Dec 07, 2017
By THEM MAGAZINE
【対談】 ヴァージル・アブロー《OFF-WHITE》 × フランチェスコ・ラガッツィ《PALM ANGELS》 (アーカイブ)
【対談】 ヴァージル・アブロー《OFF-WHITE》 × フランチェスコ・ラガッツィ《PALM ANGELS》 (アーカイブ)
(2016/02/24発売のThem magazine No. 009 「BORN IN STREET」に掲載されたアーティクルです。)
時代は、モードかストリートか。
「本物」はどこにあるのか。
「リアル」とはいったい何なのか。
ストリートに生まれ育ち、モードに挑む2人のデザイナーが語る
ファッションの今と、その少し先の未来。
“That says white T-shirts is more than just having one luxury thing”
白のTシャツ一枚が、その人にとってはラグジュアリーブランドのプロダクトより意味がある」(ヴァージル・アブロー)
——ランウエイで発表されるモードファッションと、ストリートのスタイルとの境がなくなってきています。コレクションブランドのなかでも、ストリートで圧倒的な支持を得る《オフ-ホワイト % ヴァージルアブロー(以下オフ-ホワイト)》と《パーム・エンジェルス》のお二人は、こうしたクロスオーバーについてどう分析しますか?
VIRGIL:ファッションは、カルチャーのレコーダーみたいなものなんだ。昔は、ラグジュアリーブランドに対する顧客の捉え方が重要だったから、ネームバリューや品質、歴史を誇示していた。カルチャーが成熟した今、人々はユニークなものや、興奮をブランドに求めている。だから俺たちのような若いデザイナーはラグジュアリーとは違う、新しい価値のある提案が必要なんだ。ストリートをベースにしているブランドはそれを理解していて、人々が見たことのないものを生み出しているんだよ。
FRANCESCO:ストリートウエアブランドもラグジュアリーブランドも、求める人たちが持つ文脈が変わったんじゃないかな。メゾンというのは、人々の求めるものを熟知していると言うけど、若者の多くはヤングカルチャーのような、これまでとは別の世界で生まれ育っているんだ。僕たちはリアルなストリートと結びついている。メガブランドやラグジュアリーメゾンの提案は、リアルなものではないんだ
VIRGIL:すごくコマーシャルだし、人々もそれに気づいているんだ。
FRANCESCO:まったくだね。今の時代、ハイブランドよりも、たくさんの人に影響を与えるような人にアクセスしたり、コミュニケーションを仕掛けるのがクールで、ヤングカルチャーからインスピレーションを受けることが、リアルなスタイルなんだ。
VIRGIL:そうだな。俺たちの世代に求められているのは、それぞれがブランドをミックスすることで生み出すスタイルに溶け込めるようなもの。ハイファッションは、ワンブランドで全身揃えることがベースになっているだろ?今は「トレンドだから」という理由でバッグを買う時代じゃない。自分にとってのシンボルになるようなものを選ぶのさ。新しいバッグに古い《リーバイス》とラグジュアリーなシューズ、それに日本でお土産に買ったようなものを組み合わせることが本物なんだ。白のTシャツ一枚が、その人にとってはラグジュアリーブランドのプロダクトより意味がある時代なんだよ。
FRANCESCO:個性いうものが、ブランドが提案するようなトータルルックより、スタイルを自分で再解釈することに価値が見出されているからね。
——ラグジュアリーブランドが打ち出す「ストリート」スタイルはどう思いますか?
FRANCESCO:「本物」ではないね(笑)。
VIRGIL:同感だ。だから俺たちはブランドを始めたのさ。
FRANCESCO:彼らは「ストリート」のスタイルを演じているだけ。「ストリート」ブランドというのは、自分自身、そしてカスタマーに忠実でなければいけないんだよ。
——なるほど。ストリートにインスパイアされたブランドやスタイリングが氾濫しているのは、あくまでトレンドの一つなのでしょうか。それともファッションにおける大きな流れなのでしょうか?
