Them magazine

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BOOK
Nov 13, 2025
By THEM MAGAZINE

COMING UP Vol.04_03 『AGAINST BARTHES: THE EYE AND THE INDEX』by Joan Fontcuberta

カメラは現実を目撃するのか、ただのパフォーマンスなのか

¥4,070(twelvebooks)

スペイン・バルセロナ出身の写真家ジョアン・フォンクベルタ(Joan Fontcuberta)による新作エッセイである本書は、自分の目元を指差す男のポートレートから始まる。指差しのジェスチャーは「これを見ろ」という命令であり、同時に写真の本質そのものを暴き出すモチーフだ。『明るい部屋』を執筆した批評家であり思想家のロラン・バルト(Roland Barthes)の「写真とは、存在した証しだ」という命題に真っ向から挑みながら、フォンクベルタは「カメラは本当に現実を記録しているのか? それともただのパフォーマンスなのか?」と問いかける。本書は、メキシコで発刊された犯罪にまつわるタブロイド紙『Alerta!』のアーカイヴ写真とヴィジュアル・エッセイの合間に、フォンクベルタによるテキストを組み合わせている。精神分析や記号論、自叙伝が絡まりながら、イメージに潜む権力と権威をひっくり返すように、人さし指というモチーフが強い印象と一貫したリズムを刻む。型にはまった「写真論」とは一線を画すこの一冊は、カルチャー誌的な読み物としても十分に楽しめる。

Joan Fontcuberta

ジョアン・フォンクベルタ
1955年、スペイン・バルセロナ生まれ。フォトグラファーであり、エッセイスト、評論家、アートプロモーター、編集者、キュレーターとして多彩な活動を行う。1994年、フランス文化省より芸術文化勲章シュヴァリエを授与、1998年にスペイン文科省より“Spanish National Photography Award”、2013年にハッセルブラッド国際写真賞を受賞。ヨーロッパや北米のさまざまな教育機関で教鞭を執り、現在はバルセロナのポンペウ・ファブラ大学で教える。

 

Photography_TORU OSHIMA.
Text_NONOKA FUJIWARA(Righters).

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