May 17, 2024
By THEM MAGAZINE
「POST」が写真家マックス・クリージーの展覧会を開催

マックスによる書籍「How Things Look」の刊行を記念した展覧会。
出版社という括りで定期的に本を入れ代える新しい書店「POST」は、ロンドンとベルリンを拠点に活動するヴィジュアルアーティスト、マックス・クリージー(Max Creasy)の作品集刊行を記念した展覧会を6月9日まで開催中だ。
マックスは、オーストラリアとノルウェーをルーツに持ち、建築、人物、静物写真の撮影を通して独自の視覚言語を生み出している。今回発表する書籍「How Things Look」は、約1年前にマックスが家族で日本を訪れた際に撮影した写真で構成され、書籍のデザイン・出版はイギリスのデザインスタジオ「OK-RM」が担当。物事の見え方と在り方のギャップに注目し、私たちがものをどのように見るのか、また、ものが私たちをどのように見つめ返してくるのかという疑問をテーマにした、少し変わったポートレート集となっている。
本展では、マックスのプリント作品の展示だけでなく、彼が今までに制作した作品集も手にとることができる。また、今回の展示会のために「OK-RM」がデザインしたTシャツも販売。
展示会の開催にあたり、POSTがインタビューを刊行。
マックスが「How Things Look」について話を聞かせてくれた。
(インタビュー=Kanako Tsunoda、以下インタビューから引用)
-新しい作品集「How Things Look」について教えてください。この本は日本で撮影した写真で作った写真集ですよね?
「はい、そうです。約1年前に家族と日本に2週間の旅行に行きました。家族との休暇のための旅行でしたが、もちろんカメラは持っていて、面白いと感じたものを撮影しました。奈良県の吉野に行って伝統的な家を見たり、時期が4月だったので、北海道の函館まで行って最後の桜を楽しんだりしました。この書籍に掲載されている写真は、自然な流れで撮影されたものなんです。少し前まで作品作りをするときには、コンセプトをまず考えて、その後入念なリサーチをしてから撮影に出かけていました。でも「How Things Look」では撮影した写真を眺めているうちに、その中に興味深いものを見つけたので、それを作品にしようと思ったのです。」
-「How Things Look」では、外国人ならではの視点で面白いと感じる物体が被写体になっているようにも思えます。オーストラリアとノルウェーをルーツに持ち、今はイギリスとドイツで活動をされていますが、マックスにとってのホームはどこでしょうか?
「おそらくヨーロッパが自分のホームだと感じますし、自分のことをヨーロッパ人だと思っています。それと同時に、共通の理解を持っていると感じる人と一緒に時間を過ごす時、自分はホームにいると感じます。例えばOK-RMのオリーとローリーと一緒に仕事をしている時や、それが場所が日本であっても、自分と同じ感覚を持っている人と出会って話をしているときに、故郷にいるような安心感を覚えます。自分にとってホームという感覚は、ドイツ語の「ヘイマート(Heimat)」というコンセプトに近いです。これはスピリチュアルホームという意味で、自分にとってのホームという概念は土地にとらわれず、頭の中にあるもので、自分が理解されていると感じる人と一緒にいることだなと思っています。」
-日本で展示会に期待することはありますか?
「日本で展示をするのはこれが初めてなので、とてもわくわくしています。最初に日本を訪れたのは、友達に会いに行った2001年のことで、それから日本への興味を失ったことはありませんでした。20年前は、ストリートカルチャーへの興味が一番強く、それから建築やデザインも好きになって、日本の文化や人が大好きになりました。日本の友達や新しく出会う人々と、自分の作品をシェアして話しをするのがとても楽しみです。」
外国人ならではの視点で日本の風景を捉えた本書は、とても新鮮に感じることだろう。過去の作品集やオリジナルTシャツなどが揃う、日本初となる彼の展覧会にぜひ足を運んでみてほしい。
《開催情報》
「Max Creasy / How Things Look」
会期:2024年5月9(木)~2024年6月9日(日)
※定休日:毎週月曜日
時間:11:00~19:00
会場:POST
住所:東京都渋谷区恵比寿南2丁目10−3
【書籍】「How Things Look」
価格:¥6,600
出版:In OtherWords
【Tシャツ】「How Things Look」
価格:¥7,700
サイズ:S,M,L,LL
《問い合わせ先》