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LIFESTYLE
Dec 26, 2022
By THEM MAGAZINE

Interview with Ghetto Gastro from 「sacai GASTRO」

「サカイ ガストロ」の仕掛け人、Ghetto Gastroにインタビュー。企業やブランドとコラボレーションし、料理で創作を続けるGhetto Gastroの原動力とは。

 

 

左:レスター・ウォーカー、中:ジョン・グレイ、右:ピエール・セラオ。    Photo by Yusuke Abe(YARD)

 

《サカイ(SACAI)》はGhetto Gastroとのコラボレーションカフェ「sacai GASTRO」を《ナイキ(NIKE)》、「ブルーボトルコーヒー」、「Rocky’s Matcha」のサポートとともに原宿の「Tokyo Burnside」にて1230()まで期間限定でオープン。Ghetto Gastroとは、料理を武器にNYで活動するクリエイティブ集団。彼らの地元であるブロンクスの地域活性化を主軸に、上流と下流の文化や料理を融合させている。

 

 

 

sacai GASTRO」で提供するメニューは4種類。2021年に《ナイキ》主催のLAでのイベントで誕生したソール型ワッフルが、Ghetto Gastro監修の《サカイ》オリジナルレシピとして生まれ変わった。神戸と広尾にショップを構える「Harlow」のヴィーガンアイスクリームをトッピングしたストロベリーとチョコレートのワッフル、Ghetto Gastroオリジナルのスパイシーシロップを合わせたフライドチキンと抹茶ワッフル、キャビアとカニサラダを添えた贅沢なコーンワッフルを展開。ドリンクは「ブルーボトルコーヒー」、そして《サカイ》と親交の深いRocky Xuによって2022年に設立された「Rocky’s Matcha」の抹茶が用意されている。

Chicken Coup(フライドチキン、抹茶ワッフル)¥1,980
Triple C’s(コーンワッフル、クラブサラダ、キャビア)¥5,280
Black Power Waffle(グルテンフリーチョコレートワッフル、プランティンアイスクリーム)¥1,870
Strawberry Haze(ストロベリーワッフル、ココナッツアイスクリーム)¥1,870

また、Ghetto GastroのワッフルブランドであるWAVYと《サカイ》のコラボレーションTシャツとトートバッグを「Tokyo Burnside」と「Hello sacai」にて販売している。

Sacai GASTRO Tshirt ¥16,500 カラー:ブラック、ホワイト
トートバッグ ¥19,800 カラー: ホワイト

 

企業やブランドとコラボレーションし、料理で創作を続けるGhetto Gastroのクリエイション源についてインタビューを行った。

 

――今回のコラボレーションの経緯を教えてください。

我々Ghetto Gastroは、2021年、カリフォルニアで行われたイベント「family style festival」で《ナイキ》とコラボレーションをし、《ナイキ》のスニーカー「ワッフルレーサー」のソールをイメージしたワッフルを作りました。その後、《ナイキ》を通して《サカイ》とも交流を始め、今回のコラボレーションカフェの開催に⾄りました。

 

――《サカイ》についての印象や共通点はありますか?

《サカイ》はとてもアートとデザインを重要視し、洋服でさまざまな素材やパターンをミックスして想像の範疇を超えた新しいものを作り出しています。それは、材料をミックスして意外性のあるものを作り出す我々の料理にも共通する概念です。

 

――今回のコラボレーションで発表したオリジナルレシピのこだわりを教えてください。

我々のルーツである、アフリカをベースにしています。レッドやブラック、イエロー、グリーンといった、アフリカの象徴的な⾊を使っています。ただ、今回は⽇本でカフェを開くにあたり、⽇本の要素を取り⼊れるため、グリーンは抹茶で表現し、レッドは日本にたくさん品種があるストロベリーから厳選しました。メニューのひとつである「Triple C」に関しては、ワッフルとキャビア、カニサラダという組み合わせが⽇本の⼈には新鮮でおもしろいのではないかと思います。

 

――これまでにタッグを組んだブランドや企業を教えてください。

《オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)》、《アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS) 》のほか、食文化でコミュニティの活性化を促進するために、アメリカ大使館とも協業しました。企業との協業では、ジャンルやブランドというよりも、自分たちの価値観やアート、ヴィジョンを表現できることが重要なのです。ラグジュアリーブランドともコラボレーションしますが、高級品に親しみを感じてもらえるよう考えて創作しています。

 

――Ghetto Gastroはブロンクスをレペゼンしていますが、ブロンクスを世界に示す手段としてなぜ料理を選びましたか?

