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FASHION
Jul 13, 2018
By TORU UKON (Editor in Chief)

【これ、買いました。#001】《Filphies》のフォトプリントTシャツ

還暦になってもおさまらない物欲。

 

年を取れば、いつかは減退するだろうと思っていたのだが、一向に治る気配なし。自分でも恐ろしくなる。別の欲のほうはすっかりおさまってしまったのだが……。

 

昨日、購入したのは物欲というよりは懐かしさ。

 

ニューヨークで知り合った内藤カツさんの写真を使ったプリントTシャツだ。

 

カツさんはもう10年ほど前、雑誌の取材で訪れたアパレルブランドで働いていた。

 

「実は昔から趣味で写真を撮っているんですよ」と見せてもらったのは、フィルムで撮影されたハーレムでのスナップ。かなり危険を伴った撮影だったことが容易に想像できる写真だった。

 

穏やかなご本人のキャラクターからは想像できないような鋭角的なエネルギーが伝わってくるモノクロ写真が多かった。

 

写真集にまとめることを勧めたら、その時は照れ笑いしていたが、実際数年後に一冊になって届けられた。その後も、写真集という形で何冊かまとめられていたようだ。

 

原宿の「チャオバンブー!」に行った帰りには必ず立ち寄る「原宿キャシディ」で、カツさんのプリントがTシャツになっていることを発見した。

 

すごく懐かしかった。

 

店長の八木沢さんに説明される前に、「これはカツさんの撮ったフォトTだ!」とすぐに分かった。広げてみると、撮影された場所が記されている。ハーレムだった。

 

細かい気配りをする八木沢さんらしく、このTシャツのモチーフとなった『ONCE IN HARLEM』という写真集とキャプションが同じ棚に置かれていた。《Filpies》というブランド名は「film」と「photography」を合わせた造語のようだ。今年の夏からブランドはスタートしたそうだ。プリントは数種類あるようだが、すべてモノクロで、ハーレムの街並みやそこで暮らす人々が描かれている。

 

僕はラジカセを持った黒人の女の子のプリントを買った。サイズはLにした。

ひとつ気になったのが、プリントの粗さだ。

 

今ならもっとクリアなプリントが可能なはずだが、これもデジタルを嫌い、フィルムで撮影し続けたカツさんのこだわりなのだろうか? 今度会う機会があったら聞いてみよう。

 

「原宿キャシディ」の他に、「ネペンテス」でも扱っているようだ。

 

白と黒のボディはハイチ製。

 

¥7800+tax

今年はプリントTシャツをよく着ている。ただ、昔着ていたTシャツでどうしても見つからないものがある。これだ。

どこに行ったかな〜? もう捨てたのかな〜?

今、無性に着たいのだが……。

僕のは94年のものだったが、いろいろと裏話が隠されていたTシャツでした。

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