Mar 17, 2025
By THEM MAGAZINE
デザイナー高橋盾が手がける《ジーユー》の新ライン「ユージー」がローンチ

《ジーユー》の定番商品を《アンダーカバー》のエッジの効いたデザインで再解釈したプロダクトを展開
《アンダーカバー(UNDERCOVER)》のデザイナーを務める高橋盾による《ジーユー(GU)》の新ライン「ユージー」が2025年3月14日(金)にローンチした。
これまでに《ジーユー》と《アンダーカバー》は全4回にわたりコラボレーションを行なってきた。新たなコラボラインとなる「ユージー」は、《ジーユー》のインラインと、これまでの両者の取り組みを新たなステージへと進化させるべく設立。《ジーユー》は2023年より「GO GLOBAL」の方針を掲げ、2024年9月には海外初となる旗艦店をニューヨークにオープンしている。そんななか、世界で活躍する高橋とパートナーシップを結び、ものづくりへのこだわりや考え方を学ぶことで、世界中の人々がファッションを自由に楽しめる商品を提案していく。本ラインでは《アンダーカバー》チームが商品のデザインだけでなく、商品のフィッティングやキーヴィジュアルの制作などすべての工程に携わっている。
「ユージー」のコンセプトは日常に心地よい違和感=ノイズをもたらすという意味の「SILENT/NOISE」。スウェTやユーティリティパンツ、ブロードシャツといった《ジーユー》の定番商品を《アンダーカバー》のエッジの効いたデザインで再解釈した2025年春夏コレクション全27型(ファーストコレクション19型、セカンドコレクション8型)をラインナップ。協業開発した新素材を使用したオーバーサイズのセットアップや、架空のハンバーガーショップ「ノイズバーガーショップ」をモチーフにした高橋が描きおろしたグラフィックなど、本コレクションならではの商品も揃っている。4回のコラボレーションを経て、新たなステージへと踏み出した「ユージー」について、《ジーユー》の商品企画のディレクターを務める長谷川陽介氏に話を聞いた。
――両者は2021年から全4回にわたりコラボレーションを実施してきました。この度、新ライン「ユージー」を立ち上げるに至った理由を教えてください。
《アンダーカバー》とコラボレーションを行っていくなかで、お互いの協業性において、より新しいかたちを模索できないか、と次の段階について高橋さんと話していました。「ユージー」のアイテムと《ジーユー》のインラインが組み合わさったとき、どのように融合し新たなスタイルが生まれるのか。本ラインでは、インラインとの関係性に着目し商品開発を行っていく、実験的であり新しい取り組みとなっています。
――さまざまなブランドとのコラボレーションを行なっている「ジーユー」ですが、新たなコラボラインとして「アンダーカバー」を選んだのはなぜでしょうか。
高橋さんをはじめとする《アンダーカバー》チームのものづくりに対する考え方や精神性が、《ジーユー》の姿勢に通じるところがありました。高橋さんは自身のクリエイションにおいても、細部にまで徹底的にこだわり抜いていて、完成度に対して一切の妥協をしない方です。本ラインの製作過程においても、いまなにが《ジーユー》で売れているのか、《ジーユー》の顧客はどんなアイテムを求めているのか、過去に好評だったアイテムはなにか、といったマーケティングから細かくリサーチしてくださるので、ものづくりにおいて対等な関係で率直な意見を交わすことができます。
――高橋氏とはどのようなお話をされたのでしょうか。
高橋さんから「綺麗めなアイテムを《ジーユー》でよりカジュアルに提供できたら、ブランドが新たなステージに向かうチャンスになるのではないか」と提案していただきました。また《アンダーカバー》の過去のコレクションにも登場する2WAY仕様などを《ジーユー》で取り入れたら面白いのではないか、というアドバイスもいただきました。本コレクションでは、セットアップやブロードシャツなど綺麗めなアイテムをひねりの効かせたデザインで再解釈しています。
――本コレクションのデザインのこだわりについて教えてください。
オーバーサイズのセットアップは、《ジーユー》ではあまり採用することがない、カットオフのデザインを袖や裾に施しています。また、織り方の密度をどこまで上げればカットオフのデザインがキープできるのか、といった品質面でもお客様が快適に過ごせるようにアプローチしています。カットソー素材に製品洗いを施したブルゾンは、完成度を高めるために何度も工場とやりとりをして試行錯誤を繰り返してきました。新たなことに挑戦することで、工場側の技術レベルも上がっていて、相乗効果を生み出しています。今後もコストとクオリティのバランスを取りながら、それを限界まで追い求めていくことで、水準以上のものが完成したときにインラインにも波及していきたいと思っています。
――ウィメンズやキッズアイテムなどの展開を増やしていく予定はあるのでしょうか?今後の展望についてもお聞かせください。
カテゴリーの拡大については現時点で決定していることはありません。「ユージー」で現在進行している実験的なプロジェクトが、女性のお客様にどう響いていったのか、世代別にどのようにリーチしていったのかをマーケティングチームや営業部と分析していくなかで、次の段階が見えてくると思っています。今回のコレクションでは、メンズアイテムとして展開していますが、ジェンダーレスでお使いいただけます。男性だと構築的に見えるアイテムでも女性が着るとドロップして見えるといった、同じアイテムでも全く違う見え方ができるので、今後もジェンダーや年齢に囚われずに、若々しさを伝えていけるようなコレクションを提案していきたいです。素材については、試作品の中でも甲乙つけがたいものがいくつか出来上がっているので、そういったものを積極的に取り入れていきながら、《ジーユー》全体のレベルを引き上げていけるコレクションを制作していきます。