VIRGIL:ハイブランドが、単なるトレンドとして「ストリート」を打ち出しているのかはともかく、俺たちは自分たちの未来に投資しているんだ。ブランドが続くのと同じように、自分たちや顧客も年をとっていく。ブランドというのは常にアップデートしていかなければ、顧客とのつながりを失ってしまう。俺は、かつてキッズがマイケル・ジョーダンのファッションや《シュプリーム》のTシャツをみたときのことを、大人になっても覚えているということを重要視しているんだ。当時の高揚感というのはずっと心に残っているものだし、今もなお、求め続けているんだ。そんな体験を、今の若い人にも感じてもらい、覚えていってもらうためにやっている。俺自身も、マイケル・ジョーダンに憧れ、スケートボードで育った一人だからね。
FRANCESCO:「ストリート」ファッションというものの根本は、そうした原体験にあるんだ。だからランウエイにある「ストリート」ファッションには、心を揺さぶられない。ランウエイは本物のストリートじゃない。だからこそ今は、かつての憧れを次の世代へと与えていける自分たちの時代だと思うよ。
VIRGIL:今の作られた「ストリート」に責任というものはないから、この先ずっと続くとは思えないね。
——ではコレクションブランドの中で、自分たちはどのような立ち位置にいると思いますか?
FRANCESCO:もともと、今までになかった分野を作りたかったんだ。デザイナーズブランドとストリートウエアの中間に位置するものがなかったから。《パーム・エンジェルス》はまだ2シーズンで、《オフ-ホワイト》はすでに大きな成功を収めているけど、どちらも立ち位置としては同じだと思うよ。今後の目標の一つは、もっとデザイナーズよりになるように、ブランド力を高めていきたいということだね。しかるべきデザイン性だったり、高品質なイタリア製ということだったり。
——フランチェスコさんは《パーム・エンジェルス》以外にも、《モンクレール》のアーティスティック・ディレクターでもありますが、インディペンデントなブランドとメガブランドで、取り組み方の違いはありますか?
FRANCESCO:そんなに大きな差はないよ。強いて挙げるならビジョンの種類、ということかな。《パーム・エンジェルス》は僕自身のためにやっていて、《モンクレール》でやっていることは、より大きなビジョンの一部分、ということ。それくらいかな。僕たちはファッションを通じて、それぞれの世界観や物語を伝えているんだ。
VIRGIL:《オフ-ホワイト》や《パーム・エンジェルス》はニッチな市場だからこそ、カスタマーにより高い付加価値を与えなければいけないんだ。人はみな服を買うけど、俺たちは雑誌を読んでカルチャーを買うような人たちにアピールしている。せいぜい全体の5%程度かもしれない。コマーシャルなプロダクトじゃなくて、机に向かってひたすら悩みながら生み出して、結果2倍の売り上げを生み出すようなものを作るのがデザイナーズブランドなんだ。例えば青のブレザーが売れたら、他のメーカーもこぞってコピーする。そこに俺たちはブランドとして、今までとは違った感覚を組み合わせるんだ。そうすればみんな「こっちのブレザーが欲しい」って思うようになる。俺たちは毎年同じように作られるブレザーに、新しいスピリットを与えているんだ。スクリーンプリントだろうとなんだろうとそういうこと。それは決して偶然出来上がるものではないし、昨日今日突然考えたことじゃない。組み合わせるもの一つ一つに意味があって、素材を選ぶことにも意味がある。今の時代に合った要素を組み合わせた、マーケットに対して新しいオプションを提供しているのさ。
——《パーム・エンジェルス》のマリファナ柄や、《オフ-ホワイト》のラインのような、ブランドのアイコンモチーフも、そうしたオプションの一つなのですか?
FRANCESCO:僕の場合は、もともと自分が作ったLAのスケーター達のドキュメントを一冊にまとめた本から始まったんだ。僕のコレクションのものは全てその世界から生まれているからね。マリファナ柄というのはスケートカルチャーにとって馴染みのあるモチーフだから、それを選んだのは自然な流れだね。
——《オフ-ホワイト》のラインは?
