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CULTURE
Jan 26, 2024
By MAMI UKON

Go See a Movie : 映画館へ行こう!  ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』

映画史上最も大胆で、空前絶後のアドベンチャー!

 

『女王陛下のお気に入り』 で世界の映画賞を席巻したヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが夢の再タッグ! 想像を遥かに超えた流麗かつ大胆な冒険物語が誕生した。第80回ベネチア国際映画祭でかつてない大絶賛を受け、金獅子賞を受賞。さらに、アカデミー賞でも、圧巻の11部門にノミネートを果たした世紀の傑作が、いよいよ日本のスクリーンにお目見え!

©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

自ら命を断った不幸な若き女性ベラは、天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって、あろうことか“生まれたての女性”ベラ・バクスターとして奇跡的に蘇生する。ゴッドウィンの庇護のもと日に日に回復するベラだったが、自分自身の目で世界を見たい!と言う強い欲望に駆られ、放蕩者の弁護士ダンカンの誘惑でヨーロッパ横断の旅に出発! 急速かつ貪欲に世界を吸収していくベラは、やがて時代の偏見から解き放たれ、自身の力で自由と平等を見つけていく。そんな中、ある知らせを受け取った彼女は帰郷を決意するのだが――。

©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

エマ・ストーンが熱演するアヴァンギャルドな主人公

主人公のベラを演じるのは、『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、本作で2度目の受賞が期待されるエマ・ストーン。ジェンダー、年齢、国籍、時代、その全てを超越し、真の自由を手にするために、前進し続ける独創的な人物を繊細かつダイナミックに演じ切り、誰もが初めて遭遇するアイコニックなヒロイン、ベラの名を映画史に刻んだ。ちなみに本作ではプロデューサーとしても参加し、企画の立ち上がりの段階から作品の世界観を作り上げることにも貢献している。

 

破天荒な面々を演じる豪華スター俳優たち

ベラの父親がわりとなる天才外科医のゴッドウィン・バクスターを演じるのは、『永遠の門 ゴッホの見た未来』などでアカデミー賞に4度ノミネートされ、『アステロイド・シティ』などウェス・アンダーソン監督作品でもお馴染みの名優ウィレム・デフォー。ベラを波乱の旅に連れ出すダンカンには、『アベンジャーズ』シリーズのハルク役で広く知られ、『スポットライト 世紀のスクープ』などでアカデミー賞に3度ノミネートされ、本作で4度目のノミネートとなる実力派マーク・ラファロ。さらにベラが船上で出会い、その風格に圧倒されて尊敬の念を抱く女性マーサ役に、ドイツの名優ハンナ・シグラ。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『マリア・ブラウンの結婚』でベルリン国際映画祭の女優賞に輝き、フランソワ・オゾン監督の『苦い涙』などでも知られるドイツが誇る大女優など……。まさに一筋縄ではいかない規格外の怪優たちが、がっちりと脇を固めている。

 

超一流スタッフが大集結

映画好きにはたまらない才能溢れるそのスタッフにも注目だ。壮麗かつ緻密な技術は、『パディントン2』のジェームズ・プライスと映画初参加のショーナ・ヒース(写真家ティム・ウォーカーとのコラボレーションなどで活躍)。

ウィットを効かせた荘厳で情感たっぷりの音楽は、ミュージシャンで作曲家のジャースティン・ヘンドリックス。華麗にしてエキセントリックなコスチュームは、(アシスタント衣装デザイナー時代に)スティーブン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』『リンカーン』などでキャリアを磨いたホリー・ワディントン。超絶カメラワークを駆使した撮影は、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたロビー・ライアン! そして原作は、イギリス・スコットランドの作家アラスター・グレイの傑作ゴシック小説『哀れなるものたち』(早川書房刊)――。ため息の出るようなクリエイター陣の叡智が集結。もはや神秘とも言うべき“映画芸術の新世界”は必見!鬼才ヨルゴス・ランティモスの“ほとばしる情熱と時代の息づかい”を感じるマスターピース。

『哀れなる者たち』

POOR THINGS

2023/イギリス/英語/2時間22分/R18+

TERM 1月26日(金)〜

SCREEN TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

FILM DISTRIBUTION ウォルト・ディズニー・ジャパン

Yorgos Lanthimos

ヨルゴス・ランティモス 1973年、ギリシャアテネ生まれ。脚本家、プロデューサー、監督。
初の長編監督作品『KINETTA(原題)』(05)は、トロント国際映画祭とベルリン国際映画祭に出品され批評家から絶賛される。『籠の中の乙女』(09)で第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のグランプリを受賞(アカデミー賞外国語映画賞にもノミネート)。コリン・ファレル主演の『ロブスター』(15)が第68回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞。エマ・ストーンとの初タッグとなった『女王陛下のお気に入り』 (18)は、ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、銀獅子賞と女優賞を受賞。最多10ノミネート(主演女優賞(オリヴィア・コールマンを含む)を果たすという快挙に。さらにゴールデン・グローブ賞をはじめ世界の映画賞を席巻。映画史における最も重要な映像作家の一人として尊敬を集めている。

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