Them magazine

SHARE
CULTURE
Nov 20, 2023
By MAMI UKON

Go See a Movie : 映画館へ行こう! リドリー・スコット『ナポレオン』

英雄か悪魔か

世界屈指の名匠リドリー・スコット監督と『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックス。古今東西の映画人たちに絶賛されるそんなふたりが『グラディエーター』(第73回アカデミー賞作品賞受賞)以来23年ぶりに夢の再タッグ! スコット監督から“彼のようにナポレオンを演じられる俳優はいない”というお墨付きを得たフェニックスが、“英雄と呼ばれる一方で、悪魔と恐れられた男”を神がかった演技で体現。従来のイメージを覆す新しいナポレオン・ボナパルト像が描かれた今世紀最大級のスペクタクル超大作がついに日本上陸!

1793年・フランス。フランス革命の勃発により国王ルイ16世が処刑され、王妃マリー・アントワネットもギロチンの刑に処され他界――。コルシカ島に生まれた若き軍人、ナポレオン・ボナパルトは、広場に佇み王妃の最期の瞬間をじっと見つめていた。革命の動乱の中、天才的な軍事戦略を駆使し、諸外国から国を守り皇帝にまで上り詰めた英雄ナポレオン。最愛の妻、ジョゼフィーヌとの奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手中に収め、何十万人もの命を奪う幾多の戦争を次々と仕掛けていくように。冷酷非道かつ怪物的カリスマ性を発揮し、ヨーロッパ大陸を勢力下に収めていく。フランスを守るための戦いが、いつしか侵略路線、そして征服へと向かってゆくナポレオン……。不世出の英雄を狂気へ駆り立てたものとは、果たして何だったのか?

この大作を彩る錚々たる顔ぶれにも注目! ナポレオンの妻ジョゼフィーヌを妖艶かつ存在感たっぷりに演じるのは、「ザ・クラウン」でマーガレット王女を演じ、『私というパズル』で第93回アカデミー賞主演女優賞に ノミネートされたイギリスの俳優ヴァネッサ・カービー。脚本は『ゲティ家の身代金』でスコット監督と組んだデヴィッド・スカルパ。衣装デザインは、『ハンニバル』『ハウス・オブ・グッチ』でおなじみのジャンティ・イェーツ。さらに『プライベート・ライアン』でフリーランスの軍服衣装デザイナーとして映画界でのキャリアをスタートさせたデヴィッド・クロスマンという名だたる面々が集結!

全編を通してチェックポイント満載だが、何といってもヨーロッパで敢行された総勢8000人のエキストラが入り乱れる大規模な戦闘シーンが、カメラ最大11台の同時撮影されたという臨場感たっぷりの映像は、圧巻の一言。リドリー・スコットスコットの美学と執念が宿る最高傑作は、見逃せない!

『ナポレオン』 Napoleon

2023/アメリカ・イギリス/英語/158分/PG12
TERM 12月1日(金)〜
SCREEN TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
FILM DISTRIBUTION ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
URL https://www.napoleon-movie.jp

Ridley Scott

リドリー・スコット 1937年11月30日生まれ。イギリス/ダーラム州出身。ウェスト・ハートプル美術大学を経て、ロンドン・カレッジ・オブ・アートに進学。アメリカで映像編集を学んだ後、BBC入社、その後CM業界に転向する。1977年、『デュエリスト 決闘者』で長編監督デビュー。『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)を始めとする大ヒット作品で世界的な人気を得る。『グラディエーター』(00)でアカデミー賞、監督賞にノミネート(同作は作品賞を受賞)。『テルマ&ルイーズ』(91)、『ブラック・ホークダウン』(01)でもアカデミー賞監督賞にノミネートされるなど巨匠の威力を発揮し続ける。近年の作品として『ゲティ家の身代金』(17)、レディー・ガガ主演の『ハウス・オブ・グッチ』(21)など。2024年には「グラディエーター」の続編となる“Gradiator 2”が公開予定。2003年、エリザベス女王よりナイトの爵位を授与されている。

SHARE