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FASHION
Oct 16, 2020
By MARIN KANDA

Interview with ALL BLUES

ストックホルムを拠点とする、《オール ブルース》。すべてのジュエリーは職人によってハンドメイドで作られており、素材はリサイクルシルバーを使用するエシカルなコンテンポラリージュエリーブランドだ。無骨なデザインの中にもシックな印象を落とし込んだリングやネックレス、リーンなシルエットのピアスなど、ユニセックスでアイテムを展開している。大胆かつエレガンスなジュエリーを発表してきた同ブランドが、今年10周年を迎えた。記念すべきアニバーサリーイヤーにはセレクトショップの「BIOTOP」と協業を果たし、ブランドの哲学と「BIOTOP」のスタイルを見事に融合したカプセルコレクションもローンチ。躍進し続ける《オール ブルース》のフレデリック・ナトホルスト、ジェイコブ・スカラッゲの2人にメールでのインタビューを行った。

――2人は19歳の時に知り合ったとのことですが、当時はどんな学生でしたか?
高校卒業末にストックホルムで会いました。その後すぐに、ジェイコブの経営経済学と、フレデリックのアートディレクションの勉強を並行しながら、私たちの《オール ブルース》を立ち上げました。

 

――なぜジュエリーブランドを始めようと思ったのですか?そして、なぜ高校を出てすぐに20歳という若さでブランドを立ち上げたのでしょうか?
当時、私たちは何も知らなかったので、業界や世界を知ると同時に、自分たちのテイストや世界を探求するための方法であると考えたためです。プロダクトやウェブページ、イメージ画像、パッケージの製作など、何もかもに向けて用意した2000ドル(Ca 210,000円)だけでスタートしました。結局、キッチンで立ち上げに必要なアイテムを自分たちで作り、フレデリックはMicrosoft Wordを使って最初のウェブサイトをデザインしました。

 

――なぜ、ハンドメイドによるリサイクルシルバーでのクリエイションに着目したのですか?
ジュエリーは、金属を溶かして、思い描くどんな形にも再利用することができるのでサステイナブルの観点からも、優れた分野なのです。古いシルバーやゴールドに新しい命を吹き込むことができます。そして、ジュエリーはともかくとして、過剰生産、過剰消費、一週間だけのイメージや販売などにつながるシーズンサイクルは、サステイナブルなビジネスにそぐわないため、私たちはそれに従わないようにベストを尽くしています。

――《オール ブルース》におけるデザインのインスピレーションは何ですか?
“Our machine(私たちのマシーン)“と呼んでいるデザイン哲学と、価値観の原則に従っています。デザインを作成するのは機械であり、うまくいかないときは私たちが機械を修正するようにしています。

 

――最初はメンズジュエリーからスタートしたブランドですが、今ではユニセックスのアイテムが多いようです。しかし一方で、ラインナップのなかには子宮をモチーフにしたもあります。ジェンダーについて、特に意識していることはありますか?
ジェンダー、セクシュアリティ、民族、年齢に関する幅広い価値観や理想というのは問題をはらむものだと考えています。私たちはカテゴライズやレッテルを貼ることなく、様々な範囲に及ぶ人を表現することが重要だと考えています。誰が何を着るかを決めるのは私たちでしょうか?私たちはただ物を作り、他の人に気に入ってもらえればいいと思っているだけなのです。

 

――すべてのアイテムに共通して大切にしていることは何ですか?
シンプルさと大胆なシルエットです。

 

――シーズンにとらわれずに新作をリリースしていますが、そのタイミングはどのように決めていますか?
ミュージシャンなら、彼らはアルバムが完成した時にアルバムをリリースします。それと同じように、私たちは製品が完成したときに新しい製品をリリースします。
以前までは、ストレスや後悔を生み出す、より少ない仕事量で済むようなファッションサイクルに従っていましたが、今では、そのようなことはありません。

 

――10周年を迎えた今年、「BIOTOP」とのコラボレーションで発表したコレクションは、数字の「10」からインスパイアされたものだそうですが、他にインスピレーションを受けたことやものはありましたか?
特にありません。私たちはアイデアや参考の元となる対象を最小限に抑えるようにしています。この場合、コレクション、パッケージ、キャンペーンともに、数字「10」の最もシンプルな視覚化、つまり1つの線と円で構成されています。

――今まで影響を受けたアーティスト、デザイナー、音楽、アートを教えてください。
レイチェル・ホワイトリード(Rachel Whiteread, イギリスの彫刻家)
バス・プリンセン(Bas Princen, ベルギーの 建築写真家)
ブッフナー・ブリュンドラー (Buchner Bründler, スイスの建築家)
インゲルド・ローマン(Ingegerd Råman, スウェーデンの陶芸家)
ラリッサ・キャスパー&ロザリオ・フロリオ (Larissa Kasper & Rosario Florio, スイスのグラフィックデザイナー)
カール・アンドレ(Carl Andre, アメリカの彫刻家)
スーパースタジオ(Superstudio, イタリアのコンセプチュアルな建築事務所)など。

 

――《オール ブルース》のスタイルと哲学を一言で表すと?
“最小限のインプット、最大のアウトプット”。私たちは、大きなインパクトを伴ったミニマルな言い回しを制作しようとしています。複雑なものやインパクトが弱いものは好きではありません。私たちにとって、魔法というのは、わずかな量で人々にインパクトを与えるようなエレガンスの中に現れるものです。

 

――なぜジュエリーのみの展開にこだわるのですか?
私たちはまだジュエリーをマスターしていません。永遠にマスターをすることがないかもしれません。しかし、その日が来れば、私たちの哲学を他のことにも適用するつもりです。

 

――ブランドの今後の展望を教えてください。
私たちが長年の夢である、初の旗艦店がストックホルムのBirger Jarlsgatan 2にオープン間近となっています。そして、私たちの完成した世界とビジョンに人々を招待する初めての機会でもあります。今後は、このようなタイミングがもっと増えることができればいいですね。

 

 

 

Edit_MARIN KANDA.

Fredrik Nathorst/Jacob Skragge
ALL BLUES

2010年にスタートし、ストックホルムを拠点として活動。サステナビリティに配慮し、リサイクルシルバーやゴールドヴェルメイユを採用。ジュエリーは3Dでの試作の後に、3世代続くストックホルム郊外のアトリエにて手作業で製作される。

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