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FASHION
Jun 17, 2025
By AccountRighters

Interview with KREVA×SHUNTA NAKAJIMA for ALMOSTBLACK COLLABORATION COLLECTION

中嶋峻太による《オールモストブラック(ALMOSTBLACK)》が、親交の深いアーティストKREVAとタッグを組んだコラボレーションコレクションを、両者の誕生日である2025年6月18日(水)に発売。設立10周年を迎える《オールモストブラック》と、ソロデビュー20周年のKREVAとの記念すべきコレクションは、トータルコーディネートも可能な9型のアイテムによって構成される。このたび、発売に際しインタビューを敢行。アイテムのこだわりや、ものづくりを続けることについて話を伺った。

 

__2024年10月のラジオ番組での共演に初まり、今回のコラボレーションアイテムの製作のなかで、さまざまなやりとりを重ねてきたと思いますが、今のお互いの印象について教えてください。

 

KREVA中嶋くんは、いろんな人を巻き込んでいくのが上手いなと思います。俺は一人でやってしまうことがほとんどで、あまり多くの人と関わるタイプではないんだけど、中嶋くんはどんどん人を連れ込んでくる。

 

中嶋2004年にデビューされてから楽曲を聴かせていただいていて、言葉がストレートに伝わる曲を多く作られている印象でした。そのまっすぐなイメージがお会いしてもそのまま。今回、コラボレーションの内容は一瞬で決まって、今までで関わらせていただいた方のなかでも、一番と言って良いほど意思疎通がスムーズにできた気がしますし、お会いするたびにそれがアップグレードされていく感じで、楽しかったです。

 

__「一瞬で決まった」とのことですが、2人でアイテムを製作するにあたって、意見の衝突などはなかったと言うことでしょうか?

 

KREVAないですね。今回9型のアイテムになりましたが、本当に2分くらいで全部決まりました。自分のこれまでのファッションスタイルを思い返して、自分が気に入って着ていたものをベースに、いま着れるものとして作るならどうしたらいいかっていうのを遠慮なく伝えていきました。

 

中嶋めちゃくちゃ早かったですね()。今まで《オールモストブラック》で作ったことのあるアイテムと初挑戦のものがあり、そのミックス感を楽しんでいました。サンダルなど、最低限のロットが必要なものや、ブランドのムード的に“やりたいけどやれていなかったもの”が今回全部できた感じがします。すごく良い経験になりました。

 

KREVAそう言ってもらえるのは嬉しい。もし中嶋くんという人間と先に仲良くなって、『なんか一緒にやろうよ』だったら、喧喧諤諤があったのかもしれない。でも《オールモストブラック》を先に知っていて、アイテムに魅了されてから今回の取り組みだったので、信頼した上でいろいろ伝えられました。リスペクトがある相手だと俺はスムーズにできるんだよね。

KREVA

__KREVA氏は、《オールモストブラック》のどんなところに惹かれていますか?

 

KREVAウエアの形がすごく好きで、特に丈感が絶妙ですよね。ロングべストの上にジャケットがドッキングしたようなコートを購入したんですが、レイヤードしたときの見た目はもちろん、短丈のジャケット単体でも凄い良かった。他には、シャツも身幅の太さや袖周りのバランスがいい。そんなところが、最初にブランドに惹かれた部分ですね。あと最近撮影で、《オールモストブラック》の黒いパンツを衣装で使わせてもらったんだけど、めちゃくちゃ良かったので奪いました ()。やはり形の良さと着心地が魅力ですね。

 

__今回KREVA氏が実際に着たいアイテムを、9型のコラボレーションアイテムで表現していると思います。アイテムのポイントを教えてください。

 

KREVAチープなものではなく“素材や形が良いもの”を作りたいというなかで、コーチジャケットを選びました。俺のなかで、なかなかしっくりくるものを探すのが難しいアイテムの一つですが、今回広い身幅と短めの着丈っていう欲しいバランスが実現できました。でもそれに対してパーカーの着丈は長めなんだよね?

