CULTURE
May 21, 2024
By MAMI UKON

Go See a Movie ：映画館へ行こう！ジョナサン・グレイザー『関心領域』

幸福の隣にある悲劇

第96回アカデミー賞®︎で国際長編映画賞と音響賞の2冠を達成した話題作

がついに日本のスクリーンに登場。イギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン種の捕食』で映画ファンの心を鷲掴みにした異才ジョナサン・グレイザーが映画化－－。第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた邸宅に暮らす収容所の所長ルドルフ・ヘスと、その一家の暮らしぶりを描いた作品。

音や気配が伝える恐怖

スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。だが、隣接する収容所の存在が、建物から上がる煙、悲鳴、銃声、そして家族の交わす何気ない会話や視線などから着実に伝わってくる……。

ドイツの名優が共演

ルドルフ・ヘス役を『白いリボン』『ヒトラー暗殺、13分の誤算』のクリスティアン・フリーデル、その妻ヘートヴィヒを『落下の解剖学』での熱演ぶりが記憶に新しいザンドラ・ヒュラー。10年もの歳月をかけて完成に至ったという渾身作は、見逃せない。

https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/

『関心領域』

『The Zone of Interest』
2023／アメリカ／イギリス／ポーランド／105分
FILM DISTRIBUTION　ハピネットファントム・スタジオ　　
TERM 2024年5月24日〜
SCREEN新宿ピカデリーほか全国ロードショー

Jonathan Glazerジョナサン・グレイザー

1965年、イギリス・ロンドン出身。ノッティンガム・トレント大学で舞台芸術を学ぶ。卒業後、舞台・映像制作の仕事でキャリアをスタート。1993年、自身の短編映画の発表を経て、ロンドンのCM製作会社に所属。レディオ・ヘッド、ジャミロクワイのMVの監督を手がける。1997年、MTVのディレクター・オブ・ザ・イヤーを受賞。その後、英国ギャングの世界を描いた『セクシー・ビースト』（00）で長編監督デビュー。ニコール・キッドマン主演作『記憶の棘』（04）以降は、MVの世界を中心に活動。のちに9年ぶりの長編監督作となったスカーレット・ヨハンソン主演の異色SFスリラー映画『アンダー・ザ・スキン　種の捕食』（13）が大反響を呼ぶ。10年ぶりの長編監督作となった本作は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリに輝いたほか、世界の映画賞を席巻。

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