何枚あっても困らないーーというより、何枚あっても“飽きない”のが不思議なところ。襟の開き方、シルエット、丈感、素材感、デザインの違いが毎年の楽しみだ。今年も各ドメスティックブランドが、それぞれの美学とアイデンティティを宿した魅力的なTシャツをリリース。今の気分とスタイルにぴたりとハマる一着をぜひこの中から見つけてほしい。

 

《シンヤコヅカ》 BOY AND GIRL-CHACOAL

記号化された“ふたり”の人物が訴えること。

《シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)》の新作Tシャツは、ただのグラフィックTでは終わらない。ラフな線画で描かれた少年の歩く姿は、あえて無表情に描かれ、どこか“孤独”や“無垢”を思わせる。背面には、右手に傘を持ち、言葉を飲み込んだような少女の姿。“BOY AND GIRL”と題されたこの一枚は、匿名性のあるキャラクターを通して、何気ない絵の中に強い余白とストーリー性を内包している。それは、都市に生きる私たちの心情や、存在の曖昧さを象徴しているかのようにも感じられる。素材にはデッドストックのコットンジャージーを採用。やや硬さを残した風合いは、グラフィックの持つ乾いた空気感とも好相性だ。色はチャコール、ブラック、ホワイトの3色。飾り気はないのに、不思議と心に残る。そんな一枚だ。/¥11,000 (THE WALL SHOWROOM)

 

《ラッドミュージシャン》TOWER RECORDS / LAD MUSICIAN BIG T-SHIRT  

「タワレコ仮面」、ふたたび。

《ラッドミュージシャン(LAD MUSICIAN)》の30周年を記念して、2004年の伝説的コラボTシャツが復刻。「TOWER RECORDS」のビニールバッグを“顔”に見立てた通称「タワレコ仮面」が、20年の時を経て帰ってきた。グラフィックは実際に袋を手で成形して撮影されたもので、《ラッドミュージシャン》らしい皮肉とアート感が全開。素材には、自然な光沢とコシを併せ持ったオリジナルの天竺生地を使用し、軽さもありながらタフで、季節を問わず快適に着られる。肩線から襟裏にかけてはタコバインダー仕上げで、型崩れにも強い仕様だ。背面には「LAD × TOWER」のミックスロゴをオン。ホワイト、アッシュグレー、モスグレー、ブラック、ピンクベージュ、ダルピンクの豊富なカラバリに加え、同デザインのトートバッグも展開中。往年のファンも、いまのストリート好きも唸る、“語れる”Tシャツ。/¥12,650(LAD MUSICIAN SHIBUYA

 

《マーカ》Tee Yuji Takeuchi consultation

アメリカの球場で見つけた、“BIG FLY”な情景。

フォトグラファー竹内裕二氏と《マーカ(MARKA)》のコラボレーション第4弾は、“アメリカの野球場での何気ないひとコマ”にフォーカスを当てたフォトTシリーズ。ネイビーのボディに映えるのは、“BIG FLY”の赤いタイポグラフィと、その奥に写るスタジアムのふたり。ちなみに“BIG FLY”とは、野球用語で“ホームラン”を意味するスラング。プレイの高揚感を、あえて“静”のアプローチで描いたのが粋だ。全4種のカット展開は、いずれも竹内氏の球場偏愛がにじむセレクション。写真とグラフィックが交差することで、写真Tという枠に収まりきらない、温度感とストーリーが宿る一枚。カラーはネイビーのほか、ブラック、ライトグレー、ホワイトを展開している。素材から縫製、加工に至るまで、すべて国内で完結する《マーカ》らしい確かなものづくりも魅力だ。/¥17,600(PARKING)

 

《カミヤ》Distressed Pocket T-shirt

架空のバンドT、でもリアルにかっこいい。

東京でユニークなコレクション発表を続けている《カミヤ(KAMIYA)》から登場したのは、どこか架空のロックバンドTを思わせる一枚。“The Fabulous Mannis Bois”という謎めいたワードに、クラシックなスクリプト体、そしてフェード感のある風合いが相まって、アメリカンでレトロ、だけどしっかり皮肉が効いている、そんな《カミヤ》らしい仕上がりだ。ちなみに”Mannis”は本来“h”が入るところだが、あえて文字抜けのまま表現。ヴィンテージTによくあるスペルミスを、そのままグラフィックの味に昇華させている。フロントには、カスタムカーカルチャーのピンストライプモチーフをプリント。天竺生地のボディは製品染色後に手作業でフェード加工が施されており、裾や肩線に走る自然な色落ちがヴィンテージライクなムードを引き立てる。胸ポケット付きで、裾にはブランドのピスネームもさりげなく配置。クセがあるけど、かっこいい。それが《カミヤ》の真骨頂だ。/¥27,500(THE PHARCYDE)

 

【問い合わせ先】

THE WALL SHOWROOM

TEL.050-3802-55773

 

LAD MUSICIAN SHIBUYA

TEL.03-6416-1813

 

PARKING

TEL.03-6412-8216

 

THE PHARCYDE

TEL.070-6660-0692

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