 

中嶋そうですね。パーカーを長めにすることで、コーチジャケットと一緒に着たときにレイヤーが出るようにしました。どのくらい出るかのバランスもKREVAさんと鏡を見ながら、『ここ!』っていう場所を探しました。テクニカルな部分で言うと、コーチジャケットは通常は裾にゴムを入れるんですが、スピンドルを仕込んで絞り具合を調整できるようにしたり、あと通常フラットなことの多い腕部分も工夫して、着たときに立体的になるように設計しました。

 

KREVA「これがあれば、もういいんじゃない?」っていうか、自分の頭で描いていたもの以上の仕上がりになって、すごく嬉しいです。

WOVEN NYLON COACH JACKET WITH 6 BROOCH ¥61,800 COLOR:BLACK SIZE:0 / 1
WOVEN WIDE 2 TUCK 8 SHORTS WITH 6 BROOCH ¥42,000 COLOR:BLACK SIZE:0 / 1
BUCKET HAT WTH 6 BROOCH ¥15,000 COLOR:BLACK
SWEAT PARKER ¥32,000 COLOR:WHITE / BLACK SIZE:0 / 1
CREW NECK LONG SLEEVE T ¥20,000 COLOR:WHITE / BLACK SIZE:0 / 1
CREW NECK T ¥18,000 COLOR:WHIte / BLACK SIZE:0 / 1
EMBROIDERY SOCKS WTH PACKAGE ¥4,200 COLOR:BLACK SIZE:23-25 / 25-28
LOGO EMBOSS SHOWER SANDAL ¥9,080 COLOR:BLACK7.5-28.5 SIZE:23-24 / 26-27
DOG TUG NECKLACE ¥110,000 ※抽選販売

__コーチジャケットやショーツ、ハットに配された、“6BROOCH”が印象的ですね。

 

中嶋そうなんです。我々2人が共に618日生まれということで「6」。そしてKREVAさんの「9」をモチーフにステンレス製のブローチを作りました。ブローチが回っても「6」と「9」に見えるデザインになっています。取り外しも可能です。

 

KREVA印象的なデザインでいうと、あとはやっぱりオリジナルロゴですね。《オールモストブラック》って通常のコレクションだとロゴが入ったものがないんだけど、ブランドアイテムとして、ロゴがあることによってキャッチーになる部分もあると思う。上から俺のサインを被せるようにして、良いバランスになったと思います。

 

中嶋−中のネームタグも、アメリカ軍に採用されているミルスペックをサンプリングして、KREVAさんと僕の誕生日、デビュー年、「4 ME 4 YOU」というメッセージを入れています。このメッセージは結構プロジェクトの最初の方にKREVAさんがおっしゃっていた言葉でもあります。

 

KREVA4 YOU」よりまず「4 ME」で、自分たちのために作ろうっていうね()

左:6BROOCH 右:オリジナルネームタグ

__ショーツについても教えてください。

 

KREVA今回9部丈のショーツを作りましたが、同じくらいの丈のビーチではくようなコットンのショーツを20年前にはいていたんです。でもそれを古着で探してもこの年齢になって絶対もう外ではけないなと思って。そこから、じゃあどうすればいいかっていうのを考えていきました。そこで『Forever Student』っていう楽曲のMVで《オールモストブラック》のショーツで、同じような形のものを履いたのを思い出して、「あれだ!」ってなりました。本当に自分の着たいものを、中嶋くんのフィルターを通して再構築した感じですね。

 

中嶋−あの時のパンツは、7部丈のパンツの裏地が2部丈分飛び出ているようなデザインで、それで9部丈になっている感じでしたね。他にもKREVAさんがロンT難民っていうのをおっしゃっていたので、腕のリブが締まっていてD Jもしやすいものを作りました。

 

KREVA「もし売れなくても、俺が全部買い取るから安心して作ってくれ!」って言って作ってもらいました。でも本当に僕好みの、ずっと長く着られるアイテムができました。

