Them magazine

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ART
Mar 15, 2017
By THEM MAGAZINE

SHIGEO OKADA WATERCOLOR

「情報が限定された小豆島で生まれ育ったことが、今の自分をつくった」。
そう語るのは以前、弊誌でもしばしば寄稿していただいたことがあるイラストレーターの岡田成生氏。

 

最近彼が、自身の作品をまとめた「SHIGEO OKADA WATERCOLOR」(ヘッダー画像の水彩画は作品集のカバーに使用されている岡田氏の自画像)を製作した。そこには洋画や邦画は問わず、さまざまな映画の名場面やミュージシャンの姿を捉えたイラストが掲載されている。今回は、その一部を紹介したい。

 

【Nagisa Yoko “Nagisa Strut” CD jacket Illustration】

昨年、歌手人生20周年を迎えた渚ようこ氏のアルバムのジャケットに使われた岡田氏の描きおろし。歌謡曲をこよなく愛し、その魂を歌い上げる彼女のオーラを再現したかのような、鮮やかで力強いイラストだ。

【“CINEMAVERA SHIBUYA” Poster & Flyers】

岡田氏自身もよく通っているというシネマヴェーラ渋谷の特集用に描かれたイラスト。デビュー50周年を記念して組まれた「女優・梶芽衣子特集」や田中登氏の「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」、「夜汽車の女」に小沼勝氏の回想録「わが人生 わが日活ロマンポルノ」など、ロマンポルノを代表する巨匠たちの作品を美しく、エロく、妖艶に描いた作品。

【“Haino Keiji × NagisaYoko live at Shinjuku jam” Flyers】

渚ようこ氏の熱いリクエスにより、灰野敬二氏が再結成する歌謡曲のカヴァー・バンド「哀秘謡」のフライヤーにも岡田氏のイラストが使われた。ローリング・ストーンズから加山雄三、童謡まで、さまざまな曲を新解釈で演奏する異色バンドと渚氏のコラボレーションは、イラストからもその迫力が伝わってくる。

岡田氏によって描かれる水彩画のイラストは躍動感を与えながらも、穏やかな時間が流れる小豆島で培った感性の温かさと柔らかさを感じさせてくれる。

 

今回は以上8点を紹介したが、「SHIGEO OKADA WATERCOLOR」は岡田氏の個人的な作品集となっており、一般に配布されず閲覧することができないのはとても残念だ。

 

ただし、弊誌では今後も岡田氏の作品を積極的に掲載したいと思う。他の媒体でも見ることが増えるであろう彼の作品には、これからも注目したい。

【岡田成生】
香川県小豆島出身のイラストレーター。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、2012年から本格的に活動をスタート。ライブやイベントのポスターを始め、雑誌などで活躍している。

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