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CULTURE
Oct 24, 2024
By THEM MAGAZINE

GO THERE いま行きたいニューショップ -2024 WINTER- / スパイス欧風カレー PAIKAJI

スパイス欧風カレー PAIKAJI

美味しいの先にある、戸塚夫妻が一皿に込めた思い

 

石垣島カレーを愉しめるお店「スパイス欧風カレー PAIKAJI」が市ケ谷にオープンした。石垣島でビストロを営んでいた夫妻だが、2023年に西武池袋本店で開催された「にっぽんカレー列島」への出店を機に、東京進出を決意したという。「美味しいものを食べると幸せって言うけれど、美味しいと感じられる健やかな身体があるから幸せなんです」。そう語るふたりが目指すのは“心も身体も元気になるカレー”だ。小麦粉や化学調味料は一切使わず、オーガニックココナッツオイル、石垣島の島胡椒(ピパーツ)、パイナップルなどを用いた、フルーティ&スパイシーな味わいが特徴。肝となるのは、玉ねぎと人参、香ばしく焼いた鶏ガラを煮込んで作る洋風だし(フォン)である。洋食シェフのご主人によって4日間かけて丁寧に抽出される。沖縄で命の薬を意味する「ぬちぐすい」と名付けられたフォンは、素材の味を体感してほしいという思いから、食前に小皿で提供する。「人それぞれ健康について見直すきっかけって、大なり小なりあると思うんです。自分が普段食べているものってなんだろうと振り返ったときに、なるべく食材がわかる料理にしたいと思っています」。作り手の思いが、料理を通じて食べ手の心にじんわりと伝わり、美味しいの向こう側にあるもっと深いものを教えてくれる。シェフのおすすめは、ビストロ時代に人気だったハンバーグをカツへとアレンジした「バーグカツカレー」。他に、バーグカツとラムポークキーマを組み合わせた一番人気の「PAIKAJIカレー」や「和牛ハッシュドビーフ」もありバリエーション豊か。東郷元帥記念公園に面した店内の窓からは、緑を望むことができ、都会の喧騒を忘れ、ゆっくり時間が流れるのを感じる。日ごろ頑張っている自分へご褒美カレーとして足を運んでほしい。

ご主人の座右の銘は“なんくるないさ”。一般的には“なんとかなるさ”という楽観的な意味と思われているが、本来は「正しい道で努力を重ねていけば必ず報われる」という意味の言葉。
PAIKAJIカレー¥2,000/「生産者の顔が見えるところから仕入れたかった」とこだわる奥様。目の前の老舗精肉店で仕入れた新鮮な肉を使用している。
石垣島産はちみつアイス¥600/農薬不使用の自然養蜂で採取された、石垣島の蜂蜜と牛乳で作ったさっぱりタイプのバニラアイス。奥様は石垣島で養蜂も手がけていたそう。
エキゾチックな甘い香りが特徴的なピパーツ(左)。末梢神経の働きを良くする成分により、血流を良くして体温を上昇させる効果がある。
店名の「パイカジ」は、沖縄の方言で“幸せを運ぶ南風”を意味する縁起のいい言葉。カレーを通して幸せの風を運びたいという思いが込められている。

SHOP INFO

ADDRESS_東京都千代田区三番町18-19 アルテビル三番町1F

SHOP HOURS_LUNCH 11:30〜15:00

DINNER 17:00〜20:30(日曜定休)

INSTAGRAM_@paikaji_ichigaya

PHOTOGRAPHY BY KEIICHI SAKAKURA.

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