Mar 17, 2025
By THEM MAGAZINE
「サンローラン プロダクション」が手がけるアカデミー賞受賞の話題作『エミリア・ペレス』が日本公開

アカデミー賞®️助演女優賞&歌曲賞受賞の話題作
第97回アカデミー賞で助演女優賞(ゾーイ・サルダナ)と歌曲賞(「El Mal」)を受賞し、最多12部門13ノミネートされた話題作『エミリア・ペレス(EMILIA PÉREZ)』が、3月28日(金)より新宿ピカデリーほか全国で順次公開される。
本作は本年度のゴールデングローブ賞で最多4部門受賞、アカデミー賞でも“非英語映画”として歴代最多ノミネートを果たし、現在までに世界のショーレースで119の賞を受賞、237ノミネート(2025年3月3日時点。IMDB調べ)という驚異的な成績を記録。そして主演のカルラ・ソフィア・ガスコンがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことは、トランスジェンダー女性として史上初の快挙となった。加えて第77回カンヌ国際映画祭では、物語の中心となる役柄を演じた、ガスコンとサルダナを含む4人の女優が異例の「アンサンブル受賞」という形で女優賞を獲得したことも大きな話題となっている。
4人の女性の生き様を描く、唯一無二の世界観
メキシコを恐怖に陥れていた麻薬カルテルのリーダー、マニタス・デル・モンテ(ガスコン)。「女性として生きたい」と願いつつも暴力と血に塗れた日々を過ごしてきたマニタスは、優秀ながらも不遇の日々を送る敏腕弁護士のリタ・モラ・カストロ(サルダナ)に「女性としての新たな人生を用意してほしい」という驚くべき依頼を極秘にかける。マニタスは性別適合手術を受け、“エミリア・ペレス”として新たな人生をスタートさせるが、物語は思わぬ方向へと激しく動き出す──。
本作は、エミリアを取り巻く女性たちの生き様を描いた物語。『パリ13区』(2022年)や『ゴールデン・リバー』(2019年)、『ディーパンの闘い』(2016年)、『預言者』(2009年)など、人間模様が複雑に交錯し合う作品を手がけてきたフランスの名匠ジャック・オーディアール監督が、これまでの自身の作風を飛び越え、サスペンス、アクション、ミュージカル、ヒューマンドラマといった多様なジャンルを融合させ、唯一無二の世界観を作り上げた。
「サンローラン」による衣装

同作は《SAINT LAURENT(サンローラン)》が2023年4月に子会社として設立した映画制作会社「SAINT LAURENT PRODUCTION(サンローラン プロダクション)」によって制作された長編映画。
サンローラン プロダクションは、《サンローラン》のクリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロが同ブランドのために構想したもので、ラグジュアリーブランドとして初めて本格的な映画制作に参入している。さらに手掛ける全作品で、ヴァカレロによる《サンローラン》の衣装を採用。本作『エミリア・ペレス』では、衣装を担当したヴィルジニー・モンテルが《サンローラン》のアーカイヴやヴァカレロ以来のコレクションからインスピレーションを受け、ヴァカレロと協力し、リタ(サルダナ)、マニタスの妻ジェシー(セレーナ・ゴメス)らのために衣装を制作した。
中でも歌曲賞を受賞した「El Mal」が歌われるシーンでリタが着用している《サンローラン》のシグネチャーともいえるスモーキングジャケットは必見。そのほか、ジェシーが着用する重厚なフェイクファーコートや艶やかな大花柄のジャンプスーツなど、《サンローラン》による衣装が画面を彩る。
また、ミュージカル作品でもある本作は、フランスの国民的シンガーのカミーユが楽曲を担当し、『サスぺリア』(2018年)のダミアン・ジャレが振付を手がけるなど、音楽とダンスも大きな魅力となっている。
楽曲がドラマを彩り、圧巻のミュージカルシーンが観る者の心を揺さぶる『エミリア・ペレス』は、「自分らしく生きること」を願うすべての人に響く魂の物語。ぜひ劇場で登場人物たちの生き様を目に焼き付けてほしい。
© 2024 PAGE 114 – WHY NOT PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA
2024年/フランス/スペイン語/133分
FILMDISTRIBUTION ギャガ GAGA★
TERM 3月28日(金)新宿ピカデリーほか全国順次公開
ジャック・オーディアール
1952年4月30日、フランス、パリ生まれ。大学で文学と哲学を専攻した後、編集技師として映画界に携わるようになる。1981 年から脚本家としての活動を開始し、1994 年に『天使が隣で眠る夜』で映画監督デビュー。同作でセザール賞を3部門受賞し、続く『つつましき詐欺師』(96)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。その後も30年のキャリアを誇り、発表する作品全てが国際映画祭で高く評価されている。