VIRGIL:俺は建築がバックグラウンドにあって、最初に影響を受けたのがバウハウスやタイポグラフィーやグラフィックデザインだったんだ。ストリートウエアのロゴは何かを参照することがほとんどだから、ならば工業的というよりは、バウハウスに関連したグラフィックをデザインしたかったんだ。最初はモノグラムを作ろうとしたんだけど、あれは世界一難しいグラフィックデザインだ(笑)。いいものが浮かび上がるまでずっと挑戦していたけど、魔法はそう起きるものじゃない。だからラインだけでデザインしたのさ。普遍的なものは、どんな場所でも通用するんだ。バウハウスのセオリーにあてはまる、モダンな建築物に匹敵するものを生み出せれば、と考えた。シンプルでピュアなデザインなら、世界中の誰にでも受け入れてもらえるだろう。たとえ東京でも、シカゴやロンドンでも。あのグラフィックなら、プロダクトにプリントしてもわかりやすい。出来は上々だと思うよ。俺個人が生み出したものだけど、ただの線でできた、抽象的なものなんだ。
FRANCESCO:そういえば、昨日表参道を歩いていたんだけど、あるインディアンジュエリーのお店を見つけたんだ。なんて名前だっけな…
VIRGIL:「ゴローズ」?
FRANCESCO:そうそう!15年前くらいからあるみたいで、小さなスペースに商品があって、すごくエクスクルーシブなお店らしいんだけど。店の前には何メートルも行列ができていたんだけど、あの行列、毎日あるみたいなんだ。インディアンジュエリーを買うためだけに何時間も並ぶんだよ。
VIRGIL:何か買ったの?
FRANCESCO:まさか!3時間も並ぶなんてとてもじゃないけどできないよ(笑)。だけど、あれこそが僕たちが目指さなきゃいけないブランディングだよね。物事のスピードにぴったりついていくのではなくて、着実に発展させていくこと。ブランドとして一貫していて、かつミステリアスであること。これが今で言う稀少価値ということなんだ。
VIRGIL:目指すべきクリエイションのあり方だな。これこそ時代を超えた、カスタマーとのハイレベルなコミュニケーションだよね。俺はもう何年も《クロムハーツ》が好きなんだけど、《クロムハーツ》が他のブランドと圧倒的に違うのは、勤勉であるということなんだ。自分が好きな《ゴールデン グース》や《クロムハーツ》、《ラフ・シモンズ》は今でこそスターブランドだけど、そうなるずっと前から、彼らは同じスタンスを貫いていたいんだ。だから俺は自分たちにとって大事なのは、それがすぐに受け入れらなくても、ずっと続けていくべきということなんだ。
FRANCESCO:今の時代、僕たちみたいなデザイナーは単に洋服をデザインするだけではいけないからね。
VIRGIL:そうだな。今の時代のデザイナーは、別の呼び名のほうがいいんじゃないかな(笑)。
そういえば昨日、ラフ・シモンズが《ディオール》を辞めたってニュースを見たんだ。驚いたよ。ラフが《ディオール》を辞めたことは、この時代のデザイナーのあるべきスピリットというのを示していると思う。ストリートとラグジュアリーについて聞かれるたびに言っているんだけど、ラフ・シモンズこそが世界最高のストリートファッションのデザイナーなんじゃないかな。《ディオール》というラグジュアリーのトップにいながら、今起きているリアルなことを表現している。彼はファッションの未来であり、現在なんだよ。他人がやるより自分がやったほうがいいというのを理解しているんだ。そして、最高峰のラグジュアリーの地位をあっさりと捨て去るなんてすごいだろ?ラグジュアリーからストリートの世界に戻ってきて、次はこの世界でトップになるんだよ。
これもインタビューでよく言うんだけど、《シュプリーム》は俺にとって《ルイ・ヴィトン》なんだ。《ルイ・ヴィトン》はラグジュアリーブランドがどういうものかを教えてくれた。でも若いころ《シュプリーム》を見て育った俺にとっては、《シュプリーム》のが10倍大きい存在なんだ。ストリートのほうが重要だから、ラフ・シモンズは俺にとってのヒーローなんだ。ビッグビジネスもできて、クリエイティブなデザインもできる。
FRANCESCO:彼のようなスターデザイナーと、ビッグメゾンとの関係性が大きく変わったのが面白いよね。無名だったアレッサンドロ・ミケーレの《グッチ》も素晴らしいよ。それと《バレンシアガ》の……
VIRGIL:デムナ?