 

__今回のアイテムに対して「こんなシーンで着て欲しい」などのイメージはありましたか?

 

KREVA頑張って購入した結果タンスの肥やしになってしまう服ってあると思うんです。買ったシーズンは輝いたけど、次のシーズンになると形、デザインの奇抜さ含めて「もう着れないな」みたいな。そうではなくて、買ったシーズンはワードローブの主役としてここぞのときに着れて、それ以降洗いを繰り返して少しくたびれても、買い物とかに着ていけて、身近な服として輝けるものっていうのを意識してましたね。

 

中嶋まず自分が着たいと思うものを目指しました。KREVAさんがおっしゃったように、主役になれるし、何回も洗って味が出てきても着続けられるものになったと思うので、この服を通じて同じ感覚を味わっていただけたら嬉しいですね。普段ブランドではテーマを先行させて服をつくっているなかで、より自分やKREVAさんの視点での自分にフォーカスできたので新鮮でしたし、これまで《オールモストブラック》の服に手が伸びなかった方の入り口になるような服になったと思います。これをきっかけに知っていただく方も多いと思っているので、ありがたいコラボレーションですね。

中嶋峻太

__KREVA氏が20周年、《オールモストブラック》が10周年を迎えましたね。これまでキャリアを積みあげられた理由を教えてください。

 

KREVAシンプルに、本当に好きじゃないとやれないなと思いますね。やりたいと思ったことに対して調べたり、とことん突き詰められる人が、続いているんじゃないかな。

 

中嶋好きじゃないとっていうのは同意見です。あとは一見華やかに見えても、周りの人の支えがあって活動できているので、自分のこれをしたいという思いに賛同してくれた方達のおかげで今の自分があると思いますね。

 

KREVA今は検索すれば大体のことが知れるから、続けやすいのかなと思います。でも逆に知りすぎてしまうというのもありますよね。調べている過程で違う道が見えてしまったり、辞め方とか、辞めた後の人生も見えてしまう。だから何を見て、何を聴くかっていうのも大事なんだけど、何を見ないか、何をあえてやらないかっていうジャッジが大事になってくるんじゃないかと思います。

 

中嶋–自分はやりたいと思ったら口に出してしまうタイプで、言葉にしたり誰かに伝えたらいつかそれが実現すると信じているんです。なのでまず行動することが大切ですし、それと同じくらい、言葉にしたり思いを発信することも大事かもしれませんね。

 

KREVA中嶋くんが“行動する”っていうのは本当にその通りで、このコラボレーションにあたって、毎回直接サンプル持って確認しにきてくれてたよね。

 

中嶋このような機会をいただいたのに、直接ものを見せないで確認してもらうのは自分の中ではないなって感じていたので、お忙しいのは承知でタイミングをお伺いして見てもらってましたね。行動するのは大事ですよね。

 

KREVAでも肝心の原書展の初日は来てくれなかったよね()

 

中嶋すみません。そのときはパリにいて……。ビデオ通話をさせてもらったんですけど気づいたら切れてました。なので行動するのは大事ですけど距離っていう限界はありますね()。あのときのことは本っ当に悔やまれます!

 

__行動することに迷いが生まれることもあるんでしょうか?

 

KREVA自分の場合は、迷いが生まれるというよりもクリエイションが勝っちゃうんですよね。「この2つを組み合わせたらどうなるんだろう?」とか、ものを生み出そうとする力というか。でもそういうのって、何かを見たら手に入る力ではない気もするんですよね。美術館に行ったらみんな絵が上手になるわけじゃないし、イケてる世界最高のセレクトショップがあったとして、でもきっとそこに行っても皆がオシャレになって出てくるわけじゃない。だから何かを作りたい人は行動にっていうのはそうですけど、そうじゃない人は一歩引くことができたら、また違う道がありますよね。

