Them magazine

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May 21, 2025
By THEM MAGAZINE

CUT UP Vol.01_03

¥63,800(A MACHINE)

A MACHINE

迷彩機能を見つめ直す。

今期の《エー マシーン》は、本来特定の職業や環境を対象に機能を有していた洋服が、現代では装飾として捉えられ、機能とは離れた場所で着飾るという逆説的な流れを制作の起点とした。細分化した特定の対象に向けた機能を持つ洋服を作ることで、新たな装飾を創造することを目的としたコレクションとなっている。その中で注目したのは、ミリタリーとクラシカルなトラウザーズの要素を取り入れたパンツだ。2mほどあるクマの人形に合わせて作られた寸法だというが、迷彩柄の生地は人間用のため、迷彩柄をパンツの寸法と等倍に拡大。太番手で肉厚なコットンカツラギ生地に、DPMカモ柄を10倍に拡大した図版を使用し、3色の顔料でシルクスクリーンプリントを施した。1970年代イギリス軍のデッドストックのパンツから色を抽出し、柄のみを拡大。製品の状態でボールバイオ加工を施すことで、使用感のあるミリタリーパンツに近づけた。 《エー マシーン》が仕掛けるクリエイションから、今目が離せない。

左¥104,500中¥94,600右¥101,200(TOD)

JAYNE FOWLER

イカを用いたジュエリー。

《ジェイン フォーラー》は“Cuttlefish bone casting”という鋳造技法を用いたジュエリーアーティストが自身の名前を冠したブランド。Cuttlefish bone castingとはコウイカ(カトルフィッシュ)の骨を鋳型として使う、古代から伝わる金属鋳造の技法。カトルボーンと呼ばれるこの骨は柔らかく彫刻がしやすいため、そこに溶かした金属を流し込んで作品を成形する。鋳型は一度きりの使用に限られ、再利用はできないため、製作されるジュエリーは必然的に一点物になる。カトルボーンの自然な層構造が鋳造面に転写されることで、機械加工では得られない有機的な質感や肌理(きめ)が生まれる。一般的に見過ごされがちな珍しいものや、不要とされたものの中に美しさを見出し、物が持つ様々なレイヤーや物語にインスピレーションを受けていると、デザイナーのジェインは語る。鋳造した際の予測不可能性を重視することで、美しいテクスチャーを持つジュエリーが出来上がる。荒々しい美しさを宿した質感を身に付けたい。

¥121,000(vowels)

VOWELS

ニュー・ワードローブ。

《バウルズ》のデザイナー、八木佑樹氏の哲学は、「どんなワードローブとも相性がよく、自分らしさを表現できる服をつくる」 こと。2025年春夏コレクションでは、洗練されたワードローブの定番アイテムに重点を置いたコレクションを発表。日本のアンティークプリントとテキスタイル、そしてクラシックでクリーンなシルエットがコレクションの核となっている。シルクを使用したチェック柄生地により、上品な光沢があるアノラックジャケットも、プリントやテキスタイルなどと同じく日本生産である。経糸緯糸ともに、絹紡シルク100%の織物を採用。フラップにブランドマークの刺繍が入っており、オリジナル刻印ファスナーも可愛らしい。パッカブルの仕様や裾にドローストリング、そして袖口がゴム仕様とオーソドックスなデザインがなんとも《バウルズ》らしい。

¥79,200(Sakas PR)

SÉFR

プレイフルな装いを。

《セファー》から2025年秋冬のプレコレクションが発表された。モダンなデイリーウェアをコンセプトに、上質な素材を使用した、ミニマルなシルエットのアイテムがラインナップ。ベージュやブラウンなどのブランドらしいアースカラー並ぶ一方で、ピンクカラーのアイテムが印象に残った。バブルガムニットと銘打たれたブークレ素材のニットはコットンをベースに、ナイロンとアクリルを混紡させた凹凸のある質感が特徴的。ヴィンテージのニットを思わせるリブの幅とのコントラストによって、洗練されたベーシックアイテムに仕上がっている。身幅が広いボックスシルエットのため、一枚でもインナーでも存在感は抜群。春らしく明るい装いをしたい。

 

Photography_TORU OSHIMA.

Edit_ETSU ISHIKAWA(Righters).

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