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LIFESTYLE
Jun 20, 2025
By THEM MAGAZINE

Japan Olive Oile Prize 2025 ⎯ エキストラヴァージンオリーブオイルの何たるかを知る

エキストラヴァージンオリーブオイルの本物と偽物

よいEVOO(エキストラヴァージンオリーブオイル、以下、EVOO)は、辛くて苦い。普段から料理に使っていたけれど、そんなことすら知らなかった。というのも、日本のスーパーに並ぶEVOOの多くは偽物で、私が選んできたものも例外ではなかった。

 

EVOOと国際的に認められるには、国際オリーブ評議会によるテイスティングや酸度の基準値をクリアする必要がある。日本は評議会に加盟していないため、基準を満たさないオイルもEVOOとして販売できてしまうのだ。

 

そんな中で出合ったのが、東京で毎年開催される国際的なコンテスト「JOOP(Japan Olive Oil Prize、日本オリーブオイル大賞)」。在日イタリア商工会議所が主催し、世界中の本物のEVOOが集う場だ。日本で気軽に買える“本物”はどこにあるのだろうか。

 

 

日本で買える、間違いないEVOO

 

今回のJOOP審査員の方々に「日本で買える、間違いないEVOO」について話を伺うと、JOOP 2025でベスト・ブレンド2位に輝いた、TREBBIO社の「SUBTLE & HARMONIOUS」と、ベスト・オブ・フレーバード3位に輝いたGOYA社の「GOYA®️GARLIC EXTRA VIRGIN OLIVE OIL」がおすすめだと教えてもらった。

 

「SUBTLE & HARMONIOUS」は生命力あふれる味わいが特徴で、「ディーン&デルーカ」のオンラインショップで購入できる。「GOYA®️ GARLIC EXTRA VIRGIN OLIVE OIL」は天然のニンニクの香りで風味づけされたEVOOで、肉や魚だけでなく、サラダやトーストなど、あらゆる料理を引き立ててくれる。こちらは食品オンラインショップで購入可能だ。

 

また、先に書いたオリーブオイルの辛味と苦味は、含有されるポリフェノールによるもの。特に南イタリアの早摘み、グリーンのオリーブからとれるオイルが鮮度も高く、ポリフェノール含有量も多い。日々の生活にEVOOを取り入れると、食事を美味しく楽しみながら、健康効果も期待できるという。

 

そして、オリーブオイルはそれ単体でももちろん味わい深く美味しいが、「何と合わせるか」によって選び方が変わる。EVOOは加熱すると風味を損なうため、仕上げとして料理にかけたり、マリネしたり、パンにつけたりというように、生のまま口に運んでほしい。審査員の方によると、意外なことにEVOOはチョコレートアイスにも合うそうだ。

 

では、そうした本物のEVOOはどう選ばれているのか?その審美眼に触れられるのが、JOOPだ。

 

 

Japan Olive Oil Prize 2025

JOOP 2025。審査員の説明とともに、テイスティングも楽しめる。

開催第13回目となる今年は、イタリア、ギリシャ、スペイン、トルコ、ポルトガルなど世界28カ国から578種ものEVOOがエントリー。8カ国から参加した11名の審査員が透明性と公平性を厳守し、4日にわたるブラインドテイスティング審査を行なった。

TREBBIO社の「LECCIO DEL CORNO - TREBBIO」。ベスト単一品種、ベストオーガニック、ベスト・オブ・イタリアで、さらにJOOP 2025において最高スコアを獲得。審査員のひとりによると、「白身魚に合わせるのがおすすめ」だそうだ。
「ベスト・オブ・カントリー」が授与されたオリーブオイル。
「ベスト・オブ・フレーバード」が授与されたオリーブオイル。中央が最優秀の「Calabrian Chili Olive Oil」。
優れた製品と魅力的なブランド・アイデンティティを両立させるEVOOのパッケージに特化したデザイン賞「JOOP Design Award2025」も同時発表。左から、ポルトガルのBoeira Extra Virgin Olive Oil(2位)、イタリアのRAMI TORTI IGP OLIO DI PUGLIA(1位)、ギリシャのYiayia and friends(3位)

賞は75点から100点までのポイント制で、「オーガニック」「ブレンド」「フレーバー」などの6カテゴリから審査。各国から最高スコアのオイルには「ベスト・オブ・カントリー」が授与される。今年、全てのカテゴリにおいて最高スコアを獲得し、Best of JOOP 2025を受賞したのは、イタリア・TREBBIO社の「LECCIO DEL CORNO – TREBBIO」。フルーティな香りとナッツのような味わいが特徴で、早摘みのオリーブが用いられている。

 

そのほか、ポリフェノール含有量が一番多かったオイルと、ニンニクやスパイスなどで風味付けされたフレーバーオイル、優れたパッケージデザインのオイルにも、部門ごとの最優秀賞が贈られた。

 

ちなみにフレーバーオイルは、今回最優秀賞を授与された「Calabrian Chili Olive Oil」のように、チリペッパーのフレーバーオイルでペペロンチーノやアラビアータを作ると、より辛味を増しやすく美味しくできると教えてもらった。

 

早速、カルパッチョや冷奴、パスタ、バゲットだけでなく、チョコレートアイスも楽しみたいと思う。本物のEVOOは、ただの調味料じゃない。美味しさだけでなく、健康や食事の楽しさも引き上げてくれるのだ。

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