FRANCESCO:そうだ。デムナ。アレキサンダー・ワンもいい仕事をしたんだけど。
VIRGIL:彼自身で大きいブランドを持っているから、そこに戻っただけさ。(ラフの辞任があった)昨日感じたんだけど、スターデザイナーたちにとって、ラグジュアリーブランドは自分の才能を発揮できる素晴らしい場所なんだ。だけどもっと大事なのは自分たちの才能なんじゃないかと思う。2015年は本当にたくさんの変化が起きた。後々研究対象になるような一年だったんだ。10年後に全てのラグジュアリーが残っているとは限らないし、ファストファッションも衰退していくかもしれない。そんなとき、《オフ-ホワイト》や《パーム・エンジェルス》のようなインディペンデントなブランドの存在が必要なんだ。自分たちの声を一方的に語りかけるだけのブランドはカルチャーを失って、淘汰されていくんだ。2015年、ラグジュアリーの世界で起きたあらゆる変化がそれを暗に示しているんだよ。
FRANCESCO:今の世代の新しいデザイナーたちは、これまでとはまったく異なったビジョンに従って行動しているんだよね。歴史あるメゾンのクリエイティブ・ディレクターであっても、それまでの過去や現在にふりまわされたりはしないんだ。
VIRGIL:彼らが作るものは、これまでとはまったく違うものなんだよね。生まれてくるのは新しいブランドでしかないんだ。新しいからこそ、みんなが欲しいと思うんだ。
FRANCESCO:今の《グッチ》なんてまさにそうだね。すごくかっこいいけど、かつての《グッチ》とは別物だよ。《バレンシアガ》だって、創業者のクリストバル・バレンシアガとはもはや関係ないんだよ。ただの名前なんだよ。
VIRGIL:だから人々は、ラフ・シモンズというデザイナー自身にリスペクトを払うんだ。彼にとって、ラフ・シモンズは《ディオール》というメゾンより大事な存在なんだよ。一人の人間である彼が、シューズを作り、ショーを行う。その人自身にビジョンが宿っているから。デムナだってそう。彼の名前それ自体がブランドなんだ。だから俺のようなキッズはデザイナーを追うんだ。《クロムハーツ》のリチャードや、スティーブ・ジョブズといったカリスマをね。俺たちは彼らのクリエイションを知っている。知っているから、服やアクセサリーを買う。発表する場が変わっても、追いかける。お店のドアに書かれているブランド名にだまされたりしないんだ。
——もし自分が、ラグジュアリーブランドからのオファーがあれば受けますか?
VIRGIL:まさか!いや、冗談だよ(笑)。そんなオファーがあれば光栄だと思うよ。自分の中に確固たるビジョンがあるから、置かれた場所にふさわしいクリエイションができると信じているからね。チャレンジするのも好きだし、メンズウエアというものをアップデートしていきたいとも思っている。《オフ-ホワイト》は若者に向けたものだけど、自分のクリエイションを伝統に結びつけたり、新しい未来に繋がるような偉大な仕事ができるブランドで表現してみたいとも思うよ。
“I think, “Street wear” got be old term”
「もはや『ストリートウエア』という言葉自体が古いよ。」
(フランチェスコ・ラガッツィ)
——ファッションアイコンが、かつてのロックスターからカニエ・ウェストやファレル・ウィリアムスといったヒップホップスターに変わっているのは何故だと思いますか?
