Apr 27, 2026
By THEM MAGAZINE
COMING UP Vol.07_01 『生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ』
没後初となる大回顧展。表現者・森英恵のすべて
アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり、戦後日本のファッション界を切り拓いた森英恵(1926〜2022年)。彼女が1961年1月号の雑誌『装苑』で提唱した“ヴァイタル・タイプ”⎯⎯「生命力に溢れ、一生懸命になれる仕事を持ち、努力を惜しまない活動家」。この人物像は、ひとつのコレクションテーマにとどまらず、森自身の生き方を体現するものでもあった。
1950年代にキャリアを開始し、映画衣装の制作を通じて頭角を現した森。1951年に新宿にスタジオ「ひよしや」をオープンし、1965年にニューヨークで初の海外コレクションを発表。活動の場を海外へと広げていくなかで、幅広いシーンを横断して社会に向けて自ら情報発信を行なっていった。
1966年には『流行通信』の前身となる媒体『森英恵流行通信』を刊行。当初は自身のブランドやブティックの情報誌というPR的な色が強かったが、1969年に『流行通信』へと改称して以降は、日本のアートディレクションとファッションシーンを牽引する先鋭的なモード誌へと発展する。
さらに1978年には、東京・表参道にブランドの拠点となるハナヱ・モリビルを竣工。自身のブランドに加え、海外の著名デザイナーによるショーも開催されるなど、東京のファッション動向を語る上で欠かせない存在となった。
ヴァイタリティに溢れ、挑戦を恐れなかった森英恵。本展は、彼女の没後初となる回顧展として、生誕100年を迎える今年、国立新美術館で開催される。会場では、オートクチュールのドレスをはじめ、日本的な表現として注目を集めた帯地や絹織物を使った作品、さらに日本初公開となるメトロポリタン美術館所蔵作品などを紹介。約400点におよぶ展示作品は今もなお瑞々しい輝きを放ち、森英恵という表現者の生と思想を浮かび上がらせる。
もり・はなえ 1926年、島根県生まれ。2022年没。東京女子大学卒業後、ドレスメーカー女学院で学ぶ。1951年、新宿にスタジオ「ひよしや」を設立。1954年に自身の名を冠したブティック「ハナエモリ」をスタートし、1965年にニューヨークデビュー。日本航空の客室乗務員や銀行などの企業の制服、中高生の学校服もデザインしたほか、バルセロナ五輪日本選手団の公式ユニフォームのデザインも行う。1988年に朝日賞、紫綬褒章、1996年に文化勲章、2002年にレジオンドヌール勲章オフィシエ章を受けた。
【展覧会情報】
『生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ』
TERM 2026年4月15日〜7月6日
PLACE 国立新美術館 企画展示室1E
ADDRESS 東京都港区六本木7-22-2
OPENING HOURS 10:00〜18:00 、金・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)※休館は火曜日、ただし5月5日は開館。
URL https://morihanae100.jp/
Text_NONOKA FUJIWARA(Righters).