Jan 20, 2025
By THEM MAGAZINE
SELECT FOR THEM Vol.1

OUTIL
Them magazine編集部がいま注目するドメスティックブランドを厳選し、ブランドのイチ押しのアイテムを紹介する「SELECT FOR THEM」。連日、肌を刺すような寒さが続いているので、休日はなかなかベッドから出られず布団にくるまり、一日中ネットショッピングやネットサーフィンをして過ごすなんて人も多いのではないだろうか。そんな折、早くもブランドからファーストドロップとして登場する2025年春夏シーズンの新作アウターを紹介。暖かい春を心待ちにしながら、各ブランドから登場したアイテムにスタイリングの想像を膨らませよう。

本企画の第一弾は、古くから伝わるフランスのワークウェアに着想したアイテムを展開するユニセックスブランド《OUTIL(ウティ)》を紹介する。デザイナーの宇多悠也氏は、素材や縫製、シルエットなど、ヴィンテージのワークウェアに息づく用の美に魅了され、これまで幾度となくフランス各地を訪れてきた。いまでは希少となりつつある伝統的手法を貫く職人たちと現地で出会い、彼らのものづくりを守ると同時にその技術を着る人に届けたい、という思いで日々洋服と向き合っている。ブランド名の《OUTIL》とは、フランス語で「道具」の意。《ウティ》は職人と着る人を繋ぐ道具としての服を提唱し、徹底的にこだわり抜いたプロダクトを制作し続けている。
ここに紹介するアウターは、宇多氏がフランスを周っている際に出会った、今までに見たことがないと言う仕様のハンティングジャケットが着想源となっている。「おそらく、1920年代から30年代にブルジョアの方がパーソナルオーダーしたオリジナルのハンティングジャケットと思われる一着をサンプリングしました。そのジャケットはさらに所有者によってリメイクされたものでした。ポケットは当時のディテールをそのまま引き継いでいますが、一般的なジャケットでは前ボタン部分に付くはずの前立てが、離れた位置へとアレンジされています。それが僕の手にわたる前の所有者なのか、最初に着た人なのかは不明ですが……。アイテム単体として、珍しいうえに美しいディテールだったのでデザインソースとして購入させていただきました」と話す宇多氏。それをさらに《ウティ》が提案する日常に寄り添うカジュアルなデザインを体現するために、細身であったジャケットをゆったりとしたシルエットへと昇華させた。「デザインソースになったそのハンティングジャケットは、世界で僕しか持っていないと思います」。そう話す宇多氏による渾身の一着を纏わずにはいられない。
《問い合わせ先》
https://outil-vetements.com/contact/