FRANCESCO:ファッションもアートも音楽も、全てのカルチャーは繋がっているからね。今はヒップホップがメインストリームだから、カニエやファレルのような人々がキッズのアイコンになるのは当然なんじゃないかな。それに彼らには独自のセンスがあって、とても強いものだと思うよ。
VIRGIL:カルチャーというのはこれまで通ったのとは違う道を進むんだ。まるでゲームみたいにね。この時代は、アナ・ウィンターが雑誌を売るために、表紙にセレブを載せたときから始まったんじゃないかな。それからみんな、プロのモデルじゃなくて有名人を追っかけるようになったのさ。ミュージシャンやセレブがショー会場に表れるようになってから、この流れがさらに加速したんだ。ジャケットの値段よりはるかに高いコストを払ってつくるキャンペーンビジュアルより、一人の人間が着たほうがもっと売れるんだ。それに今ではミュージシャンやセレブに限らず、もっと普通の人にも注目が集まっているだろ?
——ブロガーやストリートスナップの影響もありますね。
VIRGIL:そうさ。この影響というのも時代なんだ。有名じゃない人々が影響力を持つ。セレブリティという有名人にスポットライトが浴びていたことへの反応でもあるだろうから、流行というものが循環しているんだ。人々はジーンズそのものが欲しいんじゃない、クールなスタイルが欲しいんだ。だからクールなスタイルを持つ人にインスパイアされる。
——今後、ストリートウエアとモードファッションはどうなっていくと思いますか?
FRANCESCO:区別が無くなるとおもうよ。
VIRGIL:そうだね。
FRANCESCO:もはや「ストリートウエア」という言葉自体が古いよ。新しいカルチャーが生まれ、物事が変わっている今、ストリートとラグジュアリーとの関係なんてもう気にする必要ない。考えるだけムダだよ。
VIRGIL:「ディスコ」という言葉に似ているね(笑)。仮に「ストリートウエア」についての本を書くとしたら、二つの意味がある。一つはニューヨークのストアで売っているTシャツのような本来の意味の「ストリートウエア」。そしてファッションの世界で使われているのが、メディアやブロガー、ストリートスナップのフォトグラファーが使う「ストリートウエア」。ショー会場の周りで楽しそうに撮影したファッション。彼らは「ストリートウエア」という言葉を《シュプリーム》や《エーライフ》、《エニシング》といった“本当の”ストリートブランドについて語るのではなく、「ストリートで撮った服」を指しているだけなんだ。ハイファッションのものだろうとなかろうとね。
FRANCESCO:彼らは俺たちのブランドも「ストリートウエア」と呼ぶね。
VIRGIL:全てのものにタイトルをつけなきゃいけないんだよ。ウィメンズのランウエイショーの前に考えたんだ。「俺がランウエイのためにパリに来た理由はなんだろう」って。なぜなら彼らは《オフ-ホワイト》をアッパーなストリートブランドと位置づけているからさ。俺はクリエイティブなことをしているつもりだ。このラベリングから逃げるくらいなら、自分で定義づけることができるかもしれないと思ったからさ。
FRANCESCO:それが正しいね。《オフ-ホワイト》は「ストリートウエア」でもないし、《パーム・エンジェルス》も違う。「ストリートウエア」を買うことが、自分たちが「ストリートウエア」を作るということじゃない。
VIRGIL:まったくだ。
FRANCESCO:「ストリート」という言葉を、人々はクールというけど、もう違うんじゃないかな。
——では、もし自分のブランドを一言で表すのなら?
FRANCESCO:俺なら……そうだな。今まで聞いたなかで一番よかったのが、「《パーム・エンジェルス》はポストプレッピーだね」。これは好き。
VIRGIL:いいね。
——ヴァージルは?
VIRGIL:何が一番いいかって?そうだな、「新しい」かな。
アメリカ・シカゴ生まれ。大学で建築学を学んだ後、カニエ・ウェストのクリエイティブ・ディレクターや「RSVPギャラリー」オーナーなどマルチに活躍しながら、2012年自身のブランド《オフ-ホワイト % ヴァージルアブロー》をスタート。 2015年、LVMH ヤング ファッション デザイナー賞ファイナリストに選出。
《モンクレール》のアートディレクターとして勤める傍ら、2014年RizzoliよりLAのスケーターカルチャーを撮りおろした写真集『Palm Angels』を出版。同年その写真集をインスピレーション源とする自身のブランド《パーム・エンジェルス》をスタートし、2015年1月にファーストコレクションを発表。