例えば中嶋くんの周りには、パタンナーとか、グラフィックを担っている奥様とか、周りのパワーってあるじゃないですか。だから好きなことひとつとってもいろんな関わり方がありますよね。俺のライヴだって、照明をやる人がいたり、機材をチェックする人がいるわけだから。

 

中嶋確かに「これがやりたい」って思っても、その周りで関われる可能性がありますよね。調べていくうちに派生していって、デザイナーになりたいと思っていたけど、パタンナーになる方もいますし。突き進んだ先に枝分かれがあって、そこで自分が本当に好きなものにたどり着けるかもしれませんね。

 

__やりたいと思っている取り組みなど、今後のビジョンを教えてください。

 

KREVA−今後、いかに買いものをしないで、中嶋くんに自分が欲しいものを作り続けさせるかですね()。「カバンが壊れた〜」とか言ってね。

 

中嶋−それは今回の売り上げにかかっているかもしれません()。でも本当にこのコラボレーションは続けられる気しかないですし、僕はKREVAさんと今後も関わっていきたいので、もしかしたら自分から連絡して「こんなのできますよ」って言うかもしれません。

 

__お二人の誕生日にアイテムが発売となります。誕生日はどのように過ごしていますか?

 

KREVA大体イベントやらで仕事をしていますが、いつも合計で3ホールくらいケーキをもらえますね()

 

中嶋自分も基本仕事ですが、家族で過ごすことが多いですね。でも今年はこのコラボレーションもあり、とんでもなくたくさんの人に祝ってもらう予定です。こんな日々がこれからも続けば良いですね。

KREVA

クレバ 日本のHIP HOPシーンを牽引し続けるアーティスト。2004年にソロメジャーデビュー。HIP HOPソロアーティスト史上初のオリコン1位、アジア人初の「MTV Unplugged」出演など、数々の偉業を達成。また作詞作曲、プロデュース、ブロードウェイミュージカルの日本語詞も手がける。2024年に独立し、ソロデビュー20周年イヤーに突入。2025年には初の原画展、ニューアルバム「Project K」リリース、全国ツアーを開催。

中嶋峻太

なかじま しゅんた 1982年生まれ、愛知県出身。エスモードパリを卒業後、2005年から2007年まで《ラフ・シモンズ》でデザインアシスタントを務める。帰国後、《ミスターハリウッド》に就職。2015年に、《オールモストブラック》を立ち上げ。2023年5月には、初のランウェイショーを草月会館 石庭 “天国”にて開催。2025SSより、新たなプロジェクトライン“GHOST ALMOSTBLACK”をスタート。

 

 

【販売店舗】

2025年6月18日(水)発売

※21日(土)よりALMOSTBLACK公式オンラインストアで発売

 

Flower

富山県富山市総曲輪 3-6-15-2

TEL.076-405-9934

 

FUHGAWS

三重県松阪市大黒田町 218-7

TEL.0598-67-5116

 

BLIND

青森県青森市古川 1-17-16 1F

TEL.017-734-7270

 

APPLICATION

石川県金沢市竪町86番地1号 オーバル 1F

TEL.076-216-7707

 

ジェイアール名古屋タカシマヤ

愛知県名古屋市中村区名駅 1丁目 1番地 4号 ジェイアール名古屋タカシマヤ 本館 7階 CSケーススタディ

TEL.052-566-3865

 

JACOMO

徳島県徳島市東船場町 2丁目 12

TEL.088-679-7761

 

LOVELESS 青山

東京都港区南青山 3-16-1

TEL.03-3401-2301

 

NOWALL

兵庫県西宮市南郷町14-7  春次ビル 1F

TEL.0798-56-9433

 

TOO JENIS

群馬県高崎市下斉田町 308-1

TEL.027-346-7010

 

※「DOG TUG NECKLACE 」は抽選販売

LOVELESS 青山ポップアップストア、ALMOSTBLACK公式オンラインストアにてアイテムを購入すると抽選参加可能。

(それぞれ購入した店舗での抽選)

 

【問い合わせ】

ALMOSTBLACK

info@sndo.jp

 

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