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FASHION
Jul 27, 2018
By THEM MAGAZINE

【インタビュー】Levi’s® Made & Crafted x POGGYTHEMAN

POGGY氏と《リーバイス》のコラボ、全アイテム解説。

 

《リーバイス》のプレミアムライン「Levi’s® Made & Crafted®」が、「UNITED ARROWS & SONS」ディレクターの小木“POGGY”基史氏とコラボレーションしたカプセルコレクションを発表する。7月26日の発売の前に、POGGY氏がその全貌を語ってくれた。

 

今春より《リーバイス》は、名だたるショップのバイヤーやディレクターとのコラボレーションを実施している。その第一弾として、LAのショップ「Magasin」のバイヤーJosh Peskowitzを招いたカプセルコレクションを発表した。そのプロジェクトの第二弾にアジア代表として指名されたのがPOGGY氏である。

 

今コラボレーションにあたって、POGGY氏はサンフランシスコの《リーバイス》本社にあるアーカイブルームに赴いた。「《リーバイス》にはさまざまなアイテムがあるので、自分の目でアーカイブを見て確かめたかった」というPOGGY氏は、部屋いっぱいに詰まった《リーバイス》の歴史の重みに圧倒されたという。

「アーカイブルームで《リーバイス》の膨大な量のアイテムを見ながら、何を使用するかを検討するのは楽しい作業でしたが、あまりにも数が多すぎてキリがないことに途中で気がつきました。なので、自分の中で一つのルールを決め、その範疇で物事を考えるよう頭を切り替えました。そのルールとして設けたのが、僕自身のスタイルにも所縁のある『ワークウエア』。ですので、今回のアイテムはウエスタンシャツとマックイーンパンツ以外すべて『ワーク』に関連しています。自分が今着たいと思うコーディネートを2体ほど考え、自然とバラバラの年代からのアイテムをピックアップしましたね」

 

今回のカプセルコレクションとして展開されるアイテムは全7型。キャップとTシャツ以外はすべて日本製だ。アーカイブを忠実に復刻するのではなく、日本人ならではの「ヘリテージとストリートのミックス感覚」でヘリテージに現代的なひねりを加えたという。幾度となく試作と検討を繰り返した渾身のコレクションを、POGGY氏に自らに全アイテムを解説いただいた。

¥ 25,000 (+tax)

 オーバーオールには、ホワイトオーク工場で織られたコーンデニムを使用。長年良質なコーンデニムを生み出してきたホワイトオーク工場は惜しまれつつも昨年に操業を終えてしまったが、今コレクションではその最後の残ったデニムを使用しているという。「そのまま使うとヴィンテージ感が強すぎるのでリンス加工を施し、イエローステッチを際立たせることで90年代を思わせる風貌に仕上げました。上に重ね着できるよう、シルエットは細身にしています」

¥45,000 (+tax)

 カバーオールはイエローと濃紺の2色展開。アーカイブを軸に、ポケットを大きくするなどの変化を加えた。「僕が好きなゴールドのアクセサリーと合わせやすいように、ボタンなどのパーツはすべてゴールドに変更しました。ゴールドやビビッドな配色で、《リーバイス》の持つ土臭さを抑えています」

(左) ¥25,000 (+tax) (右) 25,000 (+tax)

左のシャツは、60年代のショートホーンのウエスタンシャツからの引用。特にこのノコギリ型ポケットのものはヨークが面白いという。こちらもターコイズカラーによって、特有の土臭さが消えた。「当時のショートホーンは着丈が長いもの多いのですが、今回は身幅も大きくすることで、中にパーカーなどを着ることもできるようになっています」

 

右のシャツは、1910年代ごろのワークシャツにあるポケットのディテールを用いている。「自分はカバーオールやオーバーオールのなかにシャツを着るときは、スタンドカラーをよく合わせます。今回のコレクションにもバッチリ合うはずですよ」

(左)¥ 22,000 (+tax) (右)¥ 10,000円 (+tax)

こちらのデニムパンツのみ、《リーバイス》のアーカイブルームにあったものではなく、POGGY氏が自ら持ち込んだものだという。元ネタはスティーブ・マックイーンが履いていた《リーバイス》の“6614B”、通称マックイーンパンツ。当時はピケやコーデュロイが主流だったが、今回はデニムで作り直した。「『ベルベルジン』のディレクター藤原裕くんに当時のマックイーンパンツを借りて、参考にしました。もちろんそのまま使うのではなく、ポケットのサイズや、腿の部分に少しゆとりがでるようにシルエットを変化させるなど、さまざまに手を加えています」

 

Tシャツは、今回のコレクションのテーマカラーであるネイビーとゴールドで製作された。

5,000¥ (+tax)

大きなパッチが特徴的なキャップは、70年代に《リーバイス》の建物の起工式で非公式に被られていたものに由来する。「当時はヘルメットにデニムを被せていたようです。今回はそのディテールをキャップに落とし込みました。レザーパッチの横には“POGGY’S”のオリジナルイエロータブを配置しています。気づきにくいのですが、タブの裏側には僕のトレードマークであるファンクサインが描かれています」

 

 

さて、「UNITED ARROWS」にて数多くの別注アイテムを手がけてきたPOGGY氏だが、今回は通例のアイテム単品での別注ではなく、型数の多いカプセルコレクションとしての展開だ。この老舗ブランドとの大きなコラボレーションにあたって、どのような狙いを持って制作に臨んだのだろうか。
「今はラグジュアリーストリートと呼ばれるブランドが台頭し、《ブルックス ブラザーズ》のボタンダウンシャツなど、今まで自分たちが大切にしてきた定番アイテムが若い世代には関係のない時代になってきています。今回のコレクションでは、ベーシックなものの良さをいろいろな年代に改めて伝えたいと思いました。使用したイエローやターコイズといった色は一見派手に見えますが、アイテムの形自体はあくまでベーシック。1シーズンで飽きられない『タイムレス』な感覚は《リーバイス》の魅力の一つだと思うので、ベーシックな要素はギリギリ保ちながらも、現在流行りのアイテムにも合わせられるようにデザインしました」

 

そんなPOGGY氏も長年にわたって《リーバイス》をタイムレスに愛用してきたという。今やファッション業界の第一線を走り続けるPOGGY氏にとって《リーバイス》とはどのような存在なのか?
「僕にとって《リーバイス》とは、自分がファッションに目覚めたきっかけの一つであり、その時から今でも好きな数少ないブランドの一つでもあります。僕はデザイナーズブランドの服を着るときに、そのモード感を消すためのアイテムとして《リーバイス》を重宝してきました。例えば“501”を合わせることで、どんなトップスでも自分のスタイルに落とし込むことができるんです。今の若い人だとトップにデザイナーズブランドを着たら、ボトムスもデザイナーズやファストファッション系になるかと思いますが、僕の年代ではデザイナーズブランドには《リーバイス》を合わせる人が多いと思います。今回のコレクションが、若い世代が《リーバイス》の良さを知るきっかけになれば嬉しいですね」

 

 

 

商品のお問い合わせ先:
LEVI STRAUSS JAPAN.K.K.
0120-099-501

 

 

Edit_Ko Ueoka

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