Them magazine

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MUSIC
Jul 14, 2020
By THEM MAGAZINE

The LATEST MUSIC -今週聴きたい新譜 ELIO『u and me, but mostly me』-

Them magazineがオススメする今週聴きたい新譜、今週の一枚はこちら。

 

ELIO『u and me, but mostly me』

LAのベッドルームポップ・ソングライター、ELIOのデビューEP。
2020年3月、COVID-19によるロックダウン期から徐々にシングルをリリースし、7月9日にドロップされたのが今作だ。

 

ELIOに類似するアーティストを挙げるならば、The 1975やClairoだろう。
彼女自身も大ファンだと公言しているThe 1975特有のシンセサウンドやレイヤー感は、今EPの全体を通して聴くことができる。インターネットがもたらした現代的な孤独感に関する歌詞も共通項だ。
鼻にかかったようなELIOの歌声や、特に5曲目「Waste of Emotion」で顕著な、どこかノスタルジックでローファイな空気感は、Clairoとも強くリンクする。ELIOは22歳、Clairo は21歳と同年代であり、インターネットやスマートフォンとともに育ったジェネレーションZ世代を象徴するようなエモさがある。

“今っぽい感覚”の集合とも言える、ニュージェネレーションサウンドを展開するELIOだが、このストリーミングの時代においてそれだけではもはや新鮮ではない。小手先でイージーな音像のサンプリングではないと感じられるのは、プロダクションのメジャー感によるものだろう。アルバムを通して統一されたテンションが気持ちいいが、要所に強めのビートや派手なブレイクを効かせメリハリが付き、途中で飽きることもない。

 

ELIOのマネージャーはCharlie XXと同じ人物で、その縁もあってCharlie XXが制作プロセスに参加しているようだが、おそらく彼女の寄与によってグレードが上がっているのではないかと思う。

 

ちなみにELIOというアーティスト名は、ルカ・グァダニーノ監督『君の名前で僕を呼んで』(2018)でティモシー・シャラメが演じたエリオ・パールマンに由来するという。彼女の本名は、シャルロット・リーだ。

 

 

Edit_Ko Ueoka

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