Dec 12, 2025
By THEM MAGAZINE
COMING UP Vol.04_06 『HOOKE’S LAW』by KEIYA A
6年をかけて辿り着いた、私のための音
シカゴ出身で、現在はニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライター、ケイヤ・エー。待望のセカンド・アルバム『Hooke’s Law』が〈XL Recordings〉からリリースされる。バンドキャンプで自主リリースされた2020年のデビュー作『Forever, Ya Girl』は、その予期せぬ登場とともに音楽シーンを揺るがした。メディアやリスナーから絶賛を浴び、彼女をアンダーグラウンド・シーンの最重要アーティストのひとりとして強く印象づけた作品だ。世界中をツアーで回り、一躍脚光を浴びた一方で、その成功は彼女に大きなプレッシャーをもたらし、孤立感やスランプを引き起こすことにもつながった。紆余曲折の6年を経て完成した本作について、ケイヤ・エーは「“自己愛の旅”を描いたもの」と語る。他人のためではなく、自分自身のために音楽を作った結果生まれたアルバムなのだ。歌詞はむき出しで荒々しく、怒りや葛藤、失望をストレートに刻む。全19曲で構成されるが、物語性のあるコンセプトアルバムではなく、「女性に押し付けられてきた従順さや伝統的な役割を拒絶しながら、欲望や渇望、逃避的な傾向、そして自己との終わりなき関係性を語っている」と彼女は言う。ジャズ、ポップ、実験音楽、クラブサウンドを縦横無尽に行き来し、サンプルやビートの急な切り替えが生み出すダイナミズムが、緻密でスリリングな構造を形づくった。ケイヤ・エーが再び自らを取り戻し、すべての束縛を振りほどいた先に鳴り響く、自由の音がここにある。
【リリース情報】
フークス・ロー
ARTIST ケイヤ・エー
RELEASE DATE 2025年10月31日
LABEL XL Recordings / Beat Records
URL beatink.com/products/detail.php?product_id=15369
ケイヤ・エー シカゴ出身、ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライター/プロデューサー。ジャズをはじめとするブラック・ミュージックの文脈を継承しながら、2020年のデビュー作『Forever, Ya Girl』は批評家から高く評価された。今年初頭には実験的な舞台作品 milk thot を発表し、音楽・詩・演劇・振付を融合した複合的な表現でさらなる進化を示している。
Text_KO UEOKA.