「食」というものは、ライフスタイルを形成するからです。そして「食」は、命を奪うこともできますが、命を与えることもできます。我々は、その命を与える方にフォーカスしています。Ghetto Gastroはシェフとして活動しているわけではありません。料理という手段を用いて、クリエイティブ集団として表現しています。

 

――ブロンクスにあるどのような問題を改善したいと思っていますか?

ブロンクスは、食材が豊富に集まっては、イーストコースト周辺に供給する、食材の経由地のようになっています。ですがブロンクスの中心地では貧困層が多く、その多くのコミュニティに豊かな食文化が届いていないのです。我々の活動で、豊かな食文化というものを地元に繋いでいきたいと思っています。

 

――ブロンクスのどのような姿を目指していますか?また、Ghetto Gastroが将来的に目指す姿を教えてください。

我々のような、地元を盛り上げたり、コミュニティを活性化させ、自己表現をする集団が出てきて欲しいと思っています。我々はそのロールモデルになりたいのです。アイデア次第で、「カタリスト(マーケットにおいて相場を動かすきっかけとなる材料やイベントのこと)」として、さまざまな業界と協業することができました。ブロンクスに存在する貧困層、そして黒人の女性は、まだまだ差別を受けていますが、そういった人々でもコミュニティで団結すれば、強くなれるし、なんでもできるということを伝えていきたい。Ghetto Gastroは決して、メンバー3人のものではありません。我々の活動が世界に広まり、抑圧されていると感じるコミュニティが団結することを望みます。

 

Ghetto Gastro

Ghetto GastroはJon Gray、Pierre Serrao、Lester Walkerの3人から成るコレクティブで、料理とカルチャーを交差させ、イベントや食品のプロデュースを行う集団である。SerranoとWalkerが料理を、Grayがデザインをリードする。近年ではBeats by DreやNikeともコラボレーションしている。

Tokyo Burnside

NYを拠点に活動するGhetto Gastroとen one tokyoによる、フードを中心としたアート、音楽、ファッションなど様々なカルチャーのエクスペリメンタルプラットフォーム。 黒を基調とした空間はノルウェーを拠点にする建築設計事務所Snohettaとの濃密なコミュニケーションから生まれた。 人種、場所、コミュニティーを横断し、クリエイティブな文化体験を提供する空間として開かれている。

Rocky’s Matcha

Rocky's Matchaは、世界中の人に素晴らしい抹茶を作ることを目指し、2022年にRocky Xuによって設立された旅するティーハウス。過去にはロサンゼルス、マイアミにて、そして現在では東京にポップアップティーハウスを出店している。

BLUE BOTTLE COFFEE

ブルーボトルコーヒーは2002年に、創業者のジェームス・フリーマンによって、アメリカ・カリフォルニアで誕生。創業以来、デリシャスネス、ホスピタリティ、サステナビリティを信念に掲げながら、おいしさを徹底的に追求したコーヒーを提供している。現在は、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ワシントンD.C.、ボストン、シカゴ、韓国、香港、上海、東京、横浜、前橋、大阪、京都、神戸で100店舗以上を展開(2022年12月現在)。

 

【ショップ情報】

sacai GASTRO / Tokyo Burnside

会期:1224日(土)~1230日(金)

営業時間:12:00-19:00(最終入店18:00)

住所:東京都渋谷区神宮前5-12-14 2F Tokyo Burnside

*予約不可

 

 

Hello sacai”

住所:東京都渋谷区神宮前5-10-9

営業時間11:00-20:00

TEL. 03-6419-7551

